ITスパイゲーム 第1話:シリコンバレーという名のスパイ天国
2019-05-29
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National Intelligence of Japan(日本国家諜報機関)、通称NINJAが存在するとかしないとか言われながらもスパイ天国という名を欲しいままに謳歌している日本! そんな不思議国家のIT企業、FIXERより、マーケティングという戦略部隊所属、奥山がお送りいたします、今回のテーマは「スパイ」です。

この書き出しだと、社名の黒幕感が中国の旧正月の爆竹みたいに炸裂していますが、裏で何かを操っているわけではございませんので悪しからず。

さて、我らがニッポンより飛行機で10時間弱。米国西海岸にありますシリコンバレーの名を知らない方はよもやいないでしょう。AppleやGoogle、Facebookなど巨大IT企業が集まるIT企業の一大拠点です。そんなテクノロジーと知能のるつぼ、スパイに狙われないわけがありません。

去年の夏、シリコンバレーは揺れに揺れました。ついでに近くのサンフランシスコも巻き込んでの震天動地、でんぐり返し。

なんと、シリコンバレーが中国とロシアの産業スパイのトップターゲットとなっていたことが判明したのです! (実は日本も産業スパイを送り込み、シリコンバレーを揺らしたことがあります。覚えているでしょうか、1982年のIBM産業スパイ事件を……)

去年の事件では、マザーボードに隠された米粒大のスパイチップが情報を抜き取っていたという話題が発端でしたが、その後注目を浴びたのが、オフラインでのスパイ活動。つまり人と人の騙し合い合戦です。

スパイチップについては調べればいくらでも詳しい話が出てくるので、そしてオンラインのスパイ戦は私が苦手科目なので、これから語るのはオフライン戦についてです。(ちなみにオンライン戦の話ですが、クラウドセキュリティ対策として、FIXERではDeep Security provided by cloud.configというMicrosoft Azureの総合セキュリティソリューションを提供しております! IPS/IDS・Webアプリケーション保護をクラウド上で安価かつ安全に実現いたしますよ!)

スパイといっても、シリコンバレーにはびこるスパイは007のように銃で撃ちあったりはしません。伝統的な闇に潜むスタイルはすでに大昔の話。ITの迷宮へ送られてくる現代のスパイの多数は正規の方法でやってきた留学生や社員で、基本的には一般人なので発見するのが難しく、堂々とお天道様の下で活動しています。形態としてはスパイ用語で「スリーパー」と呼ばれるタイプに少し似てますね(スリーパーはスパイマスターから指示が出るまでは他の一般社員に紛れて普通の日々を過ごし、ある指示が出された時だけ、スパイとして最小限の動きをします)。

普通の社員だと思っていた人が、作業中にこっそり会社のコンセントを盗聴器入りに変えていたりしたら、しばらく気づけないですね……。ちなみに弊社のコンセントは、年末の片付けの時に何となく気になって確認しました! (当たり前だけど仕込まれてませんでした)

そんな戦場に地元警察やFBIがスパイ発見のトラップとして潜入している、というのが勢力図らしいです。ちなみにサンフランシスコの大学院でクリエイティブビジネスを教えていた時、生徒の回答や質問が微妙におかしいなと首をひねっていたら実はFBI特別捜査官だったという事実が判明し、驚愕に震えながら調べたところ、FBIの支部がサンフランシスコのダウンタウンにあるとGoogle Mapsが教えてくれました。Googleって何でも知ってますよね!

製品やオフィスにスパイツールを仕込むという方法で情報を盗むパターンも多いですが、情報を売買するという行為もスパイ行為に当たる場合があります。ひっそり、こっそり、極秘情報を手に入れようと、交渉にのってきた人間と話していると、相手が実は覆面捜査官だったぜ・米国アターックッ! というパターンで捕まる産業スパイ、多数。空港からお外には出しませんよ・米国ブローックッ! もかまされます。

違法取引判定ポイントは、極秘情報を買う意思が明確にあるかどうか。

「買うか?」の質問に「はい」と答えれば試合終了です。お縄です

魔法の言葉、「I'm not sure...」を発動させると引っ張れる、と心理戦を続けてシリコンバレーのスパイ戦の取材を切り抜けた日本人新聞記者がいましたが、裏取引は危険です、止めましょう。

さて、不穏なワードが飛び交いましたが、ITの世界は特に情報戦がすさまじいノーマンズランド! でも実際日本で働いている自分たちには関係ないと思っていませんか? いやいや、セキュリティに気を配らなければいけないのはどこの国でも同じはず。というわけで、バトルフィールドから日本に帰還してからの八か月間で気づいてしまったセキュリティ問題について次からのんびり考えていきたいと思います。ノンテクだから気づけるオフライン戦がそこにある――!

次回:見たくないのに見えてしまった、競合他社の企業情報 ~ドキドキは、山手線に乗って~