今さら聞けないクラウドとSaaSの関係について
2019-06-20
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こんにちは。FIXER Marketing & Salesの竹中です。
普段より金融クラウドなどについて当Blogで発信していますが、今さらながら最も基本的なクラウド利用、すなわちSaaSについて書いていないことに気づきました。ですので、本日はクラウドとSaaSの関係について、最近の潮流も踏まえお話してみたいと思います。

SaaSって、何だ?

Software as a Service(=SaaS)とはソフトウェアの提供形態の一つで、ユーザは端末とインターネット接続を使ってどこかのサーバにデプロイされたアプリケーションを利用する方式のことを指します(※参考)。
基本的にクライアント側に何かをインストールしたり、自分でコーディングをする必要がないため、気軽に利用できるソフトウェアとも言えるでしょう。
このモデルはかなり昔から存在したものの、一躍有名にしたのは米Salesforce.comが1999年にCRMをSaaSとして提供し始めたことがきっかけとも言われています(※参考)。
顧客がSaaSに感じるメリットは非常に単純かつ明確で、利用料以外の何も必要とせずすぐにサービスを利用できることです。皆さんも業務で、プライベートで、例えばMicrosoft のOffice365やBOX、Dropboxなど様々なSaaSに当たり前のように触れているのではないでしょうか。

SaaSでビジネスするメリットは何?

さて、今ISV(Independent Software Vendor)と呼ばれる、パッケージソフトウェアメーカの自社サービスのSaaS化が注目されています(※参考)。
ベンダーがソフトウェアをSaaS化させる一つの理由として、先述のユーザメリットがあります。これまではパッケージを買い、サーバにインストールし、社内でメンテナンスし、時期が来ればアップデートが必要だったものを丸々ベンダ側に任せられるのだからそれも当然と言えるでしょう。
もう一つの理由は、従来型のパッケージソフトウェアは一次費用による買い切りあるいはライセンスの年契約などが一般的だったことです。ユーザはその都度社内で稟議を通し予算化して導入し、結果あまり流行らず…といったこともあったのですが、SaaSの基本である「プランごと、ユーザごと、月ごとと」いった小さく始められる特徴が結果的にコストを下げる効果があったためです。
もちろんベンダ側にもSaaSビジネスのメリットはあって、それが昨今よく耳にするサブスクリプションモデルを選択することができることです。
ベンダ側はユーザ一人あたりに対する管理とフォローのコストを下げられるため、これまでと同じサポートキャパシティでより多くのユーザを維持管理することができます。つまり、チャーン(離脱)を防ぐことさえできれば少ない労力で指数関数的な売り上げを獲得することも夢ではない、ということです。

SaaS化のために必要なことは?

ソフトウェアのSaaS化のためには色々なものが必要になりますが、代表的な要素は下記の通りです。

  • サーバ:アプリケーションをデプロイする環境
  • 決済と課金管理:主にクレジットカードなどで利用料を支払う仕組み
  • ID管理:ユーザのリストと各ユーザのプラン、利用状況など
  • 継続的な開発ツール:バージョンをどんどん新しくしていく必要あり

下3つのコンポーネントに関してはそれぞれ専業のベンダが提供しています。
アプリケーションをデプロイするインフラとしては高可用性、高セキュリティ、従量課金、外部サービスとのインテグレーションなどが要求されるためパブリッククラウドと非常に相性が良いです(この一言のために随分長くかかりました)。ちなみにFIXERでもAzureの課金とリソースモニタリングのためのcloud.config Portal というツールを販売しています。このポータルはもちろん当社のAzure subscriptionにデプロイされていています。また、このポータルでは上記の決済と課金管理の外部サービスをAPI経由でアプリ内に組み込んでおり、まさにSaaSのために必要なあれこれを施しております。

最近のニュースではAWSほか数社がISVを支援してSaaS化を促進するなど、テクノロジーの進歩により、これまでより更にSaaSビジネスは躍進しそうですね。

お読みいただきありがとうございました。