山田先生のコーチングコラム: 第3回 「強みを伸ばす」か「弱みを克服する」か
2020-06-18
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FIXERにマネージャー向けコーチングを行って頂いているFlora Partnersの山田先生による、企業変革への示唆がある、個人の成長に役立つコラムをお届けします。前回の記事はこちら。お楽しみ下さい!


こんにちは。山田亨(やまだとおる)です。

ITの業界だともうポピュラーかも知れませんが、巷の会社でも最近「1on1」が流行っています。上司と部下が定期的に対話して、その時々の課題や、部下の方の成長について話し合う場です。

会社全体として導入されている企業に訪問させていただくこともあり、「こういう人はどう対処したらいいの?」とコーチングの際に話題に出ることも多いですね。

これについてはお伝えしたい話は山ほどあるのですが、今日はその中で「強み」と「弱み」という視点にフォーカスして書いてみたいと思います。


かつてのニホンの会社では、人材育成というと「弱み」を克服することに重点が置かれてきたような気がします。

特段何も考えないでいると人は「弱み」の方にフォーカスしがちですし、日本経済が成長基調にあり、品質の高い製品を大量に作る精巧なマニファクチャリングが強みの源泉だったため、求められる能力もクリエイティビティや独自性ではなく、規律を守る画一的な人材が求められてきたという時代背景もあったのでしょう。

私が普段訪問するのは「大企業」。まだまだ弱みにフォーカスしてそれを改善しようという文化は色濃いです。


一方で、元号も代わり今は変化の時代。大きく価値観が組み変わっていきます。いつものやり方でオペレーションをしていればやりくりできた時代ではなくなり、これまでの慣習的な考え方を超えて何かを創り出していかなければならない時代です。皆様もその時代の一翼を担われる存在ですよね。

そうした世相を反映して、人材育成についても「強み」にフォーカスするという考え方がポピュラーになってきています。

人を「カタ」にはめるのではなく、その人のとがったところを大事にしながら強みを組み合わせて良いチームを作っていく。

「ストレングスファインダー」など、やったことのある方もいらっしゃるかも知れません。

人は「強み」に基づいて活動しているときが最もクリエイティビティを発揮します。某、教育系企業の部長さんが言っていました。

「部下が企画を持ってきたとき、楽しみながら探求して作っている企画かそうでないかは一目見たら分かるよね。熱量が違う。」とのことです。

好きこそものの上手なれ。論語でも、「これを知るものはこれを好むものに如かず」「これを好むものはこれを楽しむものに如かず」と孔子先生は仰っています。知る<好む<楽しむ の順番で上達が早いというお話です。

そうしたクリエイティビティ同士が調和してシナジーをおこしたとき、チームは非常に大きな創造性を発揮していきます。


とはいえ、そんな話は理想論で、なかなか現場はそんなに上手くいかないよ。というのもホンネの声としてよくお聞きしています。

そんなとき、いつもお伝えしているお話があります。でも、ちょっと長くなってきたのでそれは次回にまわします。(じらしてゴメンナサイ)

せっかくなので、次回投稿までの間にちょっと考えてみてもらえませんか。

このような「弱みを修正する」のか「強みを伸ばす」のかの二項対立。皆さんはどのようにお考えになりますか?どっちが大事なんでしょう?

部下をお持ちの方は、メンバーの皆さんの顔を思い浮かべながら。部下をお持ちのない方は、自分の強み・弱みって何だろう。これからどのように自分の能力を開発していけば良いのだろう?などなど。

もしよかったら少し考えてみて下さいね。