【書評】『速習 Azure Administrator』(土田 晃令著 )をAZ-104:Microsoft Azure Administrator合格に向けて使い倒す方法 #Azure リレー
2020-07-02
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初めに

FIXER 藤井です。先週の弊社の松枝による「苦しんで習得したTerraformのマイベストプラクティス」に 引き続き、毎週水曜日に Azure 関連の記事を掲載する Azure リレー第18回を担当します。
本記事ではMCPの1つAZ-104(Azure Administrator )を受験予定の方に向けて、対策本の『速習 Azure Administrator』(土田 晃令著, 「技術の泉」シリーズ, 株式会社 インプレスR&D, 2020年, 出版社サイトhttps://nextpublishing.jp/book/11810.html)の活用方法をご案内します。※FIXERのTech Blogで取り上げることについて、著者の土田様から許可をいただいています。

「AZ-104:Microsoft Azure Administrator」について

「AZ-104:Azure Administrator(以下、AZ-104)」は、マイクロソフトが実施する認定試験であるMCPのうち、「Azure 認定試験」のカテゴリーに含まれます。合格すると「Azure Administrator Associate 」として認定されます。「Azure 認定試験」において「Associate(中級)」レベル資格として、AZ-104に加えて「AZ-203:Developing Solutions for Microsoft Azure」と「AZ-500 : Azure Security Engineer Associate 」の2つが存在します。「Associate(中級)」レベルの3つの資格を合わせて、いわゆる「DevSecOps」を構成しています。
AZ-104では、具体的なインフラ構成が例示された状態で、各設定が持つ意味と役割を問うような設問が、AzureのIaaSやPaaSのサービスについて出題されます。AZ-104に対応できるスキルを身につけることで、例えばインフラの設計をするときに、 Azure上で提供される複数サービスをコスト面なども含めて比較検討できるようになることが期待されます。具体的な例としては、「Webアプリのホスティング環境として、Azure 仮想マシン(IaaS)、Azure App Service(PaaS)をいかにして使い分けるか」という問題などがあります。
AZ-104の詳細については公式サイトを併せてご参照ください。AZ-104は2020年7月1日時点ではbeta版として公開されています。現行試験のAZ-103は2020年8月31日に廃止予定です。※藤井自身はAZ-102(制度変更により廃止された「70-533 Microsoft Azure Infrastructure Solutions の実装」の既合格者を対象とした移行試験)でAzure Administrator Associateの資格を取得しています。

『速習 Azure Administrator』の入手方法

『速習 Azure Administrator』(以下、本書)は、出版社サイトで紹介されている各販売サイトから、「電子書籍」と「オンデマンド印刷/製本」それぞれの形式で購入できます。下の写真は、Amazonから「オンデマンド印刷/製本」で購入したものです。

『速習 Azure Administrator』のすばらしい点

本書のすばらしい点は、以下のようなコンテンツが、AZ-104の出題範囲の全トピックについて網羅されていることです。

  • 各トピックごとの重要なポイントが1つ1つ丁寧に解説されています。
  • 各トピックの章末に「演習」として、自身の理解度を試すための問題が網羅されています。
  • さらにダメ押しとしてMicrosoft Learnにおいて対応する内容のコンテンツへのリンクを紹介しています。

上記に加えて全体に言えることとして「とてもコンパクトにまとまっている」ことも本書の魅力です。例えばMicrosoft 公式のMicrosoft Docsは記載内容が詳しいという意味では素晴らしいのですが、AZ-104のためにまとめられているわけではないので、受験の準備をするときに時間がかかってしまうのも事実です。本書はAZ-104で必要な部分だけを、かつ体系的に解説しています。

さらなる学習に向けて

合格をより確実にするために、そしてなによりAzure Administratorとして現場の実務で活躍するために、「手を動かして実際にAzureでの環境構築を試してみること」をお勧めします。試してみるときの観点としては以下です。

  • 本書の解説および演習で記載されているシナリオに沿って、1つ1つ試していく
  • Azureの各サービスが複数組み合わせって1つのシステムを構成することを意識して環境を構築する。例えば、Azure上の仮想マシンからストレージアカウントに対してネットワーク経由のファイル共有が設定され、その仮想マシンに対しAzure Monitorによる監視が設定されているなど。
  • Azure Portal を使ったGUIによる作業だけでなく、コマンドラインツール(Azure PowerShell or Azure CLI)を使った作業も試してみる。GUIによる作業は「厳密に理解していなくてもフィーリングだけで作業が完遂したような錯覚」に陥るリスクが常にあるため、より厳密な理解を担保するためにコマンドラインツールでの作業を確認する必要がある。

上記で最後のコマンドラインツールのうちAzure PowerShellについては、手前味噌ですが過去に拙記事でも解説していますので、もし良かったら参考にしていただければ幸いです。

最後に

最後に1つ種明かしさせていただきますと、藤井は本書に監修者の1人として参画しています。(あくまで無償のボランティアとして、業務時間外に自宅から、私物のパソコンを使用して対応しています。参画の経緯もプライベートの知人からの紹介によるものです。)
日本語圏で利用できるAzureの学習教材が乏しいという業界への課題意識から参画しました。内容については藤井も監修者の1人として吟味しておりますので、どうかお手に取っていただければ幸いです。
すばらしい教材を作成していただいた著者の土田様に、この場を借りて心より感謝と敬意を申し上げます。