Azureを計画的に利用するために知っておきたいコト ~ライセンスの請求編~ #Azure リレー
2020-09-30
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お久しぶりです。 FIXER cloud.config Division Operation Teamの新井です。

第1回 Azureリレーの記事を書かせていただいてから大分時間が空いてしまいましたが、 たまーに社内で聞かれるけど忘れがちな知識をまとめておこうと思い、ついでにブログとして残すことにしました。 前回の記事が初投稿だったこともあり、かなりお堅い文章になってしまっていたので、今回は気楽に書いていこうと思います。

 

はじめに

今回は、自分の中の知識の整理も兼ねて、ライセンスの請求周りの仕様をつらつらとまとめていきたいと思います。 ここで言っているライセンスとは、例えば Azure AD P1 ライセンスなどが該当します。

まず前提として、今回の記事て取り扱うライセンスは、月単位で請求が発生し、請求締め日は月末30日であるものとします。

それでは、自分が遭遇したケースごとに、以下に整理していきたいと思います。

  

1. 購入済みのライセンス数を減らした場合

例えば、月単位700円のライセンスを 10ライセンス購入しており、請求締め日が月末だったとします。 この場合に、10日にライセンス数を 8ライセンスまで減らし、2ライセンスは月の途中で無効とした時、月末の請求の内訳は以下のようになります。

700[円] × 10 - (700[円] × 2[数] × (20 ÷ 30)) = 6,066.67[円]

つまり、途中で無効としたライセンスを使用したライセンスは、実際に使用した日数の日割り分の料金が発生します。 これは全ライセンスを中断した際も同様となります。

 

2. 購入済みのライセンス数を増やした場合

ライセンス数を増やした場合も、減らした場合と同様、実際に使用した日数の日割り分の料金が発生します。

例えば、月単位700円のライセンスを 10ライセンス購入しており、請求締め日が月末だった場合に、 10日にライセンス数を 12ライセンスまで増やした時の月末の請求の内訳は以下のようになります。

700[円] × 10 + (700[円] × 2[数] × (20 ÷ 30)) = 7,933.33[円]

 

3. 購入済みライセンス数を変更せず使用するライセンス数を減らした場合

ちょっと伝わりにくいかもしれませんが、要は「購入してはいるが割り当てを行っていないライセンスがある状態」のことです。 ケースとしては、組織変更などによって一部アカウントに割り当てていたライセンスを解除しライセンスを余らせている場合などが考えられます。

この場合、使用していないとはいえライセンスは購入しているので、割り当て解除する前と変わらず購入分のライセンス料が請求されます。 例えば、購入済みライセンスが 10ライセンスあるなら終始 10ライセンス分の料金が発生するため、内訳は以下のようになります。

700[円] × 10 = 7,000[円]

このため、常に必要最低限のライセンス数を維持するよう、不要なライセンスが発生した際は その都度ライセンスの中断作業を実施いただくことで経費削減につながります。

 

4. 請求頻度を変更した場合

今までのケースと比べると特殊なケースですが、上記についてもまとめたいと思います。 考えられるケースとしては、当初は年単位で使用する予定だったライセンスの使用期間が短くなった場合の切り替えなどが考えられます。

この場合、少し面倒な処理が行われます。上記のケースを例に順序だてて説明すると、以下のような処理がなされます。

  1. 請求頻度の切り替えを実施し、年単位で購入していたライセンスが中断される。
  2. 作業実施日から1ヶ月後が請求締め日となったライセンスが新たに発行される。
  3. 次の請求の際に、中断された年単位で購入していたライセンスの未使用日数分の日割り料金分が返金される。

つまり、内部的な動作として、既存のライセンスの中断と、新たなライセンスの発行が同時に行われます。 例えば、1月1日に年単位8,400円(月単位700円)のライセンスを 1ライセンス購入し、6月30日に月単位に変更した際には、以下のようになります。

1月分請求時: 8,400[円] 7月分請求時: 700[円] - (8,400[円] × (184 ÷ 365)) = -3,534.52[円] (返金)

 

おわりに

最後に、今回解説した内容をまとめてみます。

  • キャンセルしたライセンスは使用した分だけの日割り料金が請求される。
  • 未使用のライセンスも課金対象なので、節約するならこまめに購入ライセンス数を更新する必要がある。
  • 課金単位を変更した際、すでに支払った金額分を使い切っていなかった場合は、未使用分が返金される。

こんな感じで、筆者が今まで遭遇してきたケースを基に、ライセンスの請求の仕様をまとめてみました。 結構ガッツリ営業や経理の方向けの内容となってしまいましたが、いかがだったでしょうか。

普段開発に集中されている方には、あまり役に立たない情報かもしれませんが、どこかで役に立つ機会が来る……かもしれませんので、 ある種の雑学ぐらいの感覚で頭の片隅にでも残していただけたら幸いです。

それでは、また機会があればお会いしましょう。

 

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2024/03/29
AI/Machine Learning