はじめに
この記事ではSaito Carl ReiさんのAzure Arc might just break Amazon Web Services’ dominance in the Cloud Marketの和訳記事です。
具体的にはマイクロソフトが年に一回米国で開催するテクニカルカンファレンス「Microsoft Ignite」で発表された、革命的な「Azure Arc」について紹介します。
Azure Arcとは
Azure Arcとは何かについて、その革命的な部分も触れながら紹介していきます。
Azure ArcとはAzureポータル上から、ほぼすべてのITインフラストラクチャを管理することができるシステムです。
具体的にはAzureポータル上でボタンを押すだけで、インフラストラクチャの展開、セキュリティの欠陥の修正、プロビジョニング、情報の暗号化、すべてのITリソースの拡大・縮小を行うことができます。
もちろん、Azureポータル以外にもAzure CLI、PowerShell、SDK、TerraformのようなサードパーティーツールからもAzure Arcを利用することができます。
例えば、仮想マシンなら、VMware vSphere・Amazon EC2・Google Compute Engineで実行されている仮想マシンなら、WindowsやLinux関係なく登録することができます。
また、Amazon EKS・Google Kubernetes Engine・IBM Kubernetes ServiceのようなKubernetesサービスもAzure Arcに登録して、Azureポータル上に表示することができます。
さらにAzure Arcではハイブリット及びマルチクラウド環境で管理されたデータベースを実行することができます。
これによって、Azure Arcを介して、オンプレミス・AWS・GCPなどのデータベースの以下のことを管理することができます。
- 自動更新
- パッチ適用
- セキュリティ監査
なぜAzure ArcがAWS優位のクラウド市場を一変させるのか
Saito Carl ReiさんはAzure Arc might just break Amazon Web Services’ dominance in the Cloud Marketで以下のように考察しています。
現状、ほとんどの企業はクラウドに移行できておらず、オンプレミスのインフラストラクチャで運用しています。
その中でクラウドサービスに切り替えていくのは可能ですが、非常に手間がかかります。
また、AWSはクラウド市場で昔から利用者が多かったため、ノウハウなどがあちこちに書き込まれているため、クラウドサービスに切り替える際にAWSが採用されることが現状多く見られます。
それに対して、今回、Azure Arcではオンプレミスのインフラストラクチャに対してもAzureのクラウドサービスと同じくらいの可視性と利便性を提供します。
そのため、Azure Arcを利用してオンプレミスのインフラストラクチャの管理からクラウドサービスに移行していくという、今までよりハードルの低いクラウドへの入り口が登場したため、今後はよりAzure Arcが利用されていくのではないかという風に推測することができます。
そして、最終的にはAzure Arcを入り口として他のAzureサービスの利用が伸びる可能性が高く、マイクロソフトがAWS優位のクラウド市場を一変するのではないかと考えられます。
おわりに
この記事ではSaito Carl ReiさんのAzure Arc might just break Amazon Web Services’ dominance in the Cloud Marketを和訳させていただきました。
様々なITインフラストラクチャを登録することによって、Azureポータル上から管理できるようにしてくれるAzure Arc、活用していきたいですね。