Microsoft Authenticator のパスワードAutoFill機能(ベータ版)の発表と利用開始方法
2020-12-20
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この記事は、FIXER Advent Calendar 2020 20日目の記事です。

さて、2020年12月15日にMicrosoft Tech Communityに一つの記事が投稿されました。

Today we are announcing the public preview of password management and autofill capability in the Microsoft Authenticator app.

Securely manage and autofill passwords across all your mobile devices with Microsoft Authenticator

Microsoftが提供しているAuthenticatorにパスワードのオートフィル機能が追加されました。(現在はベータ版)

パスワード管理サービスは現在、様々な無償/有償サービスが提供されていますが、Microsoftも参加することになるのでしょうか。期待が膨らみます。

本記事では利用開始までの流れ(分かっている範囲)について紹介します。


利用開始申請の手続きについて

ブログを読み進めていくとこのような記載がありました。

Autofill only works with Microsoft accounts (MSA), and is currently disabled for enterprise users who are using the Authenticator app for Phone sign-in or multi-factor authentication on their enterprise accounts. To allow enterprise users to use this feature on their Authenticator app, click here.

Securely manage and autofill passwords across all your mobile devices with Microsoft Authenticator - Microsoft Tech Community

説明を見る限り、現在はマイクロソフトアカウントのみサポートされていて、Enterpriseで利用しているアカウント(組織アカウント)では利用できないと書かれています。

組織アカウントを利用している場合、現在はまだ機能をONにできない(画像はiOSの画面)

そして組織アカウントで利用したい場合はリンクを押してね!とあるので押してみます。

日本語UIで表示すると・・・

リンクをクリックすると、Microsoft AuthenticatorのFAQのトップに遷移します。

遷移先に違和感がありますね。。

・・・実は画面左下の言語設定で日本語を設定しているとうまくリンク先に遷移しません。

12月17日現在、日本語のページはまだ更新されておらず、リンク不明のため画面のトップに遷移してしまいます。

日本語のページが更新されるまでは英語で参照しましょう。よくある話です。

英語に言語を切り替え、もう一度リンクをクリックすると目的のセクションにたどり着きます。

こちらのQAでも組織アカウントはまだこの機能を利用できない旨が回答されています。

2つ目のQAを見てみましょう。

組織アカウントについてオートフィル機能を有効化できる方法があるか質問されています。

こちらの質問に対し、オートフィル機能を利用できる「許可リスト」に組織を追加することができる旨が書かれています。

また、機能の有効化に興味がある場合は、QAに記載されているリンクをクリックしてフォームに情報を入力することでMicrosoftとコミュニケーションをとることが出来ます。

IT管理者が入力するフォーム

諸注意

上記手続きを行って利用できるようになったとしても、本機能はあくまでベータバージョンのサービスです。

新しい機能を積極的にチャレンジしたい方はトライしてみるのも良いですし、リスクを考慮して正式に公開されるまで様子見されるのも一つの手だと思います。

基本的にはIT管理者が申請する形になりますので、利用者が使いたい場合は所属のIT管理者に相談してみましょう。

※追記
MSサポートに確認したところ、本機能はMicrosoft アカウント (MSA) に対してのみ Public Previewとなっており、学校もしくは組織アカウント (AAD テナントのユーザー) に対しては、Private Preview 相当になるそうです。
Private Previewはサポートでは対応できませんので、リンク先のフォームから開発部門にコミュニケーションをとりましょう。

その他公開された情報

また、Microsoftのオートフィル機能についてはすでにChrome拡張機能が公開されています。

Microsoft Authenticatorと同じく、組織アカウントは利用できませんがマイクロソフトアカウントを使った検証は行なうことができます。

まずはそちらから触ってみるのもお勧めです。

chromeブラウザのほか、Edge(chromium版)でも同じ拡張機能が利用できます。

まとめ

個人的には他のオートフィル機能を持つサービスと遜色ない機能、利用感だと感じました。

さらにパスワード管理機能、パスワード共有機能などがあればビジネス利用でも他の有償サービスを駆逐できそうですが、Microsoftはパスワードレスを目指している(ようにみえる)ので、そこまで力は入れてくれないかもしれません。

脱Chromeを計画している方、パスワード管理サービスをマルチデバイスで統合したい方は今後の更新に注目しましょう。