【AWS re:Invent 2023】Amazon S3 Express One Zone について徹底解説
2023-11-29
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みなさん、こんにちは、

株式会社FIXER の石井です。

今日は、AWS re:Invent 2023 で発表された Amazon S3 Express One Zone について徹底解説していきたいと思います。

Amazon S3 Express One Zone って何者?

Amazon S3 Express One Zone はその名の通り、

Amazon S3(Simple Storage Service)の1種であり、

Express(急行、高速)なアクセスをもたらす

One Zone(1つのゾーン/AZ)にオブジェクトが保存されるサービスです。

特長としては、レイテンシーが非常に小さいことが挙げられます。

従来の Amazon S3 との違いは?

従来の S3 との違いをまとめていきます。

大きな違いとしては、バケットタイプが異なっています。

バケットタイプには、汎用バケット(General purpose buckets)とディレクトリバケット(Directory bucket)があり、

従来のS3は汎用バケット、Amazon S3 Express One Zone のみディレクトリバケットとなります。 ※ 2023/11/29時点

バケットタイプは作成後変更不可なため、従来のS3 Standard等からS3 Express One Zone に替えたいとなった場合は、現在は残念ながら新規作成する必要があります。

次に、その他の特徴について比較していきたいと思います。

S3 サービスも多種ありますが、今回は一番メジャーな S3 Standard と比較していきます。

S3 サービスの比較表でのポイントは大きくリージョン、価格、可用性の3つになります。

  • リージョンに関しては、出たばかりのサービスの常ですが、対応できるリージョンが限られています。東京リージョンがサポートされているのはありがたいことですが、大阪リージョンはサポートされていないため注意しましょう。
  • 価格に関しては、保存の単価が7倍以上高くなっていますが、読み取り価格に関しては半分の価格になっています。ここでは読み取りしか書いていませんが、書き込み処理も同様に半分の価格になっています。機械学習や金融、メディア系の分野に向けたサービスと発表があったため、このような料金形態になるようにサービスが開発されたんだと思われます。
  • 可用性に関しては、単一AZになったため低くなってしまうのは当然ですね。それより99.95%と高い水準を保たれていることに注目したいです。可用性に関するSLAに関しては同じ水準なので、サービスクレジットの返還ポリシーは従来のS3と同じになります。
S3 サービスの比較表
 S3 StandardS3 Express One Zone
ユースケース頻繁にアクセスされる汎用ストレージ頻繁にアクセスされる高性能ストレージ
レイテンシーミリ秒1桁台のミリ秒
AZ最低31
耐久性99.999999999% (11 nines) ※1
可用性99.99%99.95%
可用性SLA99.9%99.9%
東京リージョンでの保存価格 ※21GB あたり $0.0251GB あたり $0.18
東京リージョンでの読み取り価格 ※31K Request あたり $0.000371K Request あたり $0.00019
対応リージョン主要リージョンバージニア北部、オレゴン、東京、ストックホルム

※1 「AZの数が違うから耐久性も違うのでは?」と思いますが、原文では Additionaly, S3 stores ...... と書いてあるので、1 AZ でイレブンナインの耐久性があると推察できます。ゾーン冗長すれば必然的に耐久性も上がると思いますが、ユーザがAZの数を選択できるので最低保証のイレブンナインが書いてあるのだと思います。

※2 ここでは、単純に50TB までのオブジェクトの保存に関わる料金を出しています。詳しく知りたい方は原文に当たってください。

※3 ここでは、読み取り(GET, SELECT)のリクエストに関わる料金を出しています。詳しく知りたい方は原文に当たってください。

Amazon S3 Express One Zone の作り方!

従来のS3との比較も終わったので、S3 Express One Zone を作っていきたいと思います。

今回はAWS管理コンソール上での操作を解説しますが、既にAWS CLIやAPIアクセスにも対応しています。

画像のに、説明を書いていく形式で書いていきますので、順番にやってみてくださいね。

Amazon S3 のトップページにアクセスして、画面左上にある「バケット」を選択します。

画面中央右にある「バケットを作成」を選択します。

Amazon S3 Express One Zone に対応しているリージョンを選択し、バケットタイプを「ディレクトリ」に変更します。

※ 対応していないリージョンの場合はバケットタイプの選択が出てこないので、バケットタイプの選択が出てくるリージョンを選択してください。

オブジェクトを保存したいアベイラビリティーゾーンを選択し、注意事項にチェックをつけます。

バケットのベース名に一意になるように名前を入れます。

残りは設定できないため、「バケットの作成」を選択します。

ディレクトリバケットに、先ほど作成したS3バケットができました。

作成したS3バケットを選択します。

画面中央にある「アップロード」を選択します。

プロパティをのぞいてみると、ストレージクラスとして「S3 Express One Zone」が設定されていることが確認できました。

あとは、ファイルを自由にアップロードすれば、 S3 Express One Zone を使用することができます。

注意点として、使用したいコンピューティングリソースはS3 Express One Zone と同じAZに配置しておかないと最大のパフォーマンスを得ることができません。

利用する際は注意しましょう。

まとめ

今回は AWS re:Invent 2023 で発表された Amazon S3 Express One Zone について徹底解説してみました。

既に多数のサイトでまとめられている情報になりますが、自分なりに整理してみましたので、少しでもお役に立てば幸いです。