AWS Summit Japan 2024 1日目参加レポート
2024-06-21
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はじめに

こんにちは!突然ですが、AWS Summit Japan 2024の1日目に参加する機会をいただけたのでアウトプットとしてブログを書かせていただきます。

awsサミット

イベントの詳細

AWS Summit は、クラウドコンピューティングに興味がある人たちが一堂に会して、アマゾン ウェブ サービス(AWS) に関して学習し、ベストプラクティスの共有や情報交換ができる、クラウドでイノベーションを起こすことに興味がある人のためのイベントです。

基調講演や150を超える事例及びパートナーセッション、250を超える展示ブースを体験できます。他にも開発者向けのライブステージやAWSエキスパートによる技術相談の場も用意されており、知見交換や学びの場として開催されています。

様々な体験が用意されていましたが、その中から今回は基調講演について深堀していきます。

基調講演

1時間30分にわたる大規模な講演が行われ、その中の一部分でヴァーナー・ボーガス博士が現在のAIの活用状況と今後の方向性について詳しく解説しました。

講演の冒頭で、博士は次のような問いを投げかけました。

「世界の人口は今後20億人増加しますが、どのようにしてヘルスケアや食料を提供するのでしょうか?」

2024年現在、世界の人口は約81億1900万人であり、2080年代には約104億人に達すると予測されています。その一方で、水、土地、労働力など食糧生産に必要な資源は不足し続けることが予想されています。

この増加に伴う重要な課題の一つが食料問題です。

食料

例えば、ある企業では作物の効果的な栽培のために大規模言語モデル(LLM)を利用して温室を管理しています。

LLMの活用例として、農場の気候予測があります。一定期間の気温や降水量を予測することで、作物の栽培に必要な日照量や水分量を計算し、効率的に栽培を行うことが可能です。

また、コンピュータビジョンを用いて作物の病害を特定することもできます。病害をネットワークで適切に分析し、予測を行うことで、事前に対策を講じることができます。

さらに、これらの天候や病害データを元に過去の記録を分析することで、最適な収穫日を予測し、収穫の効率化に結び付けることができます。

魚の養殖管理に関する事例も紹介されました。博士によれば、肉の生産には7キロの餌が必要ですが、魚では1キロの餌で1キロのタンパク質が得られるため、肉と魚の生産コストには大きな差があります。クラウドを利用して魚の養殖場を管理することで、成長状況の把握や病原菌の早期発見・封じ込めが可能になります。

例として、リモートセンシング技術を応用し、海洋温度や溶存酸素、塩分濃度などの水産養殖に必要な情報を地図上に可視化するWebサービスを構築した企業があります。データを海中で測定するセンサー類も存在しますが、高価でメンテナンスが困難です。加えて、近年は異常気象が多発し、従来の経験則が通用しないケースが増えています。

そのため、人工衛星データとIoT、機械学習などの先端技術を組み合わせることで効率化や最適化を図る必要があります。人工衛星によって広範囲にわたる高解像度の地表情報が提供され、気象データ、環境データ、農業データなどをリアルタイムに収集できます。また、機械学習によって大量かつ多様なデータを迅速かつ効果的に解析することが可能です。

これらのリアルタイムデータの収集と解析により、無駄を削減し、リソースの最適配分が可能となり、運用コストを削減することができます。

また、医療分野におけるAIの活用事例も紹介されました。多くの国や地域では、交通手段が発展していないためにワクチンが必要にもかかわらず手に入れられない状況が存在します。そんな地域を支援するために、ドローンを使って医療ワクチンを届ける取り組みが行われています。同様に、交通手段が発展していない地域から病原菌をドローンで持ち帰り、研究に活用することも実施されています。

日本においても、後期高齢者や新生児の医療支援にAIが活用されています。特に新生児に関しては、脳損傷などの病気のデータをAIで分析することで、病気の早期発見に役立てることが可能です。

さらに、医療が必要な地域を特定し、医療団体が迅速に支援に向かうための地図作成も行われています。

他にも、衛星データを活用してアマゾンの奥地の森林破壊を監視する事例や、違法採掘が行われていないかを違法な道路の検知で確認する事例もあります。

このように、AWSが様々な現場で幅広く活用されていることが講演から明らかになりました。農業分野では気候予測や病害の特定、最適な収穫日の予測などが行われ、魚の養殖管理ではクラウド技術やリモートセンシング技術を駆使して成長状況の把握や病原菌の早期発見が実現されています。さらに、医療分野ではAIを用いた病気の早期発見や、ドローンを活用した医療物資の輸送が進められています。

これらの技術は、いずれも現代社会において必要不可欠な問題解決策であり、多くの専門家や技術者が取り組んでいることが強く実感されました。AWSの活用により、効率化や最適化が進み、持続可能な社会の実現に向けた第一歩が踏み出されていることを学びました。

医療

さいごに

他にも多くの講演を聞きましたが、特に印象に残った言葉があります。

「10年後に変わっていることより
10年後変わらないことを見つける」

これは講演の終盤に聞いた言葉で、非常に心に残りました。

確かに、変革を求めるあまり「10年後はどうなっているのだろう」と未来のことばかりに目を向けがちだということに気づかされました。もちろん未来を見据えることは大切ですが、同じくらい食糧問題や医療問題等といった今もこれからも必要とされ続けることを見つけて取り組むことが大切だと感じました。

この言葉を胸に、今からずっと10年後も役立つようなものづくりを心がけたいと思います。