【第36回高専プロコン レポート】松江大会に参加して感じたことを共有したい
2025-10-20
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はじめに

皆さんこんにちは、滝野慎之助です。

今回はメディア協賛として、第36回高専プロコンに展示されている高専生が半年から1年ほどの時間をかけて作った作品の数々や競技部門の戦いをこの目で見る機会をいただきました。

現地で感じた思いをこのブログで共有できれば良いなと思っていますので、高専プロコンや高専生がどのように活躍しているのか気になる方はご一読いただけますと幸いです。

会場について

まず今回の会場についてですが、アイキャッチ画像となっている大きな建物が今大会の会場「島根県立産業交流会館 くにびきメッセ」です。

会場内はとても広く、学生・企業ブースエリアも十分にスペースが確保されていてとても作品の閲覧やブース間の移動が行いやすい会場でした。

会場入り口には今大会のポスターも大きなものが掲示されていて、大会がこれから始まると実感させてくれました。

第36回高専プロコン会場に展示されていたポスター

FIXERブースについて

今年度もメディア特別協賛企業としてFIXERは企業ブースを展示していました。

ブースではFIXERとはどういった企業なのかを知ってもらうため、パンフレットなどを用いて説明をしていました。ブースに足を運んでくれた高専生の皆さんが、就活の際に「FIXERっていう企業あったなぁ」と思い出して候補の一つにしてくれることを私は楽しみにしています!

課題・自由部門ブースについて

課題部門・自由部門は例年通りブースに作成した作品を展示し、ブースを訪れた人たちに作品の説明を行っていました。

私もいくつかのブースをお邪魔して、パンフレットに記載されているだけでは伝わらない作品の熱意や、作品の詳細な説明や、そこに込められた熱意を聞かせてもらうことができました!

全てのブースを回ることは残念ながらできなかったのですが、いくつか回ったブースの中で印象に残った作品を課題・自由ごとに1作品ずつこの場を借りて軽く紹介させてください!

課題部門 

私が特に印象に残った課題部門の作品は、一関高専の「MemoriBox 感情も交換する、ちょっと不思議な無人店」です。

この作品は、現在のフリマアプリが抱える問題点に着目しています。価格の安さだけで取引されることが多く、購入された品がすぐに飽きられ廃棄されてしまうことも少なくありません。こうした現状に対し「MemoriBox」は、出品者の品物への「思い出」を共有することで、モノに新たな価値を見出すことを提案しています。

私はこのコンセプトを聞いた時にとても共感できたことが印象的でした。私自身、中古品を購入したもののすぐに飽きてしまい、押入れにしまい込んだ経験があるからです。だからこそ、この作品が提示する価値観の重要性を、実体験をもって感じることができました。

また、出品者の思いをAIに学習させ、AIが対話を通して伝えるという手法もありそうでなかったユニークな手法だと思いました。単にテキストやボイスメッセージで語られるのとは異なる説得力が生まれ、モノへの愛着をより深めてくれる可能性を感じます。

「MemoriBox」は、身近な問題に対し、ありそうでなかった解決策を優れた発想力と技術力で形にした、とても印象に残る良い作品でした。

自由部門

自由部門で特に印象に残ったのは、香川(詫間)高専の「からくる」です。

この作品は、徳島県の伝統芸能「襖からくり」の仕組みと面白さを、より多くの人に伝えることを目的に制作されたもので、伝統芸能への深い愛情が随所に光る作品でした。

まず目を奪われたのが、展示ブースに設置されたブラインドのようなスクリーンと、木製のコントローラーです。
スクリーンは襖の動きを再現するため滑車やレールと組み合わされており、3層構造でありながら下の層に影が映らないよう、一枚一枚角度が調整されているそうです。その細やかな配慮と作品への熱意には、ただただ圧倒されました。

さらに、木材と電子部品を組み合わせて作られたコントローラーも印象的でした。これは実際のからくりを操作する部分をミニチュアで再現したものとのことで、体験者に本物と同じような動きを感じてほしいという思いが込められています。操作部分まで作り込む徹底ぶりからは、襖からくりへの深い愛情と探究心がひしひしと伝わってきました。

「からくる」は、さまざまな部分の作り込みと細部への配慮から伝統文化への敬意を感じることができる、とても印象に残った作品でした。

競技部門について

課題・自由部門が作品の完成度を競うのに対し、競技部門は定められたルールの中で勝利を目指す、まさに技術と戦略の総力戦です。

会場では、各チームが練り上げた多様なアプローチを見ることができました。勝利条件を100%満たす堅実な手法で挑むチームもあれば、さらに処理速度の限界に挑戦し、コンマ1秒を削り出すチームもあり、その戦略の違いは非常に興味深いものでした。

中には、高性能PCの処理能力を最大限に引き出すため、うちわで筐体を冷やし続けるチームも見られました。プログラミング技術だけでなく、PCの特性を活かした人間によるPCのアシストでも勝ちたいという執念が感じられました。

私も母校である近大高専チームの戦いを見守っていましたが、惜しくも準決勝で敗退してしまいました。それでも、全ての試合において高専生の持つ多様な発想力と独創性が見えるとても緊張感と面白さのある戦いを見ることができ、素晴らしい体験となりました。

終わりに

ここまで読み進めていただきありがとうございました!
拙い文章ですが、少しでも高専プロコンの楽しさ・面白さを伝えることができていれば幸いです。

メディア協賛企業の担当として高専プロコンに足を運ぶのは今年度が最後になりますが、プライベートで時間が合えば今後も会場に足を運んで高専生たちの勇姿を見守っていきたいと思います!