金融ITのクラウド化について概説してみる④現代篇
2019-06-07
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皆さん、こんにちは。金融ITに関する本投稿も第4回となります。この次の回を持ちまして講演で話した内容は一先ず完結となります。

第3回にあたる前回では日銀や金融庁の公開資料を引用しつつ現代の金融システムの潮流と、そこにパブリッククラウドが果たす役割について説明しました。今回は、近年生まれた金融クラウドの輝かしい事例と、まだまだ現場に残る誤解について述べさせて頂きたいと思います。

パブリッククラウドを活用した金融IT事例

このセクションではクラウド、特にMicrosoft Azure(Azure)、 Amazon Web Service(AWS)、 Google Cloud Platform(GCP)の3メガクラウドの国内事例について各一つずつご紹介いたします。(ところで、3メガクラウドとか3メガバンクとか人ってどうして3大○○が好きなんでしょうか)

Azure: 北國銀行とFIXER、日本マイクロソフトと「北國クラウドバンキング」の開発を開始(※)

いきなり手前味噌な事例で恐縮です。弊社FIXERは実は日本で初めてインターネットバンキングの仕組みをパブリッククラウド上で構築するプロジェクトを推進させて頂いております。柔軟に変化と継続的開発が求められるIBのようなエンドユーザと接するサービスにおいて、クラウドを採用するメリットは計り知れません。また、オンプレミスで構築されている勘定系システムとの繋ぎこみなど技術的にも難しい要素を多く含む、とてもチャレンジングな試みです。

AWS:MUFGにおけるクラウド活用(※)

日本のメガバンクの一角、MUFGによるAWS採用のニュースは金融業界、IT業界のみならず大きな反響を呼びました。レポートによるとMUFGはIaaS領域からAWS活用をはじめ、サーバ構築時間を半分~3分の1程度まで削減しています。また、これまで手間のかかっていたキャパシティ見積もり(オンプレにおける処理速度とストレージの上限はシステムごとの個別見積もりに更に保険をかけて購入する必要があった)をオミットするなど、システムのLTV全体でクラウドを活用しています。今後はデータレイクとの結合や人材育成といった課題に挑みつつ、クラウドの活用範囲と許容リスクを拡大すると発表しています。

GCP : SMBC、AIの実用化に向けた取組について(※)

同じくメガバンクのひとつ、SMBCはAIの領域でGCPを活用することを発表しています。GCPはもともとGoogleのビジネスを支えるインフラをユーザ向けにも提供するというもので、Big QueryやCognitiveなどAIサービス開発に適した機能も多く提供しています。もともとAzure、AWSよりシェアは低いものの、最近ではフルサービスを提供する日本国内2つ目のリージョンを発表するなどこの領域でのビジネスの進展が見込まれます。

以上、メガクラウドを活用した近年の金融IT事例について代表的なものをご紹介しました。ここまでで長くなってしまったので続きは次回。次でこの連載の最後となります。

お読みいただきありがとうございました。