前回までのあらすじ:ネタ切れが始まった奥山に、フロントエンドの錬金術師が手を差し伸べた。「テックネタがないなら数学ネタをやればいいじゃない」、とLaTeXというシステム投げつけ、楽しそうに微笑む彼は天使か悪魔か。旅を続ける中、TeXclipというプレビューが簡単になるお助けキャラとも知り合い、一緒にWordpressに乗り込んだ矢先、立ちはだかった壁とは――。
「えぇーっ⁈ 何でぇー⁈」
私の席の近くで仕事をしている人は、私が毎日これを最低5回は叫んでいることをご存じでしょうが、TeXclip内で書いたLaTeXの数式をWordpressに注ぎ込んだ時もこの呻き声を上げました。
しっかり$LaTeX 数式$とWordpressの命令に従って編集したのに、プレビュー画面を見に行ったらそこに表示されていたのは……。
$latex 2+2 = 4-\frac{9}{2}+\frac{9}{2}\\
= \sqrt{(4- \frac {9}{2})^2} + \frac{9}{2}\\
= \sqrt{16-2 \times 4 \times \frac{9}{2}+(\frac{9}{2})^2}+\frac{9}{2}\\
= \sqrt{-20+(\frac{9}{2})^2} + \frac{9}{2}\\
= \sqrt{(25-45) + (\frac{9}{2})^2} + \frac{9}{2}\\
= \sqrt{5-2 \times 5 \times (\frac{9}{2}) + (\frac{9}{2})^2} + \frac{9}{2}\\
= \sqrt{(5- \frac{9}{2})^2} + \frac{9}{2}\\
= 5- \frac{9}{2} + \frac{9}{2}\\
= 5$
まるっとそのままLaTeX! (ゴロがいいことが救い……)
嘘だッ!
(最近古いネタを掘り返すのが趣味なんですかね、私……)
なんでやねーんと編集画面に戻り、間違いがないことを確認して再びプレビューへ。
……嘘じゃなかった。
何が駄目だったの……。とりあえず検証スタート。
行変えの「\\」←これかしら、と消し消し。が、びくともせん。
やだ……嫌な予感がしちゃう……!
襲い来る絶望と闘いながら消したのは「&」でした。それでも駄目。
もしかして一行で書ききらなきゃ駄目? じゃあこれでターン終了! どうだ……!
$latex 2+2 = 4-\frac{9}{2}+\frac{9}{2}\\= \sqrt{(4- \frac {9}{2})^2} + \frac{9}{2}
\\= \sqrt{16-2 \times 4 \times \frac{9}{2}+(\frac{9}{2})^2}+\frac{9}{2}\\= \sqrt{-20+(\frac{9}{2})^2} + \frac{9}{2}\\= \sqrt{(25-45) + (\frac{9}{2})^2} + \frac{9}{2}\\= \sqrt{5-2 \times 5 \times (\frac{9}{2}) + (\frac{9}{2})^2} + \frac{9}{2}\\= \sqrt{(5- \frac{9}{2})^2} + \frac{9}{2}\\= 5- \frac{9}{2} + \frac{9}{2}\\= 5$
もう駄目だ……絶望だ……。
Google先生ぇ……。
先生「JetpackのLaTeXは改行できませんよ!」
奥山Siri「……すみません、わかりません」
……え? 何言ってるの、Google先生……。意味がわかりません。
こういう時のフロントエンドの錬金術師!
錬金術師「スクショでいいんじゃないっすか?」
ついでにちょうど私が呻いているところに通りがかってしまった同期の猫好きAzure記事担当お姉さん!
猫お姉さん「コードならコピペするけど、数式はスクショでええんちゃう?」
そんなことがあってもいいのか……!
ならTeXclipさん! 私を助けて!
TeXclip「これでええか?」
ブルータス……お前もか……!
零れる涙は海の味。深い森の奥を孤独に彷徨うようなこの気持ち。今、この感情に名前を付けよう。
悲しみ、と――。
はい、「PNG」ぽちっ。
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……うん……えいやっ。
まぁ、綺麗っ! (トリックがわかった方は是非コメントを!)
……こうして奥山の旅路は終わりを告げたのです(最後の投げやり感は仕様です)。
さぁ、みんな、涙を拭いて。
ノンテク流Lift & Shift最強説をオフィス中に流しながらお家へ帰ろうじゃないですか!
「遠足は家に着くまでが遠足ですっ!」
―完―