AIに自分の行動パターンや思考パターンを学習させて自分の意思を完全に再現できるようになれば、 いつか人は肉体的に滅びても、精神的には不老不死になれるのではないか……!
大体の人がこんな夢を抱いているのではないかと思います(そしてジョニー・デップの『トランセンデンス』のように暴走するところまでがお約束)。そこまでいかずとも、せめて一目あの人に会いたい、あの伝説を再び……! (あぁ、マイケル・ジャクソン……!)と常日頃考えてしまうマーケティングチームの奥山、最近すごいものを見てしまいました。
あれは今月9日のこと。NHKでとある夢いっぱいの番組が放映されました。それは――。
『どすこい! 夢の大相撲~令和元年 AI場所~』
この番組は一体何だ? 説明しよう!
『伝説の力士たちの現役時代のデータを取り込んだAIがその分析結果から勝敗を決める』という一大企画です。
試合の様子はCGで再現されているのですが、動きは現在現役の力士が伝説の力士の動きを覚えて模写し、それを基にテクニカルチームがCG作成をしています。だから画面がとっても豪華……! (塩だって投げるよ!)
そして相撲の解説に忘れてはいけないこの人も出演しているというゴージャスにゴージャスを重ねた企画です。
閣下の的確なコメントを聴きながら、伝説の力士たちの物理的にも情熱的にも熱いぶつかりあいを見れてしまう。おっ? これは新時代の幕が開けたな? と『令和元年』という言葉を噛み締めました。
閣下は割とNHKに出てますね。相撲の解説はもちろんですが、大河ドラマ『軍師黒田官兵衛』の合戦シーンのほら貝は閣下の私物だそうで、聞くたびに、閣下のほら貝って素敵……って思ってました(DVD全部持ってます!)。
話をAI相撲に戻しましょう。
芸能人が3チームに分かれ、それぞれ力士をドラフト指名して闘わせるというルールで試合が行われていました。この時、AIは指名された力士の得意技や、粘り強さ、瞬発力などを計算しているのか、短期決戦タイプ、粘り勝ちタイプなどで相手との相性を見て、どちらに有利なのかを出しているように見えました。
試合が終わるたびに解説付きのリプレイがあるのは本物さながら。しかも試合開始何秒時点ではどちらの力士の勝敗が何%だとAIが判断したか、その数秒後にはどう判断変わったか、とAIの思考回路みたいなものが可視化されていました。
地味に面白い!
大鵬 vs 白鵬の試合なんて、普通に考えれば有り得ない夢のまた夢の試合です。それがまさか令和元年の今、見れるだなんて! 動きもスムーズでリアルですから、相撲好きのコメンテーターが感極まって涙ぐむのも仕方ありません。
弊社にはMicrosoft MVP for AIを受賞したエンジニアがおりますので詳しく、正しく、実用性に満ちたAIの知見を得たい方は彼らの記事や本を読むことをお勧めしますが、ノンテク・奥山、想像していたAIに関する未来が思った以上に近くに迫ってきていたことに驚きを隠せません。
いつか『織田信長 vs 近藤勇』みたいなものが見れる日が来るのではないだろうかと若干大きすぎる夢を抱きつつ、夢の大相撲の録画再生ボタンに再び指を伸ばすのです――。