AI開発の最前線!Azure OpenAI Service Dev Day 2025!
2025-07-23
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こんにちは、鷲澤です!!


先日、「Azure OpenAI Service Dev Day 2025」に参加してきました!
イベント公式ページConnpassでも紹介されている通り 、Azure AIを活用する開発者向けの年次カンファレンスということで、AI開発の最先端に触れる貴重な機会となりました。

先輩からの紹介とAIへの情熱

実はこのイベントの存在は、先輩から教えてもらったのがきっかけでした。
AI情報のキャッチアップはしているものの、こういった大規模なイベント情報を見ることがあまりないため、紹介してもらうまで正直存在すら知りませんでした。
 

しかし、普段からAI技術には興味があり、常に「仕事か、AIを多用する個人開発か」という生活をしている私にとって、まさに渡りに船のようなイベントでした。最新の知見と、同じ熱量を持つ開発者の皆さんと交流できる機会に、胸を躍らせて参加しました。

セッション:AI時代のAPI設計の深淵

今回、事情によりこのセッションしか参加できなかったのですが、これが非常に面白く、普段の生活でもかなり活用できる内容でした。川崎庸市氏による「AI時代のAPI設計:AI-Ready API Designing (MCP) and APIs in the AI Era」というセッションです。Speaker Deckでも内容が公開されていますが 、AI時代のアプリケーション開発においてAPIが果たすべき役割と、その設計原則について深く考察された内容でした。
 

セッションの詳細は多岐にわたりましたが、特に印象に残ったポイントを3つに絞ってご紹介します。

1. MCP (Model Context Protocol) とAPI、それぞれの役割

セッション冒頭で「MCPはAPIを置き換えるものなのか?」という問いがありましたが、答えは「No」でした。両者は異なるレイヤー、異なる役割を持つと説明されました。APIの利用者が主に人間や一般的なアプリケーションであるのに対し、MCPはAIエージェントが外部ツール(API)を効率的に利用するためのプロトコル(規約)です。
AIがツールとしてAPIを活用する上で、APIの機能や使い方をAIが理解しやすい形に記述するMCPが、今後のAIエコシステムを拡大していく鍵となる、というビジョンが示されました。

2. AIにとっての「Affordance」の重要性

このセッションで特に印象的だったのが「Affordance: アフォーダンス」の概念です。これは「ある物体がどのように使えるか」を示す特性(例:ボタンは押すもの、椅子は座るものとわかる)を指します。AIにとってもこれが非常に重要で、AIにとってアフォーダンスが高いAPIとは、以下の特性を持つものだと強調されました。

  • マシンリーダブル(機械可読性)
    • AIが解釈しやすい形式であること
  • 自己記述的
    • API自身がその機能や使い方を説明できること
  • セマンティックな情報
    • 単なるデータではなく、意味合いを持った情報を提供すること

推論コストやトークン制限といったAI特有の制約がある中で、AIが効率的にAPIを使えるよう、データは「絞り込み、ノイズ除去、構造化、フォーマット変換」されてLLMが扱いやすくなっている必要があるとのこと。アフォーダンスが低いと、AIがハルシネーションを起こす可能性もあるため、非常に重要なポイントだと感じました。

3. AI時代における「良いAPI」の条件

従来の「良いAPI」(利用者ニーズを満たす、使いやすい、見つけやすい、一貫性、信頼性が高い)に加えて、AI時代には特に意識すべき要素が追加されるとまとめられました。

  • アフォーダンス力
    • AIが直感的に使えるか
  • 一貫性
    • エンドポイントのパスや命名規則などに統一性があり、パターンが予測できるか
  • 冪等性
    • 同じリクエストを複数回送っても、結果が同じであること
      • AIエージェントはリトライを多用するため、データ不整合防止に必須
  • 発見可能性
    • APIカタログなどで、AIが必要なツールを効率的に見つけられるか
  • 推論対策
    • 推論コストやトークン制限を意識し、データを絞り込めるフィルタ機能などを持つこと

AI時代においてもAPIは重要な基盤であり、高品質なAPIがAIのパフォーマンスを左右するということが強く伝わってきました。

懇親会

セッション後の懇親会も、このDev Dayの醍醐味の一つでした!日頃の業務や個人開発で抱えている技術に関する疑問や課題を共有したり、他社のユニークなAI活用事例を聞いたりと、本当に有意義な時間でした。オンラインではなかなかできない、深い議論や情報交換ができ、新しい視点やヒントをたくさん得ることができました。参加者同士の交流も深まり、今後の開発に繋がる新しい繋がりもできたことは、大きな収穫です。

まとめ

Azure OpenAI Service Dev Day 2025は、最新のAI技術情報に触れるだけでなく、それを活用する開発者コミュニティの熱量を肌で感じられる、素晴らしい機会でした。先輩の紹介がなければ参加していなかったかもしれませんが、本当に参加して良かったと心から思います。
 

今回得られた知識と、懇親会で生まれた新しい繋がりを活かし、私自身もAIを活用した開発をさらに加速させていきたいと思います。毎日のようにAIの進化が発表される中、これからも継続的な学習と実践が不可欠だと改めて認識しました。来年のDev Dayも、今から参加が楽しみです!