「How Google Works」書評
2020-01-07
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はじめに

あけましておめでとうございます!
Fintech事業部の南條です。
よく本を読んでる人というキャラを社内で立てると、様々な方から書籍をお勧めいただいたり、書籍自体をいただいたりする機会が増えてきている気がします。
普段技術等を学ぶ際の情報リソースの形として書籍を重視している私としてはありがたい限りです。
そんな中で、現ブログ編集部長の野村さんからこの書籍をいただきました。
普段よく読む技術系の書籍ではなく、ビジネス系、それも経営系の書籍であり、この類のものを読んでこなかった自分としては読むものの幅を広げるためのいい機会だなーと考えて昨年中も時々時間を見つけては読んでいたのですが、年末年始で時間ができたため通読してきました。
今回は、その内容や気になったトピックについてレビューしたいと思います。

目次

  • 序文 ラリー・ペイジ
  • はじめに 最前列で学んだこと
  • 文化 自分たちのスローガンを信じる
  • 戦略 あなたの計画は間違っている
  • 人材 採用は一番大切な仕事
  • 意思決定 「コンセンサス」の本当の意味
  • コミュニケーション とびきり高性能のルータになれ
  • イノベーション 原始スープを生み出せ
  • おわりに 想像を超えるものを想像しよう

「How Google Works」とは

この書籍は、Googleという企業について書かれたものです。
経営者の観点で書かれており、採用や意思決定などにおいて実際にあったエピソードから、その背景にある企業文化や考え方などを説明しています。
それぞれの章やトピックはあまり前後関係が内容に感じられたので、気になるトピックを拾い読みして自分の考えに刺さる内容を探すという読み方もできます。

気になったトピック

一開発者として仕事をしている自分にはパッと感覚的にわかる内容ばかりではありませんでしたが、逆に企業の中で個々人がどうあるべきかといったことについて述べられているトピックについては気になったものもありました。

イノベーションのためにアイデアを「自然淘汰」させる話

企業内でイノベーションを起こすことは多くの企業で求めていることだとは思います。
方法としてはGoogleの場合だと有名な「20%ルール」等といったものが思い浮かぶでしょう。
そしてその方法論の後ろにある考え方は何なのかというのと「自然淘汰」になります。
この考え方において、イノベーションを起こすにはまず社内で自由に新しいアイデアを試す自由と環境を用意しておく必要があります。
するとその中でアイデアが進化して生き残ったり、停滞して死滅したりしていきます。
そしてそんな自然淘汰を生き残ったアイデアは良いアイデアなので社内でリソースを割いて育てていこう・・・というのが会社側から見たイノベーションの起こし方です。
逆にこれを社内の一開発者の視点から見た場合、「まずはアイデアのプロトタイプを作って周りの人に使ってみてもらうことで自分のアイデアの価値を知ることができる」といった考え方もできると思います。
何かしらのアイデアがあればそれを小さい形で実装して周りの人に試してもらい、何も言わなくても使い続けてもらえるようならそのアイデアは有用で役立つ、スケールさせてより価値が上がるものだと判断することができます。
一方で、作ったはいいけど誰にも見向きもされなくなって忘れ去られていくアイデアはそれ以上掘り下げてもあまり価値が出ないと考えられます。
こうした自然淘汰に晒すことは自分のアイデアが有用か?といったことを実際に試すための方法としても使えます。
実際に社内ではslackbotを作成する人新しいアイデア出しツールを使うことを勧める人(私です)、PowerAppsでのアプリ開発を推す人(記事が多くて選べないです。PowerAppsで検索!)など、様々なアイデアの下でそれを試している人たちがいます。
それらの結果を見守りながら、それぞれのアイデアがどこまで通用するか試す環境があることは社外でも通用するような新しいサービスや機能を生み出す土壌になるように思います。