在宅勤務でも進めるチームビルディング Step5:メンバーの価値発見
2020-04-30
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はじめに

こんにちは。FIXER名古屋事業所の笹尾です。
今回のチームビルディングのステップはメンバーの価値を発見する方法を解説したいと思います。前回の記事でチームビルディングにおいてのチームは価値が重要と説明しましたが、実際に価値を意識して取り組む第一歩となります。

なお、今回の内容は今まで紹介した『official chat time』や『嫌なことをやめる』をある程度の期間取り組んでいただいた前提で進めています。

前回の記事について

前回の記事はこちらにあります。合わせてお読みいただけると嬉しいです。

メンバーの価値は他のメンバーで発見することができる

メンバーをリスペクトしてチーム運営を行えるかどうか?これはチームにとってとても重要です。
人間一人ひとりにいい部分と悪い部分があり、価値観も多様です。
この時、多くの人は自分の悪い部分を隠し人の悪い部分を見ようとします。
チーム内にも起こる当たり前の現象を自分たちで防ぐにはどうしたらいいのでしょうか?

実際にチーム全員が定期的にミーティングを開催し、下記に説明することを一つずつ進めてみましょう。

自分の苦手をメンバーに伝えよう

メンバー各々が自分の不得意な部分や、生活の中でどうしても避けてしまうことなどを共有してみましょう。
伝えることが怖いことまで共有する必要はありません。
まず、素直に喋れる自分の弱さを一つでもいいから伝える事に慣れていきましょう。

業務に影響しそうなことや、実はどうしてもできないことがあれば伝えよう

最初から生活の中で苦手なことは話しにくいかもしれません。実際には多くの事柄が仕事と生活の両面でつながっているかと思いますが、一番最初に共有しやすいのは業務に直結する部分から伝えることです。
慣れてきたら、生活の中でどうしても避けてしまうことなどを共有してみましょう。

メンバーのいいところを出し合おう

チームに大切なのは互いを尊敬すること。そしてその尊敬が相手に伝わることがとても大切です。
実は多くの人が他人を褒めること、日頃の感謝を口にしていません。
ですから、ここではメンバーのいいところ、好きなところ、気に入っているところ、今までにあった嬉しい事を片っ端から伝えましょう。
大切なのは、なぜそう思ったかや、自分がよく思った気持ちも一緒に伝えることです。

直接的なアウトプットや業務的な面を洗い出そう

普段仕事をしている上で、常に感じている業務に関する感謝や相手の能力の高いと思える点を洗い出してチーム全員に伝えましょう。これはチームのアウトプットにメンバーが貢献している実感を持つ意味でとても重要です。

非業務的な側面でのいい部分を出し合おう

チーム内で感じるメンバーの良さを、業務やアウトプットに関係ないもの全てを洗い出してチーム全員に伝えましょう。
この部分はチームの価値を真に高める要素を多く含みます。人柄、行為、笑顔、趣味のことでもなんでも構いません。
メンバーの良い部分をどんどん出して共有することがとても大切です。

メンバーのいいところを引き出す方法を考えよう

アウトプットや業務的な面から洗い出したパフォーマンス低下を最低限に抑えて、
非業務的な面で良い部分をチームの価値につなげるにはどうしたらいいか会話してみましょう。
この部分はすぐに答えが出ないかもしれません。
とにかく意識してメンバーのいい部分に目を向けることが重要です。

メンバーが苦手を克服しなくても、それが実はプラスになる事を考えよう

ほとんどのメンバーには苦手なことがあります。その苦手を勇気を出して共有してくれたお礼にそれが役立つ部分を考えてみましょう。苦手は決して悪いことではありません。その誰かの苦手はチーム外の多くの人の苦手でもあります。
ですから、苦手な人の気持ちに立ってそれを克服しなくてもチームに貢献できる考え方、その苦手をテクノロジーで克服する方向をチーム全員で考えてみましょう。

本当にダメかもしれなくても大丈夫

以前僕が一緒に働いたAさんについて実際の例を紹介したいと思います。
Aさんは非IT職の中途採用者でした。それまでの人生で仕事の基本を教わることがなかったようで自分の仕事に自信が持てず、やる気が空回りするイメージの強い人でした。
チーム参画前のAさんを観察していると、不安が原因となる不用意な行動から多くの失敗を繰り返し、その失敗からくる焦りが更なる失敗を生み出し、本人のやる気とは裏腹に仕事が全く進んでいませんでした。
周囲の人は同じミスを繰り返すAさんに嫌悪感を抱き、本人も罪悪感を抱いていることからコミュニケーションも減り日々状況は悪化していました。
僕は社内のいがみ合いを見かねてAさんを、社内システムを開発・展開・運用するチームに迎え入れました。

Aさんがチームに参画して業務内容の理解が進んだ頃からチームはAさんに度々こう伝えるようになりました。

『不安な事はチームで解決するからまず全ての不安を教えて欲しい。Aさんの仕事も不安が解消してから手をつければいい。社内には同じ不安を隠して同じミスをする人がいる。このチームでその損失を減らせるのはAさんしかいない。』

実際にチームは不安の原因を探り一つ一つ課題化し解決をしながら進めていく事で、社内での社内システムに対するネガティブな意見が減り、ポジティブな意見が増えました。
間違いなく社内でチームの価値が上がる流れをチーム全員で実感できていたのです。
Aさん自身もチームのメンバーが不安を取り除いた事で、Aさんの仕事の質が飛躍的に向上し同時に自信を持つことができました。

さらに驚く事にチーム全体が多くの人が抱く人の不安に注目し解決すべき価値観を身につけたことで、その取組はメンバーの不安に関係なく継続することができたのです。

チームの価値は能力の総和じゃない

チームビルディングにおけるチームの価値

チームが価値を生み出す力はメンバーの人間力と言っても過言ではありません。
一人では上手くいかないことも、チームで解決するから上手く行くのです。
まず上記の方法を全員で行うことから始めて、自分たちの価値観は自分たちの視座を変えることで変わることを実感するように継続してみましょう。

もしメンバーのいい部分が出しにくい時、何回か繰り返しても変化が全くないときは、チームがメンバーをよく見ていないことを現れかもしれません。
チームのメンバーが常に他のメンバーのいい部分に着目し、より良い変化を追えるようにすることでチーム内に本当のリスペクトが芽生えます。
上手くいかない時は、今よりメンバーの良い部分を見る必要があると捉え、メンバー全体の視点がメンバーの人間的資質の良い部分に向かうよう継続することがとても大切です。

まとめ

今回はメンバーの人間的資質の良い部分にメンバーの価値を発見することを説明しました。
マイクロマネジメントが横行しチームビルディングが進まない組織では、業務に関する能力だけが意識されてしまい、普段の業務の中でメンバーの人間的素質に目が向くことが少なくなります。
チームとして働く以上チームの価値を最大限に出すためにできることの一つに人間力を最大化することが挙げられます。
この取り組みはリモート勤務でも簡単に行える上、個々の自己発見にも繋がる取り組みになりますので、ぜひ取り入れて見てはいかがでしょうか?

チームビルディングについては今後も時期を見ながら連載として記事を作成したいと思いますので、よろしくお願いします。