エンドユーザサポートの心構え ~社内情シス 障害問合せ対応編~

この記事は FIXER Advent Calendar 2020 ( https://adventar.org/calendars/5587 ) 6日目の記事です。

 

企業の社内情報システム部門のインフラ管理業務で、日中に時間を割くことが多いのが、エンドユーザサポートです。今回は社内情シスにおけるエンドユーザサポートの中で、特に障害問合せについて、心構えとあるある例を紹介します。

ミッションクリティカルな金融の勘定系システムなどは、構成が厳密でセンターから端末までしっかりと冗長化され、監視・保守サポート体制を敷いているため、エンドユーザが異常に気づいた時には既にシステム部門や保守ベンダーが対応に動いています。

その反面、情報系と呼ばれる社内業務用パソコン環境は、企業規模にもよるが、ローコストで導入し少数メンバーで運営している場合があり、問合せが集中するため、「なんか急にシステムが動かなくなったんだけど!」「障害発生しているんじゃないの!?早く直してよ!」「すぐに新しいパソコンに交換して!」など、エンドユーザの業務が止まる焦りからくる、クレームに近い障害問合せもしばしば。(エンドユーザに悪意はありません!)

 

システム部門要員の心構え

・エンドユーザの声を真に受けすぎて焦らず、穏やかに状況把握

 「●●システムがログインできない。」「システム障害ではないか?」と問合せがきたとしても、焦らないこと。実際にシステムで障害が起きている場合は、センター側の監視で事前に把握できていることが多く、トラブルの多くは、現場のパソコンやLAN周りのトラブルだったりする。エンドユーザからの報告のみで状況判断して動いては、アプリやサーバ保守ベンダーを巻き込んでさらなる混乱を招く恐れがあるので、まずは落ち着いて状況を切り分けます。エンドユーザ視点ではサーバかパソコンかは関係が無いです。使えるか否かを伝えることが目的なので、ユーザの言葉を用語に忠実に解釈しないこと。エンジニアではないので用語をアバウトに使うときもあります。エンジニアとして厳密な用語の使用はここでは封印します。

 

・状況を判断し、業務継続の代替手段を案内

 影響範囲を把握し、特定ユーザのみなのか、支店や部門全体なのか、など切り分けたうえで、業務継続の代替策を適切に案内します。

 

・現場復旧の持ち物は多めに

保守ベンダーではなく自身が現場へ復旧に向かう際は、一通りの材料をもっていく。現場の機器障害の場合、パソコン、LANケーブル、HUB、ルータ、USBメモリ、電源ケーブル、etc… その場で構成を組む際に何が足りなくなるか分からないので、一通り持っていきます。養生テープや懐中電灯も必要になることがあります。フリアク床を剥がす際は、上品なスーツは脱ぐことをお奨めします。

 

・他の自分の仕事は後回し

 CSIRT運営、監査対応、更改案件の立案、工程管理、ベンダーとの契約手続き等々、デスクワークは後でもできる。情報システム部門要員にとっては本業の大きな仕事でも、現場の業務は待ってはくれません。上司や経営層もわかってくれるはず!と信じて現場の対応に向き合います。現場は情シスが動かないと仕事が止まってしまうので優先させます。デスクワークは思い切って手を止めます。 対応が終わり自部署に戻るときには、気が緩まぬよう、「戻ったら本業の仕事が待っている」と気を引き締めること。仕事は無くなってはいないので。。。

次に、エンドユーザからの障害問合せで本当にあった、噓のようなあるある事例をご紹介します。

 

あるある① HUBの電源コンセント、LANケーブルが抜けている。(その事実を隠している)

抜けたケーブルを勝手に刺してしまいLANがループしている、電源延長ケーブルがリング状に繋がれていた、なんてこともありました。OSI参照モデルの一番下の物理層のさらに下のチェックポイントですね。

有線LANの支店や部署で、本部を通さず独自にフロアのレイアウト変更を行っていたら要注意です。本部に無断で行ったため、事実を隠すこともあります。

また、フリアク床でない古いオフィスの場合、床上にLANケーブルが剥き出しであったりするため、フロアの棚卸時などに大型の重い台車で踏みつぶすこともあるので要注意。そのため配線変更できるよう、長めのLANケーブルと、多めのHUBを持参します。

大がかりな事故になった場合、ここぞとばかりに無線LAN化をおねだりしてみましょう。

 

あるある② 帰宅時にパソコンの電源長押しで強制終了。翌朝BIOS起動画面に驚き、慌てる。

起動し落ち着いたら、今晩からはスタートボタンでシャットダウンしてもらうよう、穏やかにお願いしましょう。

 

あるある③ ルータや終端装置の電源が落ちている。本当に壊れている。

法定設備点検後や台風・雷雨によるエリア停電後にたまに起こる。情シスの管理下になく監視を行っていない業務部門独自システムなどがあると、部門管理者が設備点検時に見落とすことがあり、そのようなシステムに限って、拠点側のシングル構成の機器が壊れて疎通ができないなどということが起こり得る。部門では解決ができない。よって、部門独自システムであっても、情シスはその導入ベンダーや機器保守ベンダーとコンタクトが取れる体制をとっておくことが必要。1年に1度の連絡先でも、事前にコンタクトを取っておけば救われることもあります。

痛い目を見た後は、次は冗長化の予算が通りやすくなるはずです。根気よく提案しましょう。

 

あるある④ 「とにかくログインできない」としか言ってくれない。

根気よく会話し、OSなのか、特定のアプリなのか、今も起きているのか、電源入れた直後だけなのか、など聞き出します。実際は、正しい情報を得られない前提で会話しているので、裏で同部署の別の方などに状況を聞き、正しい情報を得ます。各部署の若手で比較的リテラシーの高い社員を味方につけておくことも大事です。

 

あるある⑤ データが消えていると言い張る。

相手も焦っているため、事実と異なることを言い張る場合もあります。実際は、誤ってファイル削除しただけであったりするので、心を和ませて、本当の状態をヒアリングします。バックアップからの復元など、システムの安全機能が備わっていることを知らない場合もあるので、開示できる範囲でお伝えすることで安心してもらうこともあります。

 

最後に

エンドユーザは、情報システム部門が憎くて問合せをしてくるのではありません。業務を回すという責任があるので、焦りや困惑が生じてしまうのです。焦りや困惑を拭い去ってあげることも、エンドユーザへのサポートだと思います。

 

以上、「エンドユーザサポートの心構え ~社内情シス 障害問合せ対応編~」ブログでしたー!!

FIXER Inc.望月 洋平
  • FIXER Inc.望月 洋平
  • アラフォーになって初めてオンプレミスと閉域ネットワークの環境から世界を広げるためにパブリッククラウドに飛び込んでまいりました。