[Blender 3.0] 新登場! 2.9xとの違いとは?
2021-12-13
azblob://2022/11/11/eyecatch/2021-12-13-new-blender-30-diff-29-000.png

はじめに

こんにちは、最近またも畑違いな分野へチャレンジ中な入社二年目の椎名です。
皆さんは3Dモデリングに触れたことはありませんか? 今回の記事では、12/3にリリースされたBlender v3.0の、新規機能/要素について、個人的に気になった部分をピックアップしていきたいと思います!
New Era for Content Creation
何やら新時代らしいので、これは期待が高まる……!?

この記事はFIXER Advent Calendar 2021 13日目の記事です。
前日はこちら

What is Blender?

Blenderはオープンソースのフリーウェアであり、本格的かつ商用アプリにも負けない機能を持ち、世界中の多くのユーザに利用されています。

  • 3Dモデリング
  • 手書きアニメーション
  • UV(展開図)作成・編集
  • レンダリング
  • etc....

上記がBlenderの代表的な機能になりますが、かなり手広くカバーしているため毎週知らない機能に出会うくらいです……
それでは早速、新しいアップデート内容に会いに行きましょう!


1. レンダリング

Cycles

Blenderには太古の時代(10年位前?)から、CyclesというPBRのレンダラーが標準で付属していました。 今や様々なアーティストなどが様々な演出などに利用する多機能なものへ成長しましたが、10年の間に決定された方向性の数々が大きく足を引っ張っていたようです。
そこで、Cyclesのこれからを研究すべくCycles Xというプロジェクトが立ち上がりました。

GPUレンダリング

今回のアップデートではその成果の一つとして、アーキテクチャの見直しによるGPUレンダリングの高速化が図られました。

以下はNVIDIAのGPUでデモシーンなどをレンダリングし、所用時間を比較したグラフです。 内部でカーブを基にしたヘアーの処理を最適化したため、"barbershop"では1/6まで短縮ができているようです。 しかしメモリ消費量は10倍近く増えているとのことですので、今後の最適化が待たれます。
Render time with an NVIDIA Quadro RTX A6000 and OptiX
> Original: Reference/Release Notes/3.0/Cycles - Blender Developer Wiki

更に興味深いことに、今までAMD GPU向けに利用されてきたOpenCLを廃止し、ROCmのHIP (Heterogeneous-computing Interface for Portability)がAMD GPU向けライブラリとなったようです。
以下は同様に所要時間のグラフです。 RDNA2であるとともにドライバーのアップデートが必要なようですが、AMDユーザーの筆者としてはうれしい限りですね。
Render time with an AMD Radeon RX 5500 XT and HIP
> Original: Reference/Release Notes/3.0/Cycles - Blender Developer Wiki

Viewport レンダリング

一言で言うと、Renderモードでぐりぐり視点を動かしたときの見えやすさが格段に上がりました。 お客さんにルックを提示する場合、多少はスムーズになるかも……?
Viewport interactivity compared in Blender 2.93 and 3.0Demo by Statix / redhoot

Shadow Terminator

簡単に言うと、ローポリなどで頻繁に発生する望まないShadeのアーティファクトを取り除くことが、より簡単になりました。 法線によるスムーズサーフェスの場所での影と合わせるため、平に中るであろう面からレイをずらして計算します。

2. アセットブラウザー

読んで字の如く、.blendファイルのデータブロックにあるアセット群を一覧で見やすく利用しやすくなる、新たなエディターが追加されました。
sample-cube-diorama
出来る機能としては、次の通りです。

  • アセットライブラリを選択して閲覧
  • アセットのカテゴリを選択して表示
  • コレクション、オブジェクト、画像、マテリアルアセットの3Dビューポートへのドラッグ
  • アクティブアセットのメタデータ表示
  • 現在のファイルのアセットライブラリ内のアクティブアセットのメタデータの編集

今までなぜ無かったのかという機能ですが、大量のマテリアルの一覧をべろべろ探さなくて済むと思うとホッとしますね。 また、この機能はアセットブラウザー自体のマイルストーン上で云うはじめの一歩ですので、今後細かい挙動に関しては変化する可能性があります。ご承知置きをば。

Mark as Assetの使い方

  1. Outlinerビューやデータブロックセレクター(マテリアルとかのドロップダウン)でコンテキストメニューを出す
  2. Mark as Assetを押下する
  3. ファイルを保存する

以上の手順でアセット化は完了です。
また、どのファイルからも見えるアセットライブラリをPreferencesから複数指定できるため、置き場所がファイルに依存してしまうことは減りそうですね。
preferences-assetlib

3. ジオメトリーノード

WIP :pencil2:

Soon :) その内追記します


おわりに

いかがだったでしょうか? かなり沢山の機能更新がありますので、英語が余裕な方は是非公式のRelease Noteもご確認下さい。
殆ど自分用メモのようになってしまいましたが、英語やフォーラムの長い記事を読まずに何となく概要を掴んで頂けたらと思います。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!

明日はJumpei Ishikawaさんの「なんか書く」についてです! お楽しみに‼

azblob://2024/03/29/eyecatch/2024-03-29-openai-json-mode-000_0.jpg
2024/03/29
AI/Machine Learning