目次
- 当日のタイムテーブル
- 参加の目的と背景
- 各セッションの紹介と印象に残ったところ
- #1 40分で学ぶクラウド利用のためのフレームワーク CAF/W-A
- #2 様々な場所にデプロイされているサーバーを Microsoft Azure へ移行する手法
- #3 Azure Cosmos DB 解説
- #4 Azure Databricks とレイクハウス アーキテクチャ
- Azure Databrics と Azure Synapse Analyticsの使い分けについて
- その他でAzure Databricsについて印象的な点
- #5 Azure AI 最新技術解説
- #6 Azure Synapse Analytics における SQL プールと Apache Spark プール
- 感想
FIXERの藤井です。2022/12/22 分のFIXER Advent Calendar 〜技術編〜です。
ちょうど昨日に参加したMicrosoft 社のパートナー向け技術セミナー、「Azure Partner Technical Briefing 2022 Winter(Day 1)」の参加報告です。
2022/12/21-22の2日間に渡って開催され、私は1日目のDay 1に参加しました。
画像は会場となった品川の日本マイクロソフト本社の入り口にて、参加当日に撮影した写真で、クリスマスツリーが飾られていました。
当日のタイムテーブル
# | 時間 | アジェンダ |
1 | 10:05-10:50 | 40分で学ぶクラウド利用のためのフレームワーク CAF/W-A |
2 | 10:55-11:40 | 様々な場所にデプロイされているサーバーを Microsoft Azure へ移行する手法 |
3 | 12:50-13:35 | Azure Cosmos DB 解説 |
4 | 13:40-14:25 | Azure Databricks とレイクハウス アーキテクチャ |
5 | 14:45-15:30 | Azure AI 最新技術解説 |
6 | 15:35-16:20 | Azure Synapse Analytics における SQL プールと Apache Spark プール |
参加の目的と背景
特に目当てにしていたセッションは「#4 Azure Databricks とレイクハウス アーキテクチャ」と、「#6 Azure Synapse Analytics における SQL プールと Apache Spark プール」の2つのセッションでした。今年、お客様に提案してPoC中のプロジェクトで、「Azure Databrics と Azure Synapse Analyticsの比較検討」という観点があり、両者の特徴の差異や使い分けについて何かヒントを得られるのではないかと期待していました。私が調べていた範囲では、Azure Databrics と Azure Synapse Analyticsは個別の機能だけ見ると、まるで重複しているような印象を持っていました。またBig Data および機械学習のジャンルは、Azure の中でも自分は今まで対応したことが、改めて勉強する必要を痛感していました。
またBig Data および機械学習の分野の学習のために、直近の2022年11月以降、以下の3つのMCPを取得していたりもします。
- AZ-220:Azure IoT Developer Specialty
- DP-100:Azure Data Scientist Associate
- DP-203:Azure Data Engineer Associate
各セッションの紹介と印象に残ったところ
#1 40分で学ぶクラウド利用のためのフレームワーク CAF/W-A
クラウドを導入するためのガイドラインであるCAF(Cloud Adoption Framework)の紹介です。
CAFで利用できるツール群の紹介もされていました。
https://learn.microsoft.com/ja-jp/assessments/
#2 様々な場所にデプロイされているサーバーを Microsoft Azure へ移行する手法
Azure への移行を支援するサービスであるAzure Migrateの紹介です。
既存のオンプレ環境の評価~移行の検証~本番の移行作業までの一連の作業を支援する機能が提供されています。
セッションの終了後に私から以下のような質問をしています。講師の方からは確認の上でメールで回答をいただく予定で、このブログの執筆時点ではまだ回答待ちです。
評価や移行の検証を実施したAzure ADテナントおよびサブスクリプションと、本番移行をするAzure ADテナントおよびサブスクリプションは同一である必要があるでしょうか?それとも別のAzure ADテナントやサブスクリプションでも可能でしょうか?検証作業を行う環境と本番環境は、Azure ADテナントやサブスクリプションを分けることが多いためです。またオンプレ環境の評価結果や移行の検証の結果をお客様に報告した後、移行の実施の是非をお客様に検討していただいたり社内決裁をとっていただいたりするため、期間が空く場合は環境の評価や移行の検証で利用したサブスクリプションを削除するケースも想定されます。
#3 Azure Cosmos DB 解説
Azure Cosmos DBに関するセッションでは以下のような点が、印象に残っています。
- Azure Cosmos DBの強みとは、整合性モデルが5段階で細かく選択できる点である。他社のクラウドで提供されているNoSQLのマネージドサービスは、2段階しか選択できない。
- 利用しているユーザーデータだけでなく、メタデータやインデックスの分も課金される他、バックアップでの処理で消費した計算資源も課金される。
- サーバーレス型のCosmos DBはSLAが保証されていないので、本番環境では使うべきではない。
- Cosmos DBで最も低価格の構成(単一リージョンでかつAZ無し)でも、可用性については99.99%のSLAが保証され、他のDBサービスの冗長構成に匹敵する。
#4 Azure Databricks とレイクハウス アーキテクチャ
今回、このイベントに参加した最大の目的である「Azure Databrics と Azure Synapse Analyticsの使い分け、特長の差」はこのセッションで聞くことができました。
(1)データの取り込み~(2)データの加工~(3)データの保存の一連のプロセスについて、以下のような差があります。
- Azure Databricks:他のAzure サービスと組みわ併せる前提で、(2)データの加工の部分を「部品」として提供している。
- Azure Synapse Analytics:一連のプロセスを「フルパッケージ」で提供している。
また「(2)データの加工」に関して言うと、Azure Databrics と Azure Synapse Analyticsで機能面で特に差は無いともされています。
Azure Databrics と Azure Synapse Analyticsの使い分けについて
質疑応答の時間に講師の方ともディスカッションした結果、以下のような使い分けのイメージだと考えています。
- Azure Databricks:既存のオンプレミスのシステムから移行する場合に、既存のアプリケーション資産を仮想マシンで活用しつつ、部分的にマネージドサービスに置き換えたい場合に適している。
- Azure Synapse Analytics:全くの新規開発で、Azure 専用に最適化して開発する場合に適している。
その他でAzure Databricsについて印象的な点
- OSSのAache Sparkのマネージド型サービスであり、AWSやGCPにも同様のマネージド型サービスは存在するが、Azureの最大の強みは、1st Partyとして提供されていることである。AWSやGCPでは3rd Party扱いであるため、クラウド利用料とは別にライセンス費用が必要であり、またサポートもクラウドベンダーの標準サポートとは別に、個別のサポート窓口との契約が必要になるが、Azureの場合は費用は全てクラウド利用料に含まれ、サポート窓口もAzureサポートで完結する。
- OSSのApache SparkはJavaだがDatabricksはC++に書き換えされているため、非常に高速である。
#5 Azure AI 最新技術解説
Cognitiveを中心にAzure のAI系サービスの最新機能が紹介されました。
#6 Azure Synapse Analytics における SQL プールと Apache Spark プール
気になっていたことは「#4 Azure Databricks とレイクハウス アーキテクチャ」でおおよそ解決したのですが、こちらのセッションでは以下のような点が印象的でした。
- Azure Databricksに対するAzure Synapse Analytics の最大の差別化ポイントは、Synapse-Linkという機能によりCosmos DBとの接続が簡単に行えることである。
- Apache Sparkの最新機能が取り込まれるスピードはAzure Databricksの方が先になる傾向がある。
- Azure Synapse Analytics のApache Spark poolは.NETが使えるのが特徴である。
感想
今回、参加して良かったことは事前に勉強して、関連する各種MCPを取得していたことでした。最低限の知識があり、実際に環境も触っていたため、質疑応答の時間に、講師の方とディスカッションすることもできました。逆にAI系はまだあまり勉強したことが無いため、「#5 Azure AI 最新技術解説」も、お恥ずかしい話、受け身で聞いているだけになっていました。