ラスベガスでで開催中の AWS re:invent から続々と新しい情報が入ってきていますね!
株式会社FIXER ヘルスケア・イノベーション領域の千賀です。
キーノート(基調講演)でLLMベースの対話型AIアシスタント、その名も「Amazon Q」が発表されました。
AWS 版の ChatGPT ですね!早速ご紹介していきます。
サービス概要と価格
サービスの種類は、Amazon Q Business(1ユーザー×1ヶ月あたり20ドル)と Amazon Q Builder(1ユーザー×1ヶ月あたり25ドル)の2種類です。
→ 最低10ユーザーからとなりそうです。
- Amazon Q Business は一般のビジネスパーソン向け、Amazon Q Builder は一般のビジネスパーソンに加えて開発者やITプロフェッショナル向けとなっています。
- Amazon Q Builder では、AWSサービスの17年間に及ぶナレッジを使って学習されたAIがアーキテクチャのガイダンスをくれたり、CodeWhisper を通じてソースコードのレビューや生成(当初は Java のみ対応)を行ってくれます。
- 既存のナレッジを学習されることで Amazon Q index が生成され、1ユニット(2万ドキュメント)ごとに $0.14/時間($100/月)課金されます。1ユニットから始められ、必要に応じてストレージユニットを追加できます。各ストレージユニットには、月間100時間のコネクター利用が含まれます。
特長
他のサービスと接続して蓄積したナレッジを利用できる
→ Amazon S3、Dropbox、Confluence、Google Drive、Microsoft 365、Salesforce、ServiceNow、Zendeskなどのデータソースと接続可能で、Sharepoint も利用できます。以下の画面のように、非常にたくさんのデータソースに対応しています。
ファイルの読み込みに対応している
→ チャットにファイルをアップロードすることもできます。ChatGPT ではプラグインを使ったり ChatGPT Plus に登録して Advanced Data Analysis をオンにして・・といったことをする必要がありましたので、これは非常に便利!
提供された資料やナレッジに従って、参考文献やソース文書の引用に裏打ちされた回答や洞察を生成
→ ファクトチェックもできますので、誤ったことを回答してしまうハルシネーションのリスクを低減できます。
さっそく使ってみる
Amazon Q はまだプレビューですが、プレビュー期間中は、なんと無料で利用することができます。
アプリケーションの作り方は、別の記事で解説していますので、そちらをご覧下さい!
Amazon Q は AWS 管理コンソールにも登載されましたので、Amazon Q アプリケーションを作らなくてもすぐに試すことができます。
↓ このように、管理コンソールの右側で利用することができます。
ちょっと質問してみます。
「Graviton4 を東京リージョンの Amazon RDS for PostgreSQL で利用できますか?」
残念!まだ使えないようです。
それなら Aurora はどうだ?
こちらも残念!
Graviton4 は EC2 向けにのみリリースされたようですね。
DBも高速化やコスト低減効果が見込まれますので早く提供されるのを待ちます!
コンタクトセンター向け情報
Amazon Q は、Salesforce、ServiceNow、Zendeskなどのデータソースとも接続してコンタクトセンターの業務を大幅に改善してくれそうです。
FIXER でもコンタクトセンターのサービスなどにクラウドPBX、CTIソリューションでもある Amazon Connect を利用していますが、Amazon Connect と Amazon Q が連携したコンタクトセンターソリューションの Amazon Q in Connect が爆誕しました。
Amazon Q in Connect を利用するためには Amazon Connect と Amazon Connect Contact Lens を使って Amazon Connect → Amazon Connect Contact Lens → Amazon Q in Connect と連携されることになります。
Amazon Connect Contact Lens とは、AWS のコンタクトセンターやサポートセンター向けソリューションで、お客様とエージェント(電話対応者)さんの通話内容を録音したり文字起こしして要約したりしてくれるサービスです。コンタクトセンターやサポートセンターでは、エージェントさんが会話の内容をキーボードから打ち込んでCRMに登録することが一般的なのではないかと思いますが、会話しながら調べ物をしたり記録をしたりというのは、マルチタスクで進めなくてはならない結構大変な作業です。
Amazon Q in Connect によって、この部分がAIで自動化されますのでエージェントさんの作業が大きく軽減され、均質で正しい記録が取れるようになることでお客様の満足度も向上することが期待されます。
当初は英語のみに対応ですので、日本語対応が待ち遠しいです。