【自己紹介】ロボコン全国大会で学んだロボット制御の面白さ
2026-05-18
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はじめに

はじめまして、2026年4月1日よりFIXERに入社した清田弦希と申します。

今回は初めての執筆ということで自己紹介も兼ねて学生時代に行った研究と、ロボコンでの活動を紹介します。  

自己紹介

出身地:長崎県

出身校:佐世保高専

趣味・好きなものは、麻雀・コーヒー・寿司です。

麻雀は不確定要素があるためその駆け引きが面白いです。 コーヒーは毎日欠かさず飲むほど好きです。 寿司に関しては出身が長崎県ということもあり昔から魚を食べる機会も多く好きになりました。

学生時代の研究

学生時代は、ニューラルネットワークの量子化に関する研究に取り組んでいました。

ゼミではまずニューラルネットワークの基礎を学び、その上で、モデル内で扱われる数値をよりシンプルな形に変換する量子化技術について研究を進めました。

特に、量子化によって生じる精度低下をできるだけ抑える方法を模索しましたが、最終的には十分な改善には至らず、期待した成果を得ることはできませんでした。

一方で、研究を通して、課題をどのように設定するか、仮説を立てて検証するには何が必要か、結果が思うように出なかったときにどのように原因を考えるかなど、多くのことを学びました。

成果だけを見ると悔しさも残りますが、試行錯誤を重ねた経験は、今後の仕事にも活かせるものだと感じています。

ロボコンでの活動

ここからは学生時代、特に力を入れていたロボコンでの活動を紹介します。

私は高専在学中にロボコンに参加し、ロボットの制御を担当してきました。 ロボコンでは与えられた競技課題に対してチームでロボットを設計・製作して大会での勝利を目指します。

特に印象に残っているのは2023年の大会で全国大会に出場した経験です。 この年のルールはネットに入ったボールをフルーツに見立てて吊るし、それを回収して持ち帰るというものでした。

この課題に対して私たちはファンを用いて風をおこし、フルーツを落とすというコンセプトで臨みました。

私はこの大会で、物体検出を用いてロボットの真上にあるフルーツの種類を判別する機能を実装しました。 フィールドはとても広く、操縦者からはロボットとフルーツの位置関係は到底把握できません。 そこで少しでも操縦者の負担を減らすため本機能の実装に至りました。

大会では勝ち上がることはできなかったものの、風でフルーツを落とすというアイデアが評価され、アイデア賞を獲得し、全国大会への切符を手にしました

全国大会では敗退してしまったものの、最高得点であるミックスフルーツを風で落としてキャッチした瞬間の盛り上がりは忘れられません。

次に、推し技術というほどではありませんが、ロボコンで制御を担当する中で特に面白いと感じた技術を紹介します。それはPID制御Wheel Odometryです。

PID制御

PID制御は目標値と現在値から出力を調整する制御手法です。 ロボットの制御においてはアームを決められた位置に動かしたり、モータを一定の速度で回したりといった多くの場面で活用されます。

PID制御の優れている点はその応答性や外乱への強さにあります。 一説には産業界で稼働する制御器の8割以上がPID制御またはその派生形であると言われています。

現役時代は私自身もお世話になった制御手法ですが、その反面ゲインの調整には悩まされました。 PID制御には目標値と現在値の誤差に対して比例するP項、積分するI項、微分するD項からなり、それぞれの値をどの程度実際の出力として反映させるかを決定する係数があり、これをゲインといいます。

このゲインの決め方も様々な方法があるのですが、私は最初に大まかなあたりをつけてその後はロボットを動かす、ゲインを少し変える、再び動かす、さらにゲインを変える…という具合に地道な調整をしていました。

Wheel Odometry

Wheel Odometryはタイヤの回転量からロボットが移動した量を推測する技術です。 エンコーダという回転を読み取るセンサなどを使って車輪がどれだけ回転したかを取得し、その情報からロボットがどの方向にどれだけ移動したかを計算します。

私は差動二輪という二つの車輪で前後の移動に加えてその場での旋回が可能なロボットでこのWheel Odometryを用いた自己位置推定を行いました。

一定の周期ごとにエンコーダの値を読み取ることで前回と比較してどれだけ進んだのか、またロボットの角度はどこを向いているのかが算出できます。

実際はタイヤの滑りや空転、センサの読み違いやノイズといった課題も多くどうしても誤差が発生してしまうという問題がありました。しかし、誤差をなくすことは不可能なため競技の遂行にあたってどこまで許容できるかという妥協点を探る作業に時間を費やしました。

おわりに

学生時代は、研究やロボコンを通して、うまくいかないことに向き合いながら試行錯誤する経験を多くしてきました。

特にロボコンでは、制御担当として実機を動かしながら調整を重ねる中で、理論と現実の差を埋めていく面白さを学びました。また、全国大会という大きな舞台で見せたかった動きができたことは、自分にとって大きな自信になっています。

FIXERでも、これまでに学んできたことを活かしながら、新しい知識や技術を積極的に吸収し、一日でも早く貢献できるよう努力していきたいと思います。