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MaaSが今、熱いようなので渋滞学の話で落語してみる(前編)

MaaSが今、熱いようなので渋滞学の話で落語してみる(前編) 2019-06-14Leave a comment
MaaSと渋滞学で渋滞緩和

えー、私のブログ記事もゆうに2桁を超えまして、そろそろ皆さんの方でも私の文章に慣れてきた頃かと思います。

この記事が初めてだよ! というお方は、この記事の後ホーム画面へ戻って頂きまして、上から順にスッスッスッ、とスクロールを重ねながら記事を読んでいただきたい。FIXERやテクノロジーについての知見が語られている真面目な記事がたっぷり出てきて、読み応えもあると思いますので、是非ともこの記事に呆れて終わりにしたりはせずに、今までの分もこれからの分も含め、cloud.config Tech Blogをご贔屓にしていただけると有難いことでございますな。
もののついでに私の文章も古い記事まで読んでいくと、あぁ、文体が毎度違いすぎて慣れなんてもんはないんだなぁと宇宙の真理への理解が深まるんじゃなかろうかと思います。

今回の落語口調も初挑戦でございますがね、元々喋る方はこういう方が楽ではあるんですよ(決してアメリカ出身の先輩に私のブログは落語みたいだと言われたから、江戸っ子としての本領を発揮してみようと思い立ったわけではありません)。 「出身は?」と聞かれて、瞬間的に「江戸!」と生まれた時にはもうなかった土地名を出してしまうような性分ですから、もう仕方がありませんねぇ。

江戸ってぇところは昔から見渡す限り人人人、でございましたが、それは東京と名が変わってからも変わらぬようでございます。さて、人が集まるところってぇのはどうしたって起こる問題がありましょう。

そう、渋滞でございます。

いやー、今年に入ってから車での惨禍が尽きませんね。やれブレーキを踏み間違えた、やれ、逆走だ、判断力の低下だと、毎日のように新しいニュースが飛び込んでくるじゃありませんか。

そこに登場するのが弊社が推し進めているMaaSでございます。へぇ、MaaSってぇのは一体何だい? と聞きましたか? おや、お知りになりたい? それはそれは……。

「で、何なんでぇ、その……まぁす? ってやつは」

「何だい、八っつぁん。あんたまだ知らないのかい? MaaSってのはね、新しい移動手段を提供するサービスのことだよ。Uberなんかもあるだろう? あんな風にスマホをススッと操作してライドシェアしたり、あとはアプリに登録した人間同士でカーシェアリングをしたりするんだ。ITを使って自分の車を使う以外の交通手段をシームレスに繋げる新しい形のビジネスで、スマホをぽちっぽちっぽちっとすりゃぁ移動手段が手にできるってぇ寸法よ」

長屋仲間の熊さんが、八っつぁんの質問に江戸ではあり得ない知識で答えます。

「一体ぇ、なんでそんなことするんだい? 自分の車に乗りゃぁいいだろう」

「八っつぁん、それを与太郎に言ってごらんよ。あいつが自分で運転したら、気づいたときには逆走してて、画面の斜め上の床に釣り竿持って雲に乗った亀が出てきちまうよ」

私もよくあの亀はお目にかかりますが、釣り竿で拾ってもらうところまでがご愛敬でございましょう。

「ははぁ、与太のやつが運転ってぇのはちぃとばかしまずいなぁ。ところで熊さん、あんた時々わけのわからないことを言うね。雲に乗った亀って何の話だい」

「『ジュゲム』だよ」

「へ? あっちの長屋に住んでる、あの目玉がひん剥けそうになるほど長い名前をした子供のことかい?」

「この話はやめよう。終わる頃には明日になっちまう。それよりMaaSだ」

「あぁ、そうか。なるほどね。運転に不安がある人間は、そのまぁすってやつを使えば安全で簡単に移動できるってことだな。そりゃあいい。与太のやつに運転はさせちゃ駄目だ」

八っつぁんは同じ長屋仲間のちょっとばかしおバカな与太郎が運転するところを想像して震えあがりました。

「うちの長屋みたいにお互い助け合っていけば、この江戸だって渋滞は緩和されるし、空気も綺麗になるし、大家さんみたいなお年寄りだって遠くまで買い物にいけるだろう。それがMaaSの可能性だなぁ」

「へー、そりゃあすごい。運転に不安がある人間がそれを使えば事故も少なくなるんだな?」

「その可能性が高いなぁ。でも俺は事故自体を減らすには渋滞学に基づいてビッグデータを活用するのもいい手だと思うな」

「びっぐでぇたぁ?」

肩をすくめながら熊さんが発した単語に、八っつぁんは再び首を捻りました。

「ビッグデータってぇのは3Vがそろってるデータのことでな、Volume(量)、Variety(多様性)、Velocity(頻度)の頭文字なんだが、簡単に言えば大量の、様々な事象に関する、伝達頻度が高い情報のことだ。交通に関するビッグデータを使って、一体どこで、どんな人が、いつ、どういう風にその道路を使っているのかがわかれば、それを分析して渋滞を減らしたり事故を減らしたりできるんじゃないかって、そういうわけだ」

「へぇ、3Vねぇ……」

「そんでまぁ、望まねぇ渋滞をどうやって緩和するかを数学を使って追い求めて、無事故で平和な社会を作ろうってのが渋滞学の神髄よ」

「粋だねぇ」

感心したように何度も頷く八っつぁんに、熊さんは段々楽しくなってきたようです。それ、もっと詳しく話してやれと思いましたが、それよりも先に向こうからツッタカタッターとやってくる与太郎が目に入ってしまいました。

「おーい、八っつぁーん! 熊さーん! 何の話してるんだよぉう。楽しい話かい? 難しい話かい? おいら難しい話だったら聞きたくねぇなぁ」

手をブンブン振り回しながら与太郎が大声で話しかけてきました。

「あぁ、もう。相変わらずお前はうるさいね。お前が車を運転したら雲に乗った亀のジュゲムが出てくるって熊さんが言ってただけさ。そこのこたぁよくわからねぇけど。とにかくそうなっちゃ困るからまぁすで渋滞学なんだよぉ」

「え? 何だい、そりゃ。天国に行きそうな亀の幽霊かい? ん? ジュゲム? そりゃ、あの隣の寿限無寿限無五劫の擦り切れ……」

止める間もなく与太郎が隣の長屋の子供の話を始めてしまったため、今日はもう会話は無理だと諦めた八っつぁんと熊さんはそれぞれの部屋へ戻り、明日また渋滞学の話をすることに決めました。

一方、二人が帰ってしまったことにも気づかず長屋の前で一人話し続ける与太郎。

「…… ポンポコピーのポンポコナーの長久命の長介! が一体なんで亀に……ってあれ? 二人がいないや。うぉ! いつの間にか朝じゃないか!」

朝まで一人で話し続けた与太郎と、渋滞学についてもっと語りたい熊さん、江戸の平和の可能性を知りたい八っつぁん、そしてこんなことを始めてしまったことを3段落目辺りで後悔しだした奥山の命運は――⁈

待たれよ、次回

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