山田先生のコーチングコラム: 第2回 四十肩と概念のつながり
FIXERにマネージャー向けコーチングを行って頂いているFlora Partnersの山田先生による、企業変革への示唆がある、個人の成長に役立つコラムをお届けします。前回の記事はこちら。お楽しみ下さい!
年明けから肩が上がらなくなって整骨院に通っています。鍛えていらっしゃる松岡社長には笑われそうですが立派な四十肩です。。。
整骨院で治療方針を相談し改めて理解したのは、肩は肩だけで痛くなっているのではない、ということです。私の場合は広背筋と脇の下から背中に繋がる大円筋付近に塊があり、そこを重点的にほぐしてもらっています。
でも、そもそもなぜ背中に負担が来るかというと、
・腰回りのインナーマッスルが弱って猫背気味になり無理な姿勢で背中を使って頭を支えていること。
・腹筋の筋膜が柔軟性を失っていることも猫背に拍車をかけている。
ということだそうです。
加えて、メガネが合ってなくて前傾姿勢になっているなという自覚がありましたので、先日、しっかりとしたお店でメガネも新しく作り直しました。
さて、老人会での年寄りの薬自慢みたいな話になってきて恐縮ですが、僕の肩の痛みから何を主張したいかというと、人間の体もすべてが「システム」として全体性を持って繋がっているということです。
「システム」については、もう、皆さんの方がプロなので釈迦に説法なのですがひとつの問題が起こった時、その原因は遙か遠くの違う部分にあったみたいな話は結構あるんじゃないかと思っています。これは、人間の体だって同じ。
そして、実は私たちの人材育成・組織開発業界でも「組織」を見立てる際には、同じように組織を「システム」としてみるという考え方がありまして、これを「システム思考」といいます。
※ 「システム思考」は組織論だけにとどまりません。ご興味のある方はこちらの書籍をご参照ください。
『世界はシステムで動く ―いま起きていることの本質をつかむ考え方 』ドウラ・メドウズ 著/英治出版/2015年
組織というと、実在する人が集まったものですので、現実に存在する「人」の臨場感が高く、思考もその存在に囚われてしまいます。
例えば、
「あの人」がああいった。
「この人」が約束を守らない。
「その人」の理解が浅い。
などなど。現実に存在する「人」に問題の原因を見いだします。
でも、前回書かせていただいたとおり、それを「概念」としてみていくと、また違った世界が見えてきます。
組織は人の集まりではありますが、「概念」としてみると「考え方」の集まりです。
いろんな人がいろんな立場を持って、いろんな責任を背負って考えています。
例えば、「あの人」のあの発言は、ああいう考え方から出てきていて、何故、ああいう考え方をするかというと、こういう役割を背負っていてあの点を気にしているからだ。みたいな思考のつながりみたいなもの。
組織論においての「システム」とはこうした人間の考え方が組み合わさったものでありそれらが時間とともにお互い影響し合い、そのシステム特有の考え方というものができていきます。
仕事を進めるひとつのユニットは事業部というより大きなシステムの一部分です。
そして事業部は会社というシステムの一部であり、会社は「業界」や「社会」という更に大きなシステムの一部です。そうした大きな構造から影響を受け、影響を与え、ひとつの案件は動いています。
この観点から見ると、小さい単位のシステムで見たときには不合理な意志決定であっても、より大きなシステムから見ると非常に合理的な判断であることがよくあります。人間にはいろんな感情があって、自分の気持ちが入っているテーマについては、なかなか突き放した見方はできません。そうすると出口のない隘路に入り込んだような気持ちになってしまいます。
でも、それを救ってくれるのが、物事を概念として捉え「システム」として認識して視座を高めていく思考力。
何か組織の問題でうまくいかないなというところがあるとき、いろんな「システム」を想定して、問題をより深く考えることで、より本質的な打ち手が打てるようになるんじゃないかなと思っています。
P.S.
整骨院で「SIXPAD」みたいな、楽して腹筋を鍛えられるEMS治療器を体験セールスされたのですが、心の中では「めっちゃいい…」と思いつつ、昔の体育会系のプライドにかけて、まだこんなモノに頼るわけにはいかないとお断りし自分史上最大にインナーマッスルを鍛えています(笑) でも、こんなしょーもないプライドが、変化をジャマするんでしょうね。あれ(EMS治療器)やっとけばカラダ楽なんだろなぁと思いながら。。。
それでは、皆様もくれぐれもからだはお大事に。