山田先生のコーチングコラム: 第4回 「枠を広げる」という考え方
2020-06-23
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FIXERにマネージャー向けコーチングを行って頂いているFlora Partnersの山田先生による、企業変革への示唆がある、個人の成長に役立つコラムをお届けします。前回の記事はこちら。お楽しみ下さい!


こんにちは。山田亨(やまだとおる)です。

前回は「弱みを克服する」か「強みを伸ばす」かというお話を書きました。その後どんなことを考えましたか?何か見えてきましたかね?

こうした文章に触れることで、日常で何か違ったものがみえてきたのならとても嬉しいですし、是非それを探してみて下さいね。

さて、本題です。

「弱み」と「強み」のお話、私がリーダーの皆様にお伝えしているのはこんなお話です。要点を箇条書きであげますね。

――― 以下、説明内容 ――― 

・人間は「強み」を発揮しているときが一番生産性が高い。

・でも「弱み」の克服に意味がないわけではない。

・「弱みの克服」とは、言い替えると「(その人の)枠を広げる」ということ。

・仕事で表現することの出来る幅が広がるので、より幅広い状況、複雑な状況にも対応できるようになる。

・でも、注意しなければならないのは以下の2点

(1)「弱みを克服した」と言っても、それは左手でそれなりに投げられるようになった、ということでしかなく、利き手ほどの熟達はないということ。

(2)さらに、弱みの分野についてはそれをやることでエネルギーを使うので、思いのほか疲れるということ。

・従って、ある行動について、上司にとっては「強み」が発揮できる分野で、部下にとっては「弱み」の分野であった場合、その部下が、上司がイメージしている熟達度合いまで到達してくることは可能性としては低い。(もちろん、ゼロではないが)

・なので、上司側の指導が悪いとか、部下に力量がないとか、そういう風に絶望する必要は全くありません。「そこそこ」出来るようになれば十分です。

・そして、大事なのは、この「そこそこ出来るようになる」ということ。

・一つ例を出すと、メジャーリーグのダルビッシュ投手は、利き腕で160km/h近いボールを投げますが左腕でも130km/hの直球と、スライダーも操れると言います。

・メジャーのマウンドでは、左腕の130km/hは通用しませんが、僕たちはアスリートではなくビジネスパーソンなので、左腕の130km/hには大きな意味があります。

・ビジネスのフィールドは広く、奥行きがあって多面的です。利き腕ではない手でそれなりに投げられることはとても重要。

・競技としてはサッカーの方が例としては適切かな。

・両足で蹴ることが出来るからプレーの幅が広がるみたいな感じでしょうかね。

――― 説明内容おわり ――― 

という感じでお話ししながら「弱みを克服する」のではなく「枠を広げる」という方向にという概念の変換を試みています。

プレーに幅を持たせ、その中で「強み」をいかんなく発揮するために「枠を広げる」という行為もとても大事です。

是非、上司やリーダーの皆様は部下一人ひとりの性質をよく見て、今は「強みを伸ばす」局面なのか、「枠を広げる」局面なのか、ということをよく考えていただければと思います。

「枠を広げる」局面は、我慢の時。しっかり歯を食いしばって反復練習。左手でそれなりに投げる訓練をしないといけません。

そして、その訓練は、最終的には強みと関連させてその人全体のパフォーマンスのアップにつなげていきたいですね。

(追伸)

この話のからみで、これからどんどんキャリアを積んでいく若い人達にも伝えたいことがあるんです。みんなに知っておいてほしい話。

長くなるので、それはまた次回に。