「教える側」になって気づいた、本当に大切なこと ー 新卒技術研修講師として過ごした3ヶ月間の記録
2025-12-03
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「教える側」になって気づいた、本当に大切なこと ー 新卒技術研修講師として過ごした2ヶ月間の記録

はじめに

こんにちは。久々のブログでテンション上がっているので2本目書きます。もしよかったら見て下さい。

まず僕のFIXERでの経歴
電カル設計→電カルヘルプデスクの順で社会人として過ごしました。

社会人ではヘルプデスクしかやったことがなかった僕が、いきなりフロントエンド研修でコードレビューをしている。僕が新卒の立場だったら、間違いなくそう思っていたと思います。

正直なとこ、新卒のみなさんはそう思っていたのではないでしょうか。

でも、この3ヶ月間は、僕のエンジニア人生で最も濃密で、最も成長できた時間でした。

今日は、新卒研修の技術講師として過ごした3ヶ月間で感じたこと、学んだことを、熱量そのままに書き残しておきたいと思います。

希望していなかった場所で見つけた「やりがい」

実は、僕は今の部署を希望していませんでした。

配属が決まった時、正直「え!?」となりました。電子カルテチーム。コードを書くというより、僕は、設計・ヘルプデスクとしてサポート業務がメインでした。エンジニアとしてバリバリ開発したかった僕にとって、最初は正直モヤモヤする日々でした。

でも、今は違います。

変化を楽しめるようになったら、どこの会社に行っても、どんな環境でもやっていける。

これは、この3ヶ月で心の底から実感したことです。

新卒研修のリーダー講師として声がかかった時も、最初は「自分でいいのだろうか?」と思いました。エンジニア歴が短い。技術力に自信があるわけでもない。でも、やってみることにしました。変化を恐れずに。先輩にしていただいたことを自分でも後輩たちに還元できないかと。

技術より大切だった「人と向き合う力」

技術講師として研修に入って気づいたことがあります。

エンジニアとしてのスキルは正直微妙でしたが、ヘルプデスクで培った「人と向き合う力」は活かせました。

新卒のみなさんが何に困っているのか。何がわからなくて手が止まっているのか。

コードを見れば「ここが間違っている」と指摘することはできます。でも、それだけでは人は育ちません。

「なぜそう書いたのか」「どこまで理解しているのか」「何が腑に落ちていないのか」

ヘルプデスクで日々お客様と向き合ってきた経験が、ここで活きました。技術力があまりないことがコンプレックスだった僕にとって、これは大きな自信になりました。

教えることで、僕が一番学んでいました

研修を通じて、僕自身が一番成長させてもらいました。これは本当にそう思います。

講師の皆さんの熱意。新卒メンバーからの率直な意見。「もっと良い研修にしたい」と本気で思えました。

みなさんが日に日に変わっていく姿を間近で見ることができて、逆に僕の方が勉強させてもらいました。

最初は「ひょっこ」だったみんなが、気がついたらしっかりとしたエンジニアの顔つきになっていきます。その成長ぶりを見ていると、僕も「もっと頑張らなければ」とエキサイトしました。

教える立場になって初めてわかったことがあります。

人に教えるには、自分が本当に理解していないといけない。

曖昧な理解のままでは、質問に答えられません。だから僕も必死で勉強しました。Vue.jsやC#の書き方、Gitの仕組み、コードレビューの観点。教えるために学び、学ぶことで教えられるようになる。このサイクルが、僕を成長させてくれました。

研修で伝え続けた3つのこと

この3ヶ月間、新卒のみなさんに繰り返し伝えたことがあります。

1. スピードより理解を優先しましょう

「研修以外でも講師や先輩を頼ってもいいので、しっかり理解していくことが大切です。スピードよりも理解に重点を置いてやってみてください」

研修は競争ではありません。早くコードが書けることより、なぜそう書くのかを理解している方が、長い目で見て絶対に強いです。

2. 生成AIに頼りすぎないでください

「生成AIが出力したコードを、そのまま使って理解せずにコードを書いていませんか?」

これからの時代、生成AIは当たり前のツールになります。でも、AIが出したコードの意味を理解せずにコピペするだけでは、いつまでも成長しません。

意味を理解して、自分の言葉で説明できるか。 これが大事です。

3. テキストコミュニケーションを軽視しないでください

質問の仕方一つで、得られる回答の質が変わります。

「質問の前提情報が欠けていると、講師も何がわからないのかわからないのです」

ビジネス研修で学んだことを、きちんと実践しましょう。曖昧な質問は、曖昧な回答しか返ってきません。

可読性という名の「思いやり」

コードレビューで特に意識してもらいたかったことがあります。

可読性。相手に読みやすいコードを書くこと。

動けばいいというものではありません。半年後の自分が見ても、別のチームメンバーが見ても、すぐに理解できるコード。それが「いいコード」だと思います。

ヘルプデスクでは、僕も先輩に議事録の書き方で指摘をいただきました。

  • 日本語の表記ゆれ(「ユーザービリティテスト」と「ユーザビリティテスト」の混在)
  • 体裁のずれ(箇条書きの位置がバラバラ)
  • 略語をそのまま使わない(「デジ庁」→「デジタル庁」)

これは、コードでも同じだと思います。読む人への思いやりが、プロフェッショナルの仕事です。

3ヶ月で見た景色

最終日、研修のクロージングで新卒のみなさんにメッセージを送りました。

書きながら、色々思い出しました(笑)後輩たちが配属されてからも研修のことが少しでも力になっているかなと思いつつ。

最初はみんな「ひょっこ」だったのに、気がついたらしっかりとしたエンジニアの顔つきになっていました。日に日に成長していく姿を間近で見られたこと。それが何より嬉しかったです。

研修に携わってくれた全人類に感謝しています。

人として成長できた2ヶ月でした。

これから研修に関わる方へ

もし、これから新卒研修の講師をやる機会がある方がいらっしゃったら、ぜひチャレンジしてみてください。

技術力に自信がなくても大丈夫です。僕がそうでしたから。

大切なのは、「もっと良い研修にしたい」と本気で思えるかどうか。 その熱量があれば、自然と行動がついてきます。

そして、教える側になった時、一番成長するのは自分自身だということ。これは間違いありません。

おわりに

希望していなかった場所で、思ってもみなかった経験ができました。

変化を楽しめるようになったら、どこに行ってもやっていける。

この3ヶ月で得た確信を胸に、これからもエンジニアとして、人として、成長し続けていきたいと思います。

新卒のみんなへ

これからも気軽に声をかけてね。プライベートの話でも、仕事の相談でも、なんでも大丈夫です。

一緒に飲みにでも行きましょう!