Azure Solutions Architect Expertの資格取得のために、日々の業務において役に立ったポイント

初めに

FIXER 藤井です。先日、MCP(Microsoft Certified Professional)の1つ「Azure Solutions Architect Expert」を取得しました。「合格体験記」として個人的な経験をまとめます。「Azure Solutions Architect Expert」に関する説明も後述します。

本記事の特徴

本記事では「Azure Solutions Architect Expert」の資格試験に関して、「日々の業務の中で役に立ったポイント」を中心に解説します。実は「日々の仕事でやっていることがそのまま出題された」というのが藤井の正直な感想で、いわゆる「試験勉強」は以下しかやっておりません。2つの試験に合格する必要(詳細は後述)があるのですが、合計でもせいぜい18時間くらいです。(一発合格ではなくリトライで合格しているのですが、そこはご愛嬌ということでよろしくお願いします。)

  • 1つ目の試験「AZ-300: Microsoft Azure Architect Technologies」の無料試験対講座(オンライン)を受講→6時間
  • 2つ目の試験「AZ-301: Microsoft Azure Architect Design」の無料試験対講座(オンライン)を受講→6時間
  • 上記2つの試験の出題範囲の中から、過去の業務で触れた経験が少なかったり、苦手意識が有ったりする部分について、重点的に上記の対策講座のテキストやMicrosoft の公式ドキュメントを重点的に読み込んだり、テスト環境で手を動かして試してみる。→6時間(試験ごとに各3時間くらい)

本記事についてご了承いただきたいこと

本記事で紹介する内容は以下の事情により「曖昧で抽象的」にならざるを得ないことをご了承ください。

  • MCPの試験問題に対する守秘義務:MCPの問題は非公開であり具体的な出題内容を公表すると資格はく奪の上、受験が永遠に出禁になります。
  • FIXERの社員として業務上の守秘義務:当たり前ですが入社初日にNDA署名済みです。

本記事が対象にしている読者様

本記事では以下のMCPについて、少なくとも1つを取得済みの方を想定しています。手前味噌ではありますが、各資格について解説した記事を過去に投降しておりますので、もしよろしければ併せてご参照ください。

「Azure Solutions Architect Expert」について

概要とMCP資格体系での位置づけ

「Azure Solutions Architect Expert」とは、Microsoft が発行する認定資格「Microsft Certified」において、「Azure 認定資格」のカテゴリーに含まれ、「DevOps Engineer Expert」とともに上位資格の「Expert」に位置付けられます。「Azure 認定資格」のカテゴリーの中には全部で15個の資格が存在します。またMicrosoft が公開しているこの図を見ていただくとわかる通り、「Azure 認定資格」のカテゴリーにおいて中核をなす存在であるともされています。

「Role-based資格」の1つとして、2019年に従来の上位資格であったMCSE(Microsoft Certified Solutions Expert)を置き換える形で導入されました.従来の資格体系のMCSEが製品カットで知識やスキルを試していたのに対して、新しい「Role-based資格」は「役割(職種)」という切り口で知識やスキルを試すものとされています。

「Azure Solutions Architect Expert」合格者に期待される具体的なスキルとは、「プリセールスとしてAzureの設計や導入について、顧客に提案できること」です。下位資格の「Associate」と以下のような差異があるというのが、両方とも取得してみた印象です。

  • Expert:一定の業務要件に対して、実現に必要なAzureのサービスを判断したり適切な設定を選択できること
  • Associate:Azureの各サービスについて特性や仕様を理解していたり具体的な作業手順を把握していること

試験について

「Azure Solutions Architect Expert」は2つの試験、「AZ-303: Microsoft Azure Architect Technologies」と「AZ-304: Microsoft Azure Architect Design」の両方に合格することで資格取得できます。なお藤井自身は受験の時期が試験のバージョンが更新される端境期だった関係で、それぞれ1つ前のバージョン「AZ-300」と「AZ-301」で資格取得しておりますが、出題範囲などのマイナーチェンジがある程度で本質的な変更はない(はず)です。

資格取得のために役に立ったポイント

日々の業務の中で役に立ったポイント①問合わせ対応

藤井自身は普段、お客様から問い合わせ対応(テクニカルサポート)を担当しているのですが、実はこれそのまま「業務要件に対して、Azureのサービス種別の選択や各サービスの設定に落とし込む」ことそのものです。「個別のAzureサービスの仕様や作業手順を確認したい」という、「Associate」レベルの問い合わせももちろんあるのですが、(藤井の感覚ベースで)半分以上のケースは、「特定の業務要件に対して利用すべきAzureのサービス種類の選択や適切な設定について相談したい」というものです。

実際に試験を受けていて、「先週ちょうど、試験の問題とほぼ同じ質問をお客様から受けて調べたな」ということが有りました。お客様の質問と試験の設問がほぼ同じでした。

日々の業務の中で役に立ったポイント②Azure 利用料の見積もり作成

Azure には公式で料金計算ツールと呼ばれるサイトが存在し、定価ベースで利用料を算出できます。藤井は見積もりの作成などで、日常的にこの料金計算ツールを触り倒しているのですが、試験でも結構、役に立ちました。

業務外で役に立ったポイント

当たり前かもしれませんが、「Associate」レベルの3資格の全て(Azure Administrator、Azure Developer 、Azure Security Engineer)を、取得していたことがとてもプラスになりました。Azure Solutions Architect Expert自体は、Associateの資格を持っていなくても受験自体はできますが、やはり「急がば回れ」でAssociateのいずれか、できれば複数に合格してから受験する方が確実です。
Azure Solutions Architect Expertの各試験の出題範囲は、「Associate」レベルの3資格の領域にまたがっているだけでなく、最も大きなウェイトを占めるAzure Active Directoryについては、「Associate」レベルの3資格においても共通して少しづつ異なる切り口で問われるためです。
※資格試験の話題から少し脱線しますが、「Azure Active Directory」の存在こそがAWSに対するAzure最大の特徴かつ個性であり、「AzureをAzureたらしめるのはAzure Active Directoryである」と個人的には考えております。

終わりに

IT業界に限らず、社会人として仕事をしていると「資格試験は業務上、意味があるのかないのか」という議論は常に見受けられますし、その葛藤は普遍的であると言えます。ただクラウド業界、あるいはAzureのパートナー企業、少なくともFIXERで仕事をする限りでは直接的な意味があるというのが藤井の信念です。もしこれからクラウド業界への参入を目指している方であれば、入り口として資格取得をオススメいたします。(もし将来的に藤井自身がAWSやGCPに対応するとしたら、まずは資格をいくつかとるところから始めます。)

FIXER Inc. 藤井 廉
  • FIXER Inc. 藤井 廉
  • Cloud Solutions Engineer
    保有資格:
    Microsoft DevOps Engineer Expert(AZ-400)
    Microsoft Azure Solutions Architect Expert(AZ-300 & AZ-301)
    Azure Database Administrator Associate(DP-300)
    Microsoft Azure Developer Associate(AZ-203)
    Microsoft Azure Security Engineer Associate(AZ-500)
    Microsoft Azure Administrator Associate(AZ-102:制度変更により廃止された「70-533 Microsoft Azure Infrastructure Solutions の実装」の既合格者を対象とした移行試験で、AZ-103と同等の資格)