Azure 歴 8 年目突入を記念して 5 年ぶりにClassicモデルのAzure VMのことを考えてみる
2021-02-18
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FIXERの藤井です。2月16日火曜日の弊社和田の「Cosmos DBを従量課金ベース(サーバーレスモード)で使ってみよう #Azureリレー」に引き続き、2月18日木曜日のAzure リレーを担当します。

初めに

藤井が人生で初めてMicrosoft Azure に触れたのは、まだ前職に勤務していた2014年2月で、2021年2月からAzure 歴 8 年目に突入するのを記念して、前職時代に触り倒していたClassicモデルのAzure VMを振り返ってみることにしました。
当時の藤井はISV(パッケージベンダー)に勤務していて、自社製品のパブリッククラウドの環境サポートを表明するために、Azure 環境での製品の動作検証を担当していました。簡単に言うと、クライアント-サーバー型のパッケージ製品で、サーバーサイドのアプリケーションの基盤として、IaaS仮想マシンのWindows Serverを利用してインターネットもしくはVPN経由で利用するということです。
2014年2月というのは、ちょうどAzure の日本リージョン(東西)がオープンしたときで、さらにその翌月の2014年3月に「Windows Azure 」から「Microsoft Azure」へのサービスブランド名が変更された時期でもあります。当時の藤井はブランド名の変更を知らずに、Azure Portalにサインインしたらいきなりロゴが変わっていたので、間違えて別のサービスにログインしたかと一瞬焦ったのを覚えています。

Classic モデルのAzure VMとは?

Classic モデルのAzure VMとは、Azure Service Manager (ASM)モデルという区分で提供されているAzure VMです。Azure の各サービスは大別すると、2010年にAzureのサービスが開始された時から提供されているAzuer Service Manager (ASM)モデルという区分と、2015年から提供が開始されたAzure Resource Manager(ARM)モデルという区分が存在します。ASM モデルとはAzure の「Version 1」であり、ARM モデルとはAzure の「Version 2」であるとも言えます。

2021年現在で、新規の構築する場合にClassic モデルのAzure VMを選択することはまず考えられません。また、2023年3月1日を持ってClassic モデルのAzure VMはサービス廃止になることがアナウンスされています。藤井自身、2016年10月にFIXERに入社して以降、Classic モデルのAzure VMを触ったことはありません。唯一、2018年に「70-533 Microsoft Azure Infrastructure Solutions の実装」という、MCPの現在は廃止された旧試験を受験したときに試験範囲の対象だったので勉強しましたが、後継の試験(AZ-103, 104)では出題の対象外です。

この記事の目的

Classic 型のAzure VMに触ったことが無い方が、2023年3月1日のサービス終了に向けた移行対応で初めて触るときに戸惑うことになるであろう、Classic 型のAzure VMに特有の機能について解説いたします。

ご了承を頂きたい点

2021年2月現在、Classic 型のAzure VMを新規で作成できるのはClassic 型のAzure VMを保有しているユーザーのみとなります。Azure Market Placeから「Windows Server」のメニューのトップ画面で、下図のように切り替えることで、作成画面を開くことはできますが、作成自体はリジェクトされます。

さすがにお客様の既存環境をブログに公開することはできないので、この記事では作成画面の入力項目を見せながら、Classic 型のAzure VMに固有の特徴を解説します。

具体的な各ポイント

ポイント(1)「管理型ディスク」が選択できない

Classi 型 VMでは「管理型ディスク」が選択できず、ARM型のAzure VMでいうところの「非管理型ディスク」のみとなります。Storage Account上にvhdファイルが直接に見える形式となっております。

ポイント(2)「クラウドサービス(ドメイン名)」が存在する

Classi 型 のAzure VMとARM型のAzure VMとの最大の相違点とも言えます。ARM型では「パブリックIPアドレス」を作成してAzure VMと紐づけることで、「パブリックIPアドレス」に設定されたグローバルIPアドレスやFQDNを利用してAzure VMのインターネットアクセス実現しますが、Classic 型では、「クラウドサービス」を作成して仮想マシンと紐づけます。

「パブリックIPアドレス」と「クラウドサービス」は以下の点が異なります。

  • クラウドサービス:1つのクラウドサービスに複数のAzure VMが紐づけできる。グローバルIPアドレスと各Azure VMのプライベートIPアドレスはポート番号を利用して「NAPT」で振り分けされる。
  • パブリックIPアドレス:1つのパブリックIPアドレスに1つのAzure VMが紐づけできる。グローバルIPアドレスとAzure VMのプライベートIPアドレスは「NAT」で紐づけされる。

ポイント(3)「エンドポイント」の項目が存在する

上記の「ポイント(2)」にあるように、クラウドサービスのグローバルIPアドレスと各Azure VMのプライベートIPアドレスはポート番号を利用して「NAPT」で振り分けされます。そのポート番号の振り分けを設定しているのが「エンドポイント」です。ARM型で最も近い概念はLoad Balancerの「受信NAT規則」です。 

終わり

2016年以降にAzureを始めた方には「紀元前」の世界に感じるかもしれませんが、2023年3月のClassic 型Azure VMのサービス停止に向けて移行対応で触れる機会もあるかと思います。参考にしていただけると幸いです。

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2024/03/29
AI/Machine Learning