Power Appsのコンポーネントでヘッダーを作成してみた
2021-05-31
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はじめに

あと1日でFIXERに入社して2か月、Power Appsでいくつかのアプリを作成してみて思ったことがあります。

新しい画面を作成するごとにヘッダーを追加するのがめんどくさい

ヘッダーというのはサイトやアプリの上部などにある、タイトルやメニューボタンの塊のことです。
ヘッダーを新しい画面に追加するだけなら、コピペをするだけなのでそこまでめんどくさくないのですが、ヘッダーのデザインや機能を変更しようとしたときに、すべての画面のヘッダーを1つずつ変更していかないといけないのでとてもめんどくさい。

そこで、Power Appsにあるコンポーネントという機能を利用して、1回の変更ですべての画面に適用できるようなヘッダーを作成してみました。


コンポーネントとは

コンポーネントとは、いろんな箇所で使いまわしするようなもの(ヘッダーやフッター、メニューやポップアップ等)を1つのパーツとして作成し、他の画面やアプリなどで共有できるものです。


コンポーネントを利用したヘッダーの作成方法

  1. コンポーネントの作成
    ➀ キャンバスアプリ作成後、「画面」の横にある「コンポーネント」タブをクリックします
    ➁ 「新しいコンポーネント」と表示されている部分をクリックし、新しいコンポーネントを作成します
  1. コンポーネントの幅の設定
    ➀ 作成したコンポーネントをクリックします。(下図の場合は「header」)
    ➁ コンポーネントをクリックしたら、左上にある選択BOXを「Width」に変更します
    ➂ 変更した選択BOXの右にある「Fx」から始まる部分に下記のテキストを入力
Max(App.Width, App.MinScreenWidth)

これは、このコンポーネントを使用するキャンバスアプリと同じ幅という意味です

  1. コンポーネントの高さの設定
    ➀ 「2」で「Width」に変更した部分を「Height」に変更
    ➁ お好みの高さでOKですが、今回は500に設定
  1. ヘッダーの背景の設定
    ➀ アイコンから四角形を挿入
    ➁ 挿入した四角形をクリック
    ➂ 左側にある部分でサイズと色を調整(幅はコンポーネントと同じ)
5.
  1. タイトルとメニューアイコンを追加
    ➀ まず左上にある「ラベル」をクリックし、挿入。テキストはお好みに設定してください
    ➁ 右上にあるアイコンからハンバーガーメニューを挿入

    どちらもヘッダーの上に配置してください
  1. メニューの作成
    作成したハンバーガーメニューの下に、好きなアイコンや背景、ラベルを配置します
  1. 作成したメニューのグループ化
    ➀ 「6」で作成したものをすべて「shift」キーを押しながらクリックします(すべて選択状態にする)
    ➁ クリックしたもののどれかの「・・・」ボタンを押し、「グループ」ボタンを押してグループ化します
  1. メニューの表示状態の初期値の設定
    ➀ 一番最初に作成したコンポーネントをクリックします(下図だとheader)
    ➁ 左上にある選択BOXを「OnReset」にします
    ➂ 選択BOXの右に下記を入力
Set(menu, false);

これは、menuという変数に「false」というBool値を入れています

  1. メニューの表示状態の設定
    ➀ 「7」でグループ化したメニューをクリックします
    ➁ 左上にある選択BOXを「Visible」にします(Visibleとは表示状態のこと)
    ➂ 選択BOXの右に「menu」と入力

    これによりグループ化したメニューすべての表示状態が「menu」の値になります(初期状態はfalse)
    この後、ハンバーガーメニューを押したときにmenuの値が変更されるような仕組みを作ります
  1. ハンバーガーメニューを押したときの動作を設定
    ➀ 「5」で挿入したハンバーガーメニューをクリックしてください
    ➁ 左上にある選択BOXを「OnSelect」にします(「OnSelect」は押したときの動作)
    ➂ 選択BOXの右に下記を入力
Set(menu, Not(menu));

これは、「menu」に入っている値を反転するという意味です。
つまり、ハンバーガーメニューを押すことによって「menu」の値が反転し、メニューの表示状態も反転します。
よって、ハンバーガーメニューを押すとメニューが表示されていないときは表示され、表示されているときは消えるようになります。

  1. アプリ画面に移動
    まだ作成途中ですが、実際に画面に作成したコンポーネントを表示してみます。
    「画面」タブをクリックして、アプリの画面を表示します。
  1. 画面に作成したコンポーネントの挿入
    ➀ 画面左にある「+」ボタンをクリック
    ➁ 挿入部分の「カスタム」をクリックし、作成したコンポーネントをクリック
    ➂ 作成したコンポーネントが表示されます
  1. 作成したコンポーネントの確認
    実際に配置したコンポーネントのメニューボタンをクリックすると、メニューが表示されるようになっています。

ここから先は、メニューの中にあるアイコンをクリックして、他の画面に移動できるような機能を実装していきます。
下記の記事でも同じことをしていますが、やり方が違うので好きなほうで実装してみてください

Power Apps のトリセツ(もちろん非公式) # コンポーネント編


  1. カスタムプロパティの追加
    ➀ 画面左側にある紙が重なったようなマークをクリック
    ➁ 「コンポーネント」タブをクリック
    ➂ 画面右下にある「+新しいカスタムプロパティ」をクリック
    ➃ 赤い枠の通りに書く
    これをメニュー内のボタンで遷移したい画面の数だけ追加します。

通常コンポーネントからは、アプリ内の変数や画面を参照することはできません。
しかし、コンポーネントにカスタムプロパティを追加することによって、アプリからコンポーネントへ変数や画面の名前を渡すことができます。

  1. メニュー内のアイコンを押したときの動作
    ➀ メニュー内に作成した各アイコンをクリックします
    ➁ 左上にある選択BOXで「OnSelect」を選択します
    ➂ 選択BOXの右に下記を入力
Navigate(header.HOME);

これにより、下図の例で「ホーム」アイコンを押すと、アプリ側でカスタムプロパティ「HOME」に指定した画面に遷移することができるようになります。

  1. キャンバスアプリでカスタムプロパティを指定
    ➀ アプリ側で作成したヘッダーのコンポーネントを挿入します
    ➁ 画面遷移をするために、新しい画面を作成します
    ➂ ヘッダーのコンポーネントをクリックし、左上にある選択BOXを「14」で追加したカスタムプロパティを選択します
    ➃ 選択BOXの右に各カスタムプロパティに対応する画面を入力します

これで、各画面に遷移できるヘッダーの完成です。
いくつもの画面にこのコンポーネントを配置した後に、ヘッダーのデザインを変更したい場合などは、コンポーネントタブからコンポーネント自体のデザインを変更すれば、すべての画面において変更が適用されます。


まとめ

・コンポーネントを作成すれば、後のデザインや機能の修正に簡単に対応可能
・メニューやポップアップの表示状態は変数にし、変数の状態をボタン等で変更する
・コンポーネントとアプリの変数のやり取りは、カスタムプロパティを用いて行う

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2024/03/29
AI/Machine Learning