【人工衛星】Azure Orbitalが便利!?詳しく解説してみた!
2021-12-02
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この記事は FIXER Advent Calendar 2021(https://adventar.org/calendars/6788) 2日目の記事です。

前回は佐藤君の「作ってたアプリが消えたので Power Apps キャンバスアプリの自動保存について調べてみた」でした。

佐藤君が作っていたアプリの内容を知っているだけにめちゃくちゃ悲しい。。。Ctrl + Sを押す習慣は大切。

さて、保存をしまくりながら書いた本記事では、Azure Orbitalというほかのサービスとは毛色が全然違う、面白いサービスについて解説をしていきたいと思います。

Azure Orbitalって何?

Azure OrbitalはGSaaS(Ground Segment as a Service)って呼ばれてるサービスです。

LEO/MEO(低軌道/中軌道)にある非静止衛星、もしくは地上基地局(でっかいパラボラアンテナのアレ)(以降、基地局)をターゲットとしたサービスになります。もうこの時点で我々一般人には関係のないサービスと分かりますが、当ブログをお読みのイーロン・マスク様、ジェフ・ベゾス様、もしくは人工衛星をお持ちの一般人様がいらっしゃると信じて解説を続けます。

何が便利なの?

Azure Orbitalを利用することで嬉しいことがいっぱいあります。

基地局関連

非静止衛星はその名の通り、地球をグルグル回っています。ですので、非静止衛星は世界中に基地局が必要です。基地局は建てるのもお金かかるし保守もお金がかります。なんなら人工衛星の軌道によって基地局の必要な個所が変わってきます。例えば、極軌道(地球を縦にグルグル)で回る人工衛星のために北極近くと南極に建てても赤道周辺はカバーできません。下の図の低高度軌道が極軌道で、中高度軌道が赤道上の円軌道のイメージです。人工衛星も保守があるのに。。。

低軌道と中軌道の高度、極軌道と赤道上の円軌道のイメージ[1]

こんなお金がかかることをやるのは嫌なので、基地局のサービスを展開している会社がいっぱいあります。Microsoftもその会社の一つとなってます。

Azure Orbital独自のいい点として、Microsoftの基地局はもちろん、パートナー企業( KSAT社、ViaSat社、US Electrodynamics社 )の基地局も使えます。

KSAT社はたくさん基地局を持ってて、特に極軌道(地球を縦にグルグル)衛星に強い会社ですし、ViaSat社は軍事関連もやってて、 US Electrodynamics社はたくさん基地局、専用回線を持つ会社です。パートナー企業の基地局、サービスを使えることで、高い網羅率(人工衛星がどこにいても通信できる!)を提供するとのことです。

なんなら既存の基地局を仮想化してDXできるらしいです。なんかよくわかんないですが、多分仮想化モデムのことを言っているんだと思います。

データ送受信

人工衛星は地上局との通信にRF(Radio Frequency)信号を使っています。宇宙からやってくる電磁波によって様々な雑音が生じるので、雑音に強いラジオ信号が採用されているようです。信号はアナログなもの、ただの波なので、やり取りするためには変調・復調を行う必要があります。

変調・復調をするために様々な機器類が必要ですが、この作業もAzureだととても楽になります。仮想化モデムといって、人工衛星を運用するにあたって必要な機器類やインフラを仮想化しているもの(?)が存在ているみたいです。正直よくわかんないです。

仮想化モデムパートナーとしてKratos社、Amergint社と提携して、無線処理機能等をAzure上ででき、なおかつAzureのサービスを利用できるので、考えなければならないことが一気に減ります。

従来の人工衛星管理システムの構成例を以下に示します。なんかいっぱいある。

人工衛星管理システムの構成例[2]

公式ドキュメント上にシステム概要図があるので紹介します。システム概要図に人工衛星があるのなんか面白い。

地球観測に関するシステム概要図[3]

これだけ見てても複雑差が全然違いますし(多分)、物理的に用意しなければならないものが少ないです。

なんならAzureのサービスは従量課金制で使えます。便利!

図3の右側は 仮想化モデムと呼ばれるものです。Kratos社やAmergin社のモデムがAzure Marketplaceにあるので、Azure上で使えます。

地上ネットワーク

非静止衛星の基地局はその特性上、世界各地に散らばっています。しかしそうなると、ネットワークもいっぱい設置しなければなりません。でも大丈夫。宇宙業界最大の人工衛星接続プロバイダーの一つであるSES社の地上ネットワークが使えます。データが大量にあっても安心!

TT&C

TT&Cとは何ぞやと思いますが、こちらはtelemetry, tracking and commandの略になります。人工衛星を運用するにあたって観測データはもちろんのこと、人工衛星の内部情報や、今人工衛星がどこにいるのか追跡・管理する必要があります。人工衛星の燃料が無くなった!どこ行ったか分からん!とりあえず放置しとこ!とかやったらいろんなところから怒られます。そこら辺のコントロールをするにあたって、Kubos社のソフトウェアを使えます。Azure Marketplaceにあります。

移行について

色々と便利そうなAzure Orbitalですが、こういったのは移行がなかなか大変だったりします。機器類も多いし。でも安心!

移行についてMicrosoftがサイト(多分Microsoft Docs)で手伝ったり、規制当局が手伝うとのことです。やったね!

利用したいけどどうすればいいの?

2021年12月02日現在、Azure Orbitalはプレビューで、参加の連絡をしないと使えないみたいです。連絡先が載っているページはこちら

最後に

Azure Orbitalがどれだけ便利そうかご理解いただけたら幸いです。みんなも人工衛星を購入してAzure Orbitalで運用しよう!

参考文献

[1] 総務省電波利用ホームページ

[2] 衛星運用を支える地上システム

[3] Azure Orbitalについて