2023年12月から、インボイス制度が始まりました。適格請求書発行事業者の登録申請が認められると、登録番号が発行されます。
どこの会社でも適格請求書発行事業者として自社の登録を行ったり、取引先の登録番号を調べるなど大変だったのではないでしょうか。
適格請求書発行事業者の一覧は国税庁 適格請求書発行事業者公表サイトで公開されており、登録番号を確認することができます。
同様に、適格請求書発行事業者公表システムというWeb APIを使って登録番号を取得することも可能です。
法人の登録番号は、基本的には「 T + 法人番号」なのですが、適格請求書発行事業者の登録申請を行っていない場合は登録番号が発番されていないため、適格請求書発行事業者かどうかのチェックをするためにもAPIはとても便利です。
今後も登録番号を調べたり、既存の取引先でも新しく適格請求書発行事業者の登録申請を行った取引先は登録番号を取得したいなどのケースが考えられます。
そんなときにはAPIを使って、登録番号の取得や適格請求書発行事業者リストの更新を自動で行ってしまいましょう!
Power Platformを使ってCRMを作りたい!という要望も多くあるため、今回はPower AutomateのHTTPリクエストを使って簡単に登録番号を取得してみます。
1. 事前準備
Web APIの利用には、アプリケーションIDが必要になるため下記サイトでの申請が必要になります。
https://www.invoice-kohyo.nta.go.jp/web-api/pre-reg
発行されたアプリケーションIDはこの後、実際にAPIを利用するときに使用します。
APIの仕様書はこちらのサイトから確認することが可能です。
https://www.invoice-kohyo.nta.go.jp/web-api/web-api-download.html
さて、さっそく作っていきましょう!
2. 登録番号を取得してみる
仕様書を確認すると、現時点(23/12/16)のAPIでは下記の2つの方法で登録番号を取得することが可能です。
1. 登録番号(T+法人番号)から適格請求書発行事業者の登録があるかを確かめる
2. 取得期間を指定して登録番号を取得する(json, xml, csv)
現時点では、法人番号や法人名などから取得・検索が行えないですが、その辺りは同じ国税庁の法人番号システムを利用することで賄えます。
本記事では、1の方法を使って、法人番号から適格請求書発行事業者の登録番号を取得してみます。
Power Automateで法人番号を入力するための変数と、HTTPコネクタを用意します。法人番号には登録番号を取得したい法人の法人番号を入力します。
HTTPの中身は以下のようになります。
URI: https://web-api.invoice-kohyo.nta.go.jp/1/num
id: {アプリケーションID}
number: concat('T',variables('法人番号'))
type: 21
idには、申請後に受け取ったアプリケーションIDを入力します。
numberは、調べたい取引先の登録番号を入力します。ここでは、concat関数を使って法人番号の頭にTを結合したものをnumberの値として入力しています。
typeは、出力をcsv, json, xmlのうち、どの形式で返すか指定します。ここでは、jsonを示す21を入力しています。
フローができたので実行してみます。
右上の[テスト]から[手動で実行]を選択して実行してみると、FIXERの情報が取得できることが分かります。
逆に、適格請求書発行事業者登録のない登録番号で検索をしてみるとcountが0で、announcementが空として帰ってくるのでcountが0かどうかで、適格請求書発行事業者かどうかを判別することができます。
国税庁の法人番号システムや適格請求書発行事業者公表システム、経済産業省のgbiz infoなどのサービスによって、信頼性の高い企業情報が容易に取得できるようになっています。
取引先管理は、まだまだ全自動でやるには課題の多い分野ですが、バックオフィスの負担を軽くするためにもぜひ試してみてください!