朝チュン
朝チュンと聞くとどんな情景が思い浮かぶでしょうか?
なんのことかさっぱりという方に手がかりをさしあげると、ここで言うチュンというのは小鳥のさえずりの擬音語です。
少し想像してみてください
いかがだったでしょうか。
どちらかというとポジティブな情景が浮かんだのではないでしょうか?
暖かい朝日に照らされて、優しい小鳥のさえずりでけたたましいアラームが鳴る前に自然と目が覚める穏やかで幸せな朝を想像していただけましたでしょうか。
ここで少し私と、私の背景を紹介させてください。
自己紹介
24年度新入社員の山口です。
大学ではエアラインパイロットを目指してパイロット訓練に励んでいました。
飛行時間は300時間弱、操縦した飛行機は4機種です。
IT の技術力はまだまだですが、これまでの経験を生かして新しい視点、価値を創造できるよう励んで参りますので見守っていただけると幸いです。
パイロット訓練
パイロット訓練をひとことで表すと・・・
熟考しましたが、いい表現が見つかりませんでした。
あなたはどんなイメージを持つでしょうか?
大変 楽しそう 難しそう 教官が恐そう 酔いそう etc
どれも合ってます。もちろん例外はありますが。
とにかくたくさんつまっています。
衝撃の少ない着陸ができるとか、操縦のテクニックだけでなく、知識、状況認識能力、判断力、人間性など様々な成長が求められるのです。
私が操縦訓練ではなくパイロット訓練とあえて表現しているのはこのためです。
操縦訓練はお金もかかりますし、時に危険も伴いますから、短時間の操縦訓練をより実のあるものにするための準備が必要になります。準備が9割といっても過言ではないですね。
ではどんな準備があるかというと、イメージフライトをしたり、離着陸性能を計算したり、10枚以上の天気図に色を塗って解析したり、どういう高度でどういう経路で飛行するか決めたり、空港の使用許可を取ったり、飛行計画を提出したり、たくさんあります。その準備がおわってやっと飛行機を飛ばせるわけですね。
これからついに朝チュンの実態へ迫ります
朝チュン分析
訓練の初期課程はVFRといって、すごく簡単に言うと天気のいい日にしかできない飛行方式でしか飛べません。つまり、天気が悪いとフライト訓練はキャンセルになるのです。訓練日に大荒れの天気が予報されていたら、どうせフライトはないと希望的観測で準備を怠ってしまうんですね。フライト前夜は、イメージフライトが頭をめぐりまわってなかなか寝付けないものです。しかし、明日はどうせフライトがなくなるだろうからと、ノーストレスでぐっすり寝ちゃうわけです。
起きたら外は雷ゴロゴロの風ビュンビュンだろうな~
明日は研究室でのんびり次のフライトの準備をしよう(*^^*)
なんて思って眠りにつくんですね。
現実はそう甘くありません
チュンチュン(^◇^)
小鳥達のさえずりが予報と反して穏やかな大気に無情にも響き渡ります。
絶望的な目覚めです。これがパイロット訓練性にとっての朝チュンです。
この朝チュン現象分析してみると、希望的観測による怠惰が原因です。本当に情けない話ですが、おそらく少なくないパイロット訓練性がこの絶望感を味わったことがあるのではないかと思います。
解決案
解決案は、いつ飛んでもいいように日常的にイメージフライトなどの準備を怠らないことです。
それができたら素晴らしいとわかっていてもなかなかできないのが人間というもので、朝チュンの後の訓練はうまく行くはずもなく上空で怒られたり、そもそも準備不足が飛行前に露呈して教官にフライトさせてもらえない人もいたとかいないとか…
「もうあんな絶望感を味わいたくない」とか、「本当なら今頃飛んでいた飛行機が駐機場にさみしげに留められているのをみて情けない気持ちになった」とか、朝チュンを経て成長する訓練生は少なくないと思います。
だからパイロットの通過儀礼と表現させていただきました。
テックブログですので、技術的側面からも解決案を提案します。
解決案といってもあくまで対症療法で、絶望感を若干薄めるくらいの効果しかないと思いますが。
フライト前に離着陸性を算出して安全に離着陸できるか確認するのですが、その作業がかなり大変です。というのもフライトタイムの気温、気圧、風向風速、飛行場の標高など様々な要素から算出しなければいけないからです。
私はこれらをpythonで自動算出するプログラムを生成AIの力を借りて作りました。訓練が一通り終わってIT企業への就活を始めたタイミングで作り始めたので、まだまだ実用には至りませんが、いつか詳細を公表出来たらと思います。
最後に
パイロット訓練生に限らず、広い意味での朝チュンは誰しも経験するものなのではないでしょうか。
明日提出の宿題があるけど、台風予報でおそらく明日は休みだろうから明日やろうと思っていたら普通に学校あった的な。
このブログを読んでくださったあなたが今後の人生で朝チュンを経験しないで良いよう、また自戒の念も込めて、ある言葉を残します。
きれいな虹を見ることができる人は雨の中出かける勇気を持った人だけだ。
たとえ雨(不利な状況、やらない理由にできることが起きた時)でも、やるべきことをきちんとして、きたるべきチャンスに備えましょう。そうすればいつかきれいな虹に出会えるでしょうということです。
私がパイロット訓練を経て経験してきたことをこれからも発信していけたらと思います。
技術力もどんどん上げて紹介できる日が来るように励みます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。