パブリックプレビューから1か月 Visual Studio Onlineでいまできること
2019-12-24
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はじめに

この記事はFIXER Advent Calendar 2019 (https://adventar.org/calendars/4579) 23日目の記事です。

前日のは堀ノ内さんの記事で、いつもの「リフレッシュはいかがでしょう」シリーズ・・・かと思いきや、最近話題に上がっているHDD吐き問題を取り扱った「廃棄されたディスクってどうなるの?Azureのデータセンターの場合を調べてみた」でした!
技術動向について日々キャッチアップしつつ、仕事柄日々のニュースから時流を汲み取ることも欠かさない堀ノ内さんならではの記事だったと思います。

そして本日の担当は私ということで、自分でもまた新しい技術やツールの時流を汲み取れることを目指して最近パブリックプレビューになってこれまでも何度か記事を書いたVisual Studio Onlineについてのこれまでとこれからに関する所感を述べたいと思います。

Visual Studio Onlineとは

そもそもVisual Studio Onlineとはなんぞや?といいますと、一言で言うとWebベースで動くVisual Studioです。
もっと言うと、Azureでホストされていて最低限ブラウザがあればどこからでもアクセスできるVisual Studio開発環境です。
開発環境自体はAzure上に置いておき、端末からはブラウザ等を通してアクセスすることでどこからでも同じ開発環境を使うことができる、同じコードに手を加えられる、便利!というのがコンセプトです。
ユースケースとしてよく挙げられるのは「どこからでもpull requestのレビューができる」というもので、gitと連携した使い方が意識されているように感じます。

Visual Studio Onlineのオリジン

Visual Studio Onlineという名前自体は、実は2013年から世に出ていました。
初出は2013年のMicrosoftイベントのvisual studio 2013 Launchで、当時の名前はVisual Studio Online "Monaco"という名前でした。
コンセプトも現在のものと同じ、クラウドでホストされた開発環境をどこからでも使えるようにするというもので、ブラウザからアクセスしてIDEが使えるよ!というものでした。
そして2015年には皆さんおなじみのVisual Studio CodeがBuild 2015で発表されるのですが、これの中身が実はVisual Studio Online "Monaco"だったりします。
Visual Studio Online "Monaco"を、実行環境にElectronを使って動かしているのがVisual Studio Codeみたいです。
この話はこの間の「Visual studio Code Meetup」(https://tech-blog.cloud-config.jp/2019-12-19-participating-in-vs-code-m…)でも出たらしく、Twitterで「visual studio online #vscodejp」で検索をかけるとそのあたりの話もちらほら見えます。
つまりは、普段使っているVisual Studio Codeは実は祖先にVisual Studio Onlineが居るみたいです。
この前はVisual Studio Code上でVisual Studio Onlineを試すなんてことをやってみましたが、実はそれが本来の姿だったというかなんというか・・・
そんなことを考えると少し面白いですね。

Visual Studio Onlineのこれまでとこれから

そんなVisual Studio Onlineですが、今の姿で発表されたのは今年の5月に行われたMicrosoft Build 2019でした。
そこでのアナウンスにおいては、「Visual Studio Onlineは(中略)Visual Studio および Visual Studio Code の Web ベースの付属品です」とあります。
前述のVisual Studio Online "Monaco"の時にはMonaco -> Visual Studio Codeという形だったのに、今度はVisual Studio Code -> Visual Studio Onlineという形で出てきたのですね。
実際、新しい方のVisual Studio OnlineはブラウザからだけでなくVisual Studio CodeやVisual Studioからも拡張機能を通じてアクセスできるため、それらの付属ツールのような形として発表されているように感じます。
そして、2019年11月に満を持してパブリックプレビューが発表されました。
私がVisual Studio Onlineを追いかけ始めたのは実はここからです。
すぐに様々な機能解説のブログが書かれ、ドキュメントのソース管理場兼issueのトラッカーとしても利用されているMicrosoftDocsのリポジトリには現在起きている問題が集まり始めました。
おそらくはこれからはここで得られたフィードバックを基にして何かしらのMicrosoftイベントごとにアップデートが発表されるのではないかというのが私の読みです。
現状使える機能を試したり問題点をIssueで共有したりしながら次のイベントを待ちましょう!

Visual Studio Onlineで今できること

現状のVisual Studio Onlineでは、Visual Studio Codeでできることは大抵何でもできると考えています。
まず基本的な機能としてはコードをGitからpullして来て編集することができます。
それから、拡張機能を自由に入れたりテーマを変えたり、設定ファイルにそれらの設定を詰めて持ち込んで既存の環境に合わせることが出来たり、Live Shareが出来たりなどVisual Studio Codeでできることは一通りのことは少なくともできます。
Visual Studio Online独自の機能としてはポートフォワーディングができるので、localhostでAPIを立ててそこに端末からネットを介してアクセス、動作の確認を行う・・・といったこともできます。
ただし、この場合作ったエンドポイントは現状パブリックに公開されてしまうので機密情報が取得できるようなものは立てないようにするか、IP制限など何かしらの対策を立てましょう。
そういった点にさえ気を付ければ、Visual Studio Onlineは現状でもフロントエンドからバックエンドまで様々な形の開発に利用できるので、先に述べたような開発環境のない場所から端末経由でコードと開発環境にアクセスしてレビューを行うようなユースケースには十分対応できると考えています。

おわりに

本稿では、先月パブリックプレビューになったVisual Studio Onlineについてのこれまでとこれからについての所感をまとめました。
まだ利用できる機能は少ないですが、機能が充実してくるにつれて大いに化けそうな気がします。
本当は前回書いた記事から今までの間に機能追加があってそれについてまとめられたら・・・という気もするのですが、それは次のアップデートがあった時のお楽しみということで。
その際は最速でキャッチして検証してお伝えしたいと思います。
そして、次回FIXER Advent Calendar 2019の大取を務めますのは、プログラミング未経験の営業の方を2年でプログラマに育て上げた若月さんで、Azure + C#についてです!
お楽しみに!