久々の投稿となります。いさおです。
今回は、最近見た作品がいろいろな場面で頭をよぎるので、その話をしてみたいと思います。
作品は「てんびんの詩」です。
てんびんの詩
この作品は、1988年にイエローハットの創業者である鍵山秀三郎さんの資金援助を得て作られた映画で、近江商人(おうみしょうにん)の原点を描いた作品です。
「売り手と買い手の気持ちが一致しないとモノを売ることはできない」ということを、ある近江商人の幼少時代の振り返りで描かれています。
近江商人といえば、「三方よし」が広く知られていることと思います。「三方よし」という言葉は聞いたことがある人は多いと思います。「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」の三つの「よし」のことですね。
売り手と買い手の気持ちが一致するのはもちろんのこと、社会に貢献できていてこそよい商売であると言っています。
この「三方よし」は近江商人の商売十訓の一項目目に書かれています。
「商売は、世の為、人の為の奉仕にして、利益はその当然の報酬なり」
なんか好きです。
そりゃそうですよね。
自分がAさんに売りたいモノ・サービスがあったとして、Aさんのためにならないモノ・サービスであったり、Aさんが欲しいと思ってくれていても、世の中から見たら悪でしかないモノ・サービスだったら本当に売れるモノ・サービスではないと思います。
そんなモノ・サービスで利益を得てはいけないですよね。
スキーの話
話は変わり私の趣味の話になります。
私はスキーが趣味なんですが、凝り性な性格もあり全日本スキー連盟公認の指導員の資格を持っております。
せっかく指導員の資格を持っているので指導力を磨いておきたいと思い、スキーを教える活動を継続していますが、全日本スキー連盟が定める指導過程が毎年なんらか変更が入ってくるので、それを理解し師範できるようにしておかなければならないです。
ですので、それを教えてくれるプロの指導者などのレッスンを受ける機会があります。
私のように自己研鑽したいスキーヤーはプロの指導者と言われる方々に教わり、上位の資格や大会の成績向上を目指したり、スキー普及のために人に教えスキーの楽しさを知ってもらう活動をしたりしています。
プロの指導者はたくさんおられるので、人気がある人とそうでもない人に分かれます。
この話をネタに、私が「買い手」で、そのプロの指導者が「売り手」として考えてみたいと思います。
人気のある方とそうでもない方の違いを考えてみると、人気のある方は下記に当てはまっているように思えます。
①スキーそのものが好き
スキーが好きと言いつつ、自分の滑りが好きって方は違います。
②スキーを楽しんでもらいたいと思っている
楽しんでいるいないではなく、上手くなってもらえればいいと思っている方は違います。
③生徒によって教え方を変えている
指導要領を一通りこなしてミッションコンプリートではダメです。
こじつけかもしれませんが、「三方よし」の方が人気があるように思えます。
①スキーそのものが好き
=スキー人口を増やして地域を活性化させたいと思っている
=「世間よし」
②スキーを楽しんでもらいたいと思っている
=顧客の満足度を向上させようとしている
=「買い手よし」
③生徒によって教え方を変えている
=自身の指導力(サービス)を向上させようとしている
=「売り手よし」
こんなサービスだったらいい
先ほどのスキーの指導の話を、クラウドのマネージドサービスに置き換えたらどうなるだろう?
①クラウドそのものが好き
=クラウドで稼働するシステムを増やしてエコシステムを拡大させたいと思っている
=「世間よし」
②クラウドを使ってよかったと思ってもらう
=顧客の満足度を向上させようとしている
=「買い手よし」
③顧客によってアーキテクチャを変えている
=自社の技術力(サービス)を向上させようとしている
=「売り手よし」
ということになるのかな。
近江商人の商売十訓の一項目目である「商売は、世の為、人の為の奉仕にして、利益はその当然の報酬なり」は、まず「与える」ということを言っています。
世間に与え、買い手に与え、そのための自己研鑽を継続し、さらに良いモノ・サービスを与えられるようにすることを継続していくことだと思います。
なんとなくキレイにまとめてしまいましたが、こんな簡単な話ではないです。
ちょっと気を抜くと押し売りや物乞いのようなビジネスになってしまうと思います。
「てんびんの詩」を100回くらい見て、自己研鑽せねば。
みなさんのお仕事のなんらかのヒントになると幸いです。