こんにちは、2023新卒で入社した川久保虹です。
この記事では、XRを使ったオンライン工学実験を皆様に知っていただけたらいいなと思います。また、この取り組みに関してだけでなくXRそのものに興味を持ってもらえると幸いです。
今回、工学実験についてを主に話すため、いまいちピンとこない人もいるかと思いますが、「いいじゃん」と思ってもらえると嬉しいです。
思い付きから行動へ
なぜこのような記事を書こうと考えたのか、それは私が学生時代、実際に「オンラインで実験できたらいいよな」と思ったことが理由です。
私は高専の専攻科に通っていたのですが、新型コロナウイルスによる感染症の影響によって、一部がオンライン授業となったことがあります。この一部というのが講義形式の授業であり、そうではない工学実験や化学実験は大部分が感染状況が落ち着いてからの実施となりました。
このような状況は私が通っていた高専だけではなく、他の高専や大学など大多数の学校が、最終的には対面で実験を行ったと思います。
そんな中、一定数こう考えた人がいるのではないでしょうか。
「オンラインで実験できたらいいのにな」
少なくとも私はそう思いました。
そこで私は仮想空間を用いた実験について研究しました。
今回はこの研究について語ることにより、「オンライン実験の良さ」や「XRの良さ」を伝えていけたらと思います。
オンライン実験に必要な要素
皆さんはオンライン実験ができなかった要因はなんだと思いますか?
リアルの実験にはある、今までオンラインでできなかった要因……
私は、手を動かして作業をするといった「体験」であると考えました。
リアルの実験では、工学実験での電気回路の配線や電流の調整、化学実験での薬品の操作など、実際に手を動かすことによる「体験」があります。
しかし、オンライン実験となるとリアルと同じような作業が不足しており、この要素こそが大きな違いだと思いました。
つまり、実際にリアルと同じように作業できるオンラインがあれば実用に耐えうるのではないかと考えたわけです。
「オンライン」で「体験」……?
当時(現在も)私はVRSNSにはまっていたこともあり、実験とVRが結びつきました。
VRみたいな仮想空間を利用し解決できないか、と。
XRって何?何ができる?
ここでXRについて説明したいと思います。
XRは具体的に「これ!」といったものを指す言葉ではありません。そのためここでは一般的に広く言われている、「VRやARなどの仮想空間を用いた技術の総称」として話していきます。
現在、XRは様々な分野で利用されており、医療分野、教育分野、エンターテインメント分野などさまざまな場所で利用されています。さらには話題のメタバースでも利用されていることもあり、今後の発展が期待させる技術です。
そして今回、オンライン実験システムを開発をするにあたり、現実と同じような「体験」を仮想空間上で再現できる、XRを利用することを考えました。
実際に作ってみた結果
今回、電気回路実験を仮想空間上に再現することを目指しました。
UnityとBlenderを使って仮想空間や3Dモデルを用意し、電流計や固定抵抗などの機器を配置・操作することで、現実と同様の結果を出せるようにプログラムを続ける日々……
結果としては、不具合や不満点がありながらも、目論見通りに目指した実験システムが完成!(上の画像は荒いですがシステム実行画面のスクショです)
つまりXRによって作業体験があるオンライン実験が可能になったということです。
さらには、リアル実験にはない、オンライン実験特有の良い点として
✨実験の予習と復習
✨一人一人自分のペースで確実に進める
といったメリットがありました。
学校関係者の方、ぜひオンライン実験導入しませんか?
ただ、まだまだ改善点もあり、
- 特定の機器を操作する際、バグが起きることがあった
- 操作がわかりづらい
といった声が寄せられました。これはバグ潰しや操作のマニュアル作成など時間をかければ解決できることである問題であると考えています。(原因がわからないバグ潰しや操作感の調整にどれぐらい時間がかかるかはわかりませんが……)
また、今回VRHMDに対応できなかったので、技術を磨いて再チャレンジしてみたいです。
今後としては、メタバース要素を掛け合わせて、オンラインでも皆で実験ができると、違った良さが出てきて、さらに面白いかもしれませんね!
XRって、いいよね
この記事ではXRを使ったオンライン実験について語らせてもらいました。
XRを利用することで今までなかったものを創造することができたわけです。
今回は工学実験についてのトピックで「現実の再現」をしましたが、XRは他にも「現実ではできないこと」を体験することができます!
「飛行機の操縦」や「魔法を使う」など一度は憧れたことありませんか?
なんとそれ、XRならできます。
「XRって、いいじゃん」と思いませんでしたか?
私はこの経験から今後も3D関係に触れていきたいと思っています。
XRに触れたことない方も、これを機にぜひXRに触れてみてください。