ぬいぐるみに2年捧げた男
皆さんこんにちは、23年度に入社した大坪です!
前回は自分が大事にしている考え方について執筆したので
今回は大学院で研究していた「VRぬいぐるみ」について触れていこうと思います。
(初回のブログでぬいぐるみの話に踏み込めなかったのはここだけの話...
VRぬいぐるみとは?
皆さんは家にぬいぐるみを持っていますか?
持っている方はぬいぐるみを触ったり、撫でたり、時には投げたり(?)
色々なふれあいをしていると思います。
もし、触っているぬいぐるみの柔らかさを自在に変えられたり、ぬいぐるみから反応が返ってきたら面白くないですか?
VR世界で現実のぬいぐるみの3DCGを再現することで、表現の幅を増やそうとする試みがVRぬいぐるみです!
もちろん、現実のぬいぐるみも使いながらやるので、ぬいぐるみの感触が損なわれることなくエンタメを拡張することができます。
実家で猫を飼っていて癒されているので、研究を選ぶときに「ぬいぐるみとVR?面白そう!」って思って飛び込んだのがきっかけです。
興味を持っていただいた方に向けて、下に所属していた研究室のサイト(歴代のVRぬいぐるみ)と集大成の1つである論文誌を張っておきます。
研究室のサイト
「VRぬいぐるみとのインタラクション時における許容変形量の調査」
(OAにしてないので、すぐには閲覧できないです)
技術的にどんなことしたの?
主にUnity上でどうやったら3Dモデルを柔らかく、可愛く見せられるかについて実装しました。
具体的にはユーザの手に付けたVIVEトラッカーの位置情報をもとに、手の動きに合わせてぬいぐるみの伸縮を変えたり、テクスチャを変えることで表情を付けたりしていました。
ただ、現実のぬいぐるみに改造を施さないことをモットーにしていたので、ぬいぐるみ自体のリアルタイムトラックはすることができませんでした。
Assetで購入した3Dモデル変形制御のスクリプトを、自分の使いたいように改造したのが一番プログラミングしてたと思います。
トライ&エラーの繰り返しでどのように3Dモデルを動かしているのかを理解し、どこを変えれば自分の動かしたいようになるかを1週間くらいずっと試行錯誤してました。
一番苦労したことは?
誰もやっていない内容だったので、もちろんすべてを参考できるサイトはありませんでした。
なので部分的に参考にできるものをかき集めて、実装を進めていきました。
しかし、一番苦労したのは論文執筆ですね、断言できます。
論文の原稿を作って先生に見せ、ディスカッションしながら修正していくうちに原文がほとんどなくなるというのは日常茶飯事でした。
ただ、それだけ文章として正しくなっているということでもあるので、時間を割いて添削していただいた先生には頭が上がりません。
2年間をぬいぐるみに捧げた結果
自分の研究分野では楽しい物を作るだけではなく、それがいかに研究として出せるか、つまり「社会に貢献できるか」という部分が非常に重要になります。
中身を見ればわかると思いますが、素晴らしいハードを作ったわけでも、素晴らしいソフトを作ったわけでもありません。
それでも、今までにないアイデアを研究に昇華し、論文誌までたどり着けたのは本当に良い経験になりました。
新しいビジネスを考えるときも「その製品・プロジェクトがいかに世の中に影響を与えるか」というのを考えると思います。
この経験を活かして、便利な世の中に少しでも貢献できればと思ってます!
まだまだ硬い文章が抜けてませんね...
研究に興味を持ちましたら、是非話しかけていただけると嬉しいです!