Amazon Connectを利用した状況報告システム
2023-06-14
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システムご提供以前

株式会社FIXERでは、ある省庁からご依頼をいただき、⾃動架電やSMS 送信を用いて短時間で極めて多数の方々(以下「対象ユーザー」といいます)にご連絡を行う⼤規模サービスの開発と 運⽤を行っています。 本サービスが対象ユーザーに行うご連絡は、ピーク時には1⽇で架電が10万件、SMS 送信は100万通を超えていました。

このサービスがローンチされるまで、対象ユーザーへのご連絡は人手で行われており、一人一人に担当者がお電話を掛けてコミュニケーションを行っていました。毎日数千〜数万件の電話を掛けますので、お客様の⽇々の業務には多⼤な負担が⽣じていました。また、対象ユーザーは日々増加していましたので、新規の対象ユーザーの受付と管理を⾏うだけでも大変な労力とコストが生じていました。


システムご提供以降

そういった背景に加え、電話でのコミュニケーションを通じて対象ユーザーからアンケート(情報収集)を行う業務の重要性が⾼まり、2022年3 ⽉に AWS Lambda や Amazon Connect を利⽤したサービスを新たに構築しました。

新しいシステムでは、Amazon Connect で⾃動的にシステムが電話を掛け、電話を受けた対象ユーザーは自動⾳声のアナウンスに従ってプッシュボタンで回答するだけでアンケートに答えて頂くことができ、タイムリーな情報を収集することができます。また、キューイングや発信の仕組みを工夫し、極めて大量の対象ユーザーに短時間で架電できる仕組みをデザインしたため、人手では実現できなかった人数に対応することができるようになりました

また、AWS Lambda を利⽤することでシステムをサーバレス化し、対象ユーザーの急増にも対応しつつコストの最適化を図りました。

さらに、人手による架電では担当者がランダムな時間で架電していましたが、新しいシステムは対象ユーザー⾃⾝が架電する時間帯を希望することが可能となり、もしその時間に応答できなかった場合でも、一定の時間を空けて再度自動的に架電する仕組みも導入しました。

システムイメージ
 

クラウドならではの拡張性

非常に大きな効果をもたらした新システムですが、しばらくすると、対象ユーザー数の増加により AWS API のレートリミットに達したり、指定された時間内 に⾃動架電が完了しないという問題も⽣じてきました。しかし、そこはやはりクラウドのスケーラビリティを活かし、AWS社にも協力をいただいて調整しながら、柔軟かつ大規模に容量を拡張して行くことができました。

その結果、ピーク時にはおよそ10分で1万件近い架電も可能となり、性能要件を維持することができました。


最後に

弊社が提供する自動架電やSNS通知(SMS送信)サービスでは、短時間に極めて多数の架電や通知を行うことができ、IVR(電話自動音声応答システム)のシナリオを組み込むことやDBへのデータ登録、他システムへの連携なども可能なため、タイムリーで効果的かつ費用対効果の非常に高い業務オペレーションやユーザーサービスを実現することができます。
もしそういったユースケースでお困りの方やご検討中の方は、ぜひ弊社までご相談下さい。