―――――はじめに―――――
株式会社FIXER採用担当の花田です。
FIXERではこの夏、全国から約70名の学生が参加する2週間のサマーインターンシップを開催しました。
全14チームに分かれ企画~成果発表を経験し、最終日にはチーム毎に取り組みの様子をブログに書いていただきましたので、その内容を代筆いたしました。
以下内容がインターン生によるチームブログになりますのでご覧ください。
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ご挨拶
こんにちは!この度、株式会社 FIXER様の夏季インターンシップに参加しました、チーム「アガミヤタワシ」です。
メンバーは安賀、宮崎、田村、宮下、鷲澤の個性豊かな5人で構成されています!
チーム名は株式会社FIXER様の生成AI、GaiXerにメンバー名を学習させて生成してもらいました。
口なじみがよく、覚えやすかったためこの名前を採用しました。
私たちは2週間のインターンシップでしたが、前半の1週間はGaiXerの使い方やプロンプト技術などを学ぶインプット期間として学習し、後半の1週間で学んだ知識、技術をもとに、与えられたテーマに沿ってグループでGaiXerを活用するサービス作る、アウトプット期間として過ごしました。
この記事では、後半戦のアウトプット期間についてお話させていただきたいと思います。
テーマから抽出する「不」
今回のインターンシップでのテーマは「生成AIで学校を変える」であり、私たちのチームは大学の財政難に注目して実装を進めました!
全国の私立大学のうち40.7%もが赤字であるという現実を打開するため、大学への入学希望者を増やすためのシステムを提案することができました。
この「入学希望者不足」というところが、私たちアガミヤタワシチームの考えた「不」になります。
この不を解決するための具体的な案として、オープンキャンパスに参加した90.3%が「入学意欲が高まった」と回答したという結果から、オープンキャンパスに参加してもらうことが入学希望者を増やすことに繋がると考え、「場所や言語にとらわれず、学生に質問できる環境」の実装を行いました。
「ネットによるオンライン開催で解決可能ではないか」との意見も出ましたが、遠方からの参加が難しい現実や、国や言語の壁があること、身体的不自由がある方のことを考慮し、「実際に見て回れない」「学生に直接質問できない」などのデメリットを解決するためには、GaiXerを使った本システムが必要であるとの結果になりました。
大学生AI質問サービス「dAIger」の実装
オンラインオープンキャンパスのデメリットである「学生に直接質問できない」に対して、 GaiXerを使って解決することができるのはどこか、どのように GaiXerを活用させるのかを考えました。
悩みに悩んだ末、「実際の在校生徒の声を再現したい」ということにまとまりました。
今まで長い時間をかけてインプットしてきた 、GaiXerに意図した出力をさせるプロンプトを作る技術を駆使して、仮のプロンプトを作成し、学んだことをアウトプットしながらプロンプトのブラッシュアップを重ねました。
スケジュールが押しながらも、何とか期間中に在校生の生の声を再現することができる「dAIger」が完成させることができました!
「dAIger」のプロンプトと工夫した点
今回作成したdAIgerは生成AIのGaiXerを活用して作られていますが、女子大学生風の受け答えをさせるために行ったいくつかの工夫を紹介します。
使用したGaiXerですが、ほかのAIにはない特徴があり、その一つが学習セットです。
学習セットはAIが学習する内容を指定することができ、学習内容を指定することでハルシネーション(それっぽいウソのこと)を防ぐことができます。
今回のdAIgerには「在校生の生の声」を再現させるため実際の口コミサイトから実在する女子大学の口コミを引用し、学習させました。
しかし、普通にデータを入れて喋らせるだけでは問題がありました。
まず、私たちが大学生風の解答を出すときには、はじめに「あなたは女子大学生です」などのキャラクターの情報を指定した後に、聞きたい質問(例えば「学校は楽しいか」)などを聞くのですが、何回も受け答えをしているとAIがその設定を忘れてしまって、それまで口語で話していたのに、いきなり敬語になったりして、化けの皮がはがれてしまう問題です。
おそらく原因としては、その時の学生の声の学習データが730人分だったことと、毎回入力の際にプロンプトを入れていないなどの問題がありました。
それらの問題は
既存の学習データを60人分まで減らし(3年分が60人分だった)、女大学生の口調データ(アニメとか、一般配布の台本のセリフ)を入れ、
プロンプトを下記に変えることで解決しました。
実際のプロンプト▼
#命令
あなたは日本女子大学の大学生なんだ。
高校生に質問されるから、それに答えてほしいな。
===
#入力
学校生活はたのしい?
===
#特記事項
-あなたは日本女子大学の女性の大学生だから、大学生として回答してね
-質問された言語で回答してね
-文字数を150文字以下で回答してね
-口語で答えてね
生成された回答
学校生活はすごく楽しいよ!大学生になってからは、自分でスケジュールを立てたり、興味のある授業を選んだりできるから、自分のやりたいことを追求することができるんだ。また、クラブ活動やサークル活動も盛んで、そこでたくさんの友達と出会えるし、一緒に楽しい思い出を作れるよ。ただ、大学生になってからは責任も増えるから、その分自己管理能力も必要になってくるんだけど、それでもやりがいを感じられるから頑張れるよ!
発表直前まで口語で答えるのが安定しなかったから、結構不安ではあったんですがこのプロンプトと学習セットでようやく安定しました。
グループワークの課題から学んだこと
グループワークに入る前は班員全員が不安で胸がいっぱいでした。
しかし始まってみると班員全員が協調性に優れたメンバーであり、直ぐに全員が仲良くなる事ができ、ディスカッションも順調に進んでいきました。
ですが協調性の優れたメンバーが揃っているということは言い換えれば自主性の強いメンバーが存在しないということでもあります。
これがグループの仇となってしまい、ディスカッションの進行が止まってしまった際の転換を切り出せず、だんまりの時間が多く発生してしまったことがチームの課題に挙げられました。
今後のそれぞれがグループ活動があるときには、この経験を踏まえてリーダーを明確に決め、リーダーを軸に役割分担や話し合いのルールを決めて行こうと班員全員が宣言しました。
チームメンバーの感想
宮下:最初は生成AIに関する知識もない状態で参加したため、どんな成果物ができるのか、ちゃんと完成させられるかが不安でした。しかし、メンターの方、グループメンバーの方に支えていただき、試行錯誤の末「dAIger」を完成させることができました。プロンプト技術を駆使し、満足のいく出来になってよかったなと思います!(ミヤシタ)
鷲澤:グループでの開発・発表の経験が浅く、GaiXerがどのような生成AIなのかすら曖昧な状態での参加だったため不安しかありませんでしたが、資料の共有やメンターの方の丁寧なアドバイス、コミュニケーションの取りやすいチームメンバーの方々の協力のおかげで、自分たちのアイデアを提案できる状態にまで完成させることができました。また、チーム開発で大切にすべきことなど、今後のキャリアに活かすことのできることを多く学ぶことができました。(ワシザワ)
田村:サービスを受ける側ではなく、作る側としてグループのメンバーと開発するなかで、意思決定の難しさや軸の大切さを学びました。今後、社会に出ていく中で、大学では経験できないような、会社でのリアルな開発体験ができたので非常に楽しかったです。(タムラ)
安賀:今回のインターンでは驚かせることが多く、インターンの雰囲気がそのまま職場の雰囲気と聞いて、マジか?!と思いながら話を聞いていたのですが、進むにつれて本当なのだなってわかるとすごい会社でインターン受けているのだなと感じました。
今回はAIのやれることを知れて、AIの面白さと可能性、そしてFIXERという会社の面白さを知れた2週間でした。(アガ)
宮崎:東京の都心という慣れない環境でのインターンシップということもあり、最初は不安で胸がいっぱいでしたが、実際のオフィスや社員間の雰囲気などを知れたことが,就職活動にて自分にとって大きな一歩となったことは間違いないと思います。(ミヤザキ)
最後になりましたが、今回のインターンシップに関わってくださった社員の皆様、メンターの皆様、ほかのインターンシップ参加者の皆様に深く感謝申し上げます。
素敵なインターンシップを作っていただきありがとうございました!今回の経験を今後に生かしていきたいと思います。
2週間ありがとうございました!