ピンチをチャンスに──大切なクライアントとのKickoffから得た教訓
2025-09-05
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FIXERのテクノロジー・サービスは、多くの企業のミッションクリティカルな業務を支えています。しかし、どんなに綿密に準備しても、現場では予期せぬトラブルが起こるものです。今回は、ある大切なクライアントとのKickoffミーティングでの失敗と、その後の挽回を通じて学んだことを共有します。
 

背景:トップ会談で導かれた大切なミーティング

トップ会談で話がまとまり、会社としても力を入れていたクライアント案件。最初のKickoffミーティングでは、先方の期待に応える提案を用意したつもりでした。しかし、当日提示した内容は趣旨とずれており、先方の表情から「これは期待していたものではない」という空気がひしひしと伝わってきました。準備してきた資料を活かそうと必死に軌道修正したものの、根本的なずれは否めません。結果的に徒手空拳のフォローに頼る場面も多く、反省の残るKickoffとなってしまいました。

この経験を通じて痛感したのは、“信頼は一瞬で揺らぐ”ということです。米PwCが実施した信頼に関する調査によれば、顧客や従業員の約半数が信頼を損なう出来事を経験しており、消費者の場合はその大半(63%)が取引を打ち切ると回答しています(PwC調査)。また、企業経営者の91%が、顧客や従業員からの信頼が事業の利益に直結すると考えています(PwC調査)。つまり、ミスそのものよりも、そこで示す姿勢が長期的な関係を左右するのです。
 

二度としくじれないという覚悟

Kickoffでの失敗後、次回ミーティングでは“二度としくじれない”という強い責任感を心に刻みました。前回の反省を踏まえ、クライアントの真の関心事を徹底的に洗い出し、あらゆる想定パターンで準備を行いました。顧客志向の視点を徹底させ、「当社の都合でなく、相手が本当に求めていることは何か」を議論の中心に据えました。
 

当日の想定外への柔軟な対応

迎えた当日、会議は先方代表による“念のための方針確認”から始まる想定外の展開となりました。しかし、顧客志向の視点を貫いたおかげで焦ることなく対応できました。先方の関心事やご期待をその場で汲み取りながら、弊社にとっても最良となる提案に即興で軌道修正し、具体的なアクションに落とし込んでいきました。クライアントのキーパーソンが重視するポイントに対し、こちらから積極的にコメントや提案を行うと、会議の雰囲気は一転して前向きになりました。「先方の役に立ちたい」「当社の価値を正しく伝えたい」という姿勢が伝わったのだと思います。
 

“誠実さ”が信頼を生む

PwCの調査では、信頼を損なう要因として「カスタマーサービスの品質が低いこと(36%)」「透明性の欠如(23%)」が挙げられており(PwC調査)、信頼回復策としては「失敗の原因を開示し、改善策を示すこと」が重要だと経営者は回答しています(PwC調査)。今回の経験でも、先方の本音に正面から向き合い、誠実に修正案を提示したことが信頼につながったと感じています。ミスを隠すのではなく、早い段階で認め、より良い解決策に集中することで、逆に期待感を高められることがあるのです。 

おわりに

「ピンチはチャンス」という言葉の通り、失敗の場面こそが信頼構築の試金石です。実際に多くの経営者が、信頼構築が業績に直結すると認識しており(PwC調査)、透明性の欠如が顧客離れにつながることも明らかになっています(PwC調査)。今回の失敗と挽回は、まさにその教えを体現した出来事でした。

大切なのは「しくじらないこと」よりも「しくじった後にどう向き合うか」。高い責任感と顧客志向を胸に、一つ一つの対話に誠実に向き合うことで、ピンチを信頼と成長のチャンスへと変えていきましょう。