LangChainについて自分なりに言語化したい。
2025-11-28
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はじめに

本記事では、LangChain というフレームワークについて、自分自身が人に説明するときに困らないよう、概念を整理しながらまとめています。
最近の AI 技術は進化が速く、「まず全体像を掴む」ことが難しいため、本記事ではあえて専門的すぎる内容には踏み込まず、初学者でもイメージしやすいレベルで紹介することを意識しています。

記事の作成にあたっては、一部 AI のサポートも活用しながら、疑問点を都度確認しつつ進めました。
また執筆中に LangChain の大きなアップデートがあり、その内容は別途まとめる予定です。

今回はあくまで従来構造をベースに「ざっくりとした全体像を理解する」ことを目的としています。

LangChain をこれから触ってみたい方、あるいは名前だけ聞いたことがあるという方に、最初の取っかかりとなる情報を提供できれば幸いです。

LangChainとは

「エージェントとLLMを活用したアプリケーションを構築するためのフレームワーク」

引用:https://github.com/langchain-ai/langchain

公式ではもっと多機能な説明がありますが、個人的にはまだ理解しきれていなかったので、もう少しざっくり捉えてみます。

「LLMをただ”使うだけ”ではなく、"連結して動かす"ための仕組み」

RAGやシステムプロンプトなどAIのシステムにはAIからテキストを出力するだけでない機能が沢山有ります。

それを鎖のように連結させて使うということで理解しました。

頭の中で列車の連結が思い浮かびながら書いてます。

  • ChatGPT のようなモデルに単発で質問するのではなく、
    • 外部ツールを使わせる
    • 複数ステップの処理を実行させる
    • データベースや API と連携させる

といった「より複雑かつ応用的な AI アプリ」を簡単に作れるのが LangChain です。

これがあると何が嬉しいのか。

LLM をそのまま使うだけではできないことが、LangChain を使うことで簡単にできるようになります。

  • プロンプト管理の標準化
    • 複雑になりがちなプロンプトを、部品として管理できる。
    • 自然言語がたくさんあって混乱しそうなところを整理できる。
    • アプリの機能が増えても自然言語地獄にならない。
    • (どの画面・どの機能でどのプロンプトを使っているか、コードベースで追いやすくなる)
  • 複数の LLM やツールを組み合わせられる
    • 検索 → 要約 → 整形 → 出力、といったワークフローをつなげられる。
    • 別の LLM を途中だけ使うこともできる。
    • 要約はGPTで、翻訳はGeminiなど
  • 外部データの活用がしやすい
    • RAG(検索補完)やデータベースの参照を簡単に構築できる。
    • ローカルもAPIがあれば、LangChainの流れに組み込める。
  • エージェント機能で自動判断させられる
    • LLM が「次に何をすべきか」を自律的に判断できるため、チャットボット以上のタスク処理が可能。
    • LLMの手順を推論して実行できる。人間の言葉の裏まで汲み取ってくれる。
  • LLM アプリのベストプラクティスが揃っている
    • 「セキュアな構成」「再利用できる構造」「例外処理」などAI アプリの“よくある悩み”をカバーしてくれる。
    • LLMアプリを作る時に困る面倒なところが最初から用意されている。

これをどう使うのか。

LangChain の使い方を一言で言うと、

「LLM を使った処理を“チェーン(鎖)”として組み立てていく」

というイメージです。🚃🚃🚃🚃🚃

  • 例えば、
    • ユーザーの質問を受ける
    • 検索して資料を探す
    • その内容を要約する
    • 形式に沿って回答を生成する

これらをバラバラに作るのではなく、
チェーンとして順番に実行させるコードを書くだけで、AI アプリが完成します。

よく使われるパターンとしては:

  • RAG(検索連携)を持った FAQボット
  • 資料から自動要約を作るツール
  • ファイルを読み込んで自律的に分析するエージェント
  • API やデータベースと連動した業務システム

などがあります。

LangChainの構成要素について(この辺リネームされているかもしれないです。)

LangChainは、大きく5つの要素に基づいて構成されています。

  1. Models(モデル)
    1. OpenAIやAnthropicなどの LLM を簡単に利用できる統一インターフェース。
  2. Prompts(プロンプト)
    1. プロンプトテンプレートやメッセージの組み立てなどプロンプト管理の仕組み。
  3. Chains(チェーン)
    1. 複数の処理をつなげて一連のワークフローにする仕組み。
      LLM → 要約 → 出力整形、といった流れをひとまとめにできる。
  4. Agents(エージェント)
    1. LLM が「次のアクションを自律的に選択する」ための機能。
      外部ツールの利用、判断の連続処理などが可能。
  5. Tools(ツール)
    1. 検索、計算、API、データベースなど、エージェントが呼び出せる外部機能群。

あとがき

AI について専門的な数式や機械学習の深い知識がなくとも、
安全かつ簡単に LLM を使ったアプリケーションを作ることができるフレームワークです。

最近の AI アプリは要約や画像生成などが簡単にできる反面、
技術的差別化が難しい印象があります。
しかし LangChain のようなフレームワークを活用すると、

  • エージェントの自律性
  • 複数ツールとの連携
  • 外部データ活用(RAG)
  • プロンプト管理の品質向上

といった、より高度な機能を組み込むことができ、
“ただの生成 AI アプリ” から一歩抜けた開発が可能になると感じています。

とはいえ、こうした優位性も時間が経つにつれて一般化していくはずです。

LangChainが浸透してどんどんAIアプリが進化してくると同じようなアプリがリリースされ続け、ユーザー側が困ってしまいます。

そのため、作り手がしっかりと意思を持って使ってもらうユーザーを考えながら開発することが重要のように私は思います。

参考文献:

そろそろ知っておかないとヤバい? 話題のLangChainを30分だけ触って理解しよう!
https://qiita.com/minorun365/items/081fc560e08f0197a7a8

「LangChain がなんだ?」という最初の疑問に答えてくれる良い入門記事です。
ただし最終更新日が 2023 年 06 月 20 日のため、最新の LangChain とは仕様が異なる部分もあります。
そのため、この記事を参考にしつつ、公式ドキュメントや GitHub の最新情報も併せて調べることをおすすめします。