大阪府行政AIエージェントコンソーシアム設立に際して、FIXERがこの場にいる理由
2026-01-06
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はじめに:コンソーシアム設立の意義

2025年12月19日、大阪府行政AIエージェントコンソーシアムの設立式に参加しました。

大阪府が掲げる「大阪モデルのスマートシティ」の実現に向け、本コンソーシアムは、AIエージェント分野の現状を調査・分析し、今後の展開可能性について具体化を図るために設立されました。

スマートシティの基盤としてAIエージェントを社会実装するためには、行政業務の中核にこの新しい存在をどう位置づけるのか。前提や責任の所在も含め、具体化していく必要があるからです。

行政業務の本質とAIの役割

行政の仕事は、主に次の三つの要素によって支えられています。

  1. 正確さ
  2. 説明責任
  3. 継続性

さらに行政の現場は、行政手続法や個人情報保護法をはじめとする各種法律による厳格な制約の中にあります。守秘義務や職務専念義務はもちろん、最終的な意思決定の責任は法的に「人」に帰属します。

一度導入された仕組みは、担当者が替わっても、安定して運用され続ける必要があります。その前提に立てば、AIエージェントは単なる「便利なツール」では済まされません。「法律の制約の中で、どこまでをAIに任せ、どこからを人が判断するのか」。この線を引く作業そのものが、すでに行政運営の重要な一部になっています。

「ノブレス・オブリージュ」

「ノブレス・オブリージュ」。私はこの言葉が好きです。

一般には「高貴なる者の義務」なんて訳されますが、私が行政の現場で見てきたのは、もっと泥臭くて、重たい覚悟でした。

責任ある立場の人たちが、プレッシャーの中でどう振る舞い、どう決断を下しているか。その背中を間近で見て、共に仕事をしてきたからこそ、私はこの言葉を「選ばれたからこそ、背負うべきものがある」と解釈しています。

今回、行政AIという影響力の大きな領域でFIXERが選ばれたこと。それは、FIXERがその「背負うべきもの」を担える存在になったという証だと思っています。

技術導入に伴うリスクと提供者の責任

AIは進化が速く、できることもどんどん増えています。でも、行政の現場で「できるからやろう」は通用しません。

なぜその判断になったのか説明できない、同じ結果が返ってこない、誰が責任を取るのかわからない。そんなあやふやな状態で導入すれば、一時の便利さと引き換えに、長い時間をかけて築いた信頼を一瞬で失ってしまいます。

一度社会に組み込まれたら、簡単には後戻りできない。それが行政システムです。

民間企業としてそこに関わる以上、問われるのは技術力だけじゃない。ビジネスの成果以上に、社会基盤を支える重みを、行政の皆さんと一緒に背負う覚悟。それこそが、今求められていることだと痛感しています。

FIXERが担う役割:技術と責任の実装

FIXERがこのコンソーシアムで果たしたい役割は、技術の可能性を語るだけでなく、行政の現場で起きる論点を現実の言葉に直していくことです。HER-SYSや、デジタル庁の生成AI技術検証で得た学びを踏まえ、参加者の皆様と一緒に整理を進めていきます。

行政出身者として私の経験も踏まえ、職員の方々が安心して使える前提づくりを、参加者の皆様と一緒に整理しながら進めていきます。

与えられた「席」の重み

設立式において、FIXERは身が引き締まる形でお迎えいただきました。行政AIという未踏の領域において、道を切り拓く役割を期待されていることの現れだと受け止めています。

道のりは決して平坦ではなく、FIXER自身いまだ道半ばであり、解決すべき課題も多くありますが、地道な改善を積み重ね、大阪府をはじめコンソーシアム参加の皆様と共に信頼を築いていきますので、みなさまも応援よろしくお願いします。