FIXER Strategy Divisionの堀ノ内です。「時事テーマ」を取り上げてお話させていただきます。
ここ2回「テレワークワーク」のテーマでブログをアップいたしました。
【前々回】新型コロナウイルスの予防って何? 患者との直接接触を制限 ~テレワークのニーズ~
【前回】「テレワーク推進賞」表彰式参加レポート ~2020年はテレワーク”潮目の年”~
前回の記事ですが、ASCIIさんが運営する「Azureboost」でも取り上げていただきました。ありがとうございました。
さて、今回も2020年2月17日に開催された、一般社団法人日本テレワーク協会が主催する「第20回テレワーク推進賞」の中から、私が気になったテーマを共有させていただきます。
ご紹介させていただくのは「TRIPORT」さん
優秀賞【テレワーク実践部門】を受賞されました。
授賞式の冒頭に、審査の総評として以下のお話がありました。
・これまではチャレンジとして積極的に「テレワーク」を取り組んでいる企業/団体を取り上げていた。
・TOKYO2020に向け「テレワーク」が一般にも認知されてきた。
・仕組みを導入しているだけでなく、実際に運用し「効果を数字で出している」企業/団体を評価する。
今回受賞した企業/団体の発表を聞きましたが、どこも数年前から取り組み、体制/ルール/評価制度を作り、試行錯誤しているところばかりでした。
その中で「完全テレワーク体制」をとっている「TRIPORT株式会社」さまの取組内容を紹介させていただきます。
テレワーク導入の理由
今回の受賞理由は以下の通りです。
2014年の創業時から「完全テレワーク体制」を柱に事業運営をするユニークなベンチャー企業。テレワークならではのコミュニケーションの課題などに地道に取り組み解決してきた。結果として低い離職率、固定費削減、高い売上高経常利益率など達成し、究極のテレワーク実践企業として評価された。
(出所:第20回テレワーク推進賞 事例集)
TRIPORTは働き方や助成金に関する「コーディネート」を行う企業で、社長さまはじめ、社員24人全員がテレワークで業務を行っています。
テレワーク導入に至った経緯としては、
弊社はベンチャー企業であるため、大企業・中堅企業と比べ知名度も資本力もなく、そのような中でも事業が急成長していく中で人材確保が急務な課題となっており、「優秀な人材をどのようにしたら集めれられるのか…」と悩んだ結果、当該取り組みをスタートした。
(出所:第20回テレワーク推進賞 事例集)
とのことでした。
ユニークな取り組み ~運動不足解消も課題~
いろいろな企業/団体の導入事例をお聞きすると、どこも共通した課題があげられます。
以下、その課題に対する取り組みです。
▼ITインフラの整備
・ペーパーレスに取り組む。
・SaaS型クラウドサービスを導入する。(クラウドストレージ、チャットサービス、映像通話サービス、勤怠管理サービス、法人間契約締結サービス)
▼労働時間
・労働時間は自由に。
・みなし労働時間制度を導入し、1日の所定労働時間勤務できるよう自分で調整する。
▼働き方の選択
・短時間正社員制度を用意。
・短い時間なら働ける人を取り込む。
▼業務のテンプレート化・マニュアル化
・RPAを導入。
・商談資料の自動作成。代表電話のチャットによる自動通知。経費申請案内等の自動配信化。
▼業務の可視化・タスク管理
・部署毎、個人毎のタスクの可視化。
・個人のスキル・経験の可視化。
▼コミュニケーション力の強化
・オンライン常時接続。
・個別で打合せが可能なオンライン会議室を複数用意。
▼月1回の全社出社日
・実際に顔を合わせる。
・ワークショップやランチ会なども実施。
▼連絡を取りやすく
・在席状況の見える化。
・電話がつながりやすい時間の見える化。
▼運用制度
・テレワーク勤務手当(月次)
・インフラ整備手当(導入時)
▼運動不足解消
・オンラインでストレッチメニューを実施。
↑これが一番目からうろこでした。
テレワーカーによる生産性の担保を取る仕組みを構築するために、
テレワークという働き方に関係なく、企業の生産性を向上させるためにはとても有益な取り組みになると考えている。
(出所:第20回テレワーク推進賞 事例集)
という気づきがあったとのことです。
おわりに
昨今「テレワーク」と検索すると、多くの意見や考え方の記事が検索されます。
その中で、以下のような記事がありました。
テレワークのコンサルティングをしていると、「テレワークをする社員の仕事は、どのように評価するのですか?」という質問を、よくいただく。そのときは、丁寧にこう質問するようにしている。「御社では、オフィスにいらっしゃる社員を、どのように評価されているのですか?」
(出所:日経ビジネス「新型コロナウイルス対策に「テレワークの正論」は通じない!」)
物事は常にプラス/マイナス両面があります。
新しいことを始めるときはいろいろ課題がでてきますが、その課題をプラス(ポジティブ)にとらえて取り組んでいきたいと考えています。