ルソーの社会契約論って知ってますか?
なんか社会の授業で習った気がするな、、って方、いやしらんなって方、ともにお勉強のお時間です。
一言でいうと社会契約論とは、”自分と自分の全ての権利を共同体に譲渡すること”を論じたものです。
・・・落ち着いて、まだ下を向くには早すぎます。
深堀する前にそれより少し前の背景についても触れると
ルソーがこの社会契約論を書く前に発表した「人間不平等起源論」というものでは
”元々人間関係は自由で平等であったにもかかわらず、産業の発達や私財の所有によって不平等になってしまった”
出所:人間不平等起源論
と論じられています。
上記を前提に失われた自由や平等を取り戻すにはどうすればいいか、そこに一石を投じるべく書かれたのが社会契約論です。
自由や平等を取り戻すために”自分と自分の全ての権利を共同体に譲渡せよ”と述べたのが社会契約論。
この1文だけだとより不自由になりそうな感じですが、社会契約論における根本的な考え方として、自分で自分を統治することが大事という考えがあります。
難しくなってきましたね。もう少しついてきてください。
これらを理解する上でもう1つ大事な考えがあります。このブログでも肝になってくる言葉です。
それは一般意志という概念です。
一般意志とは共同体の成員共通の意志のこと。
僕の解釈ではありますがもっとわかりやすくいうと、なんとなく全員が共通に持ってる考えみたいな感じが一般意志です。
一般意志は私的な意志が合わさった全体意志とは異なり、誰かが決めるわけではなく、なんとなく漂うイメージです。
長くなる予感しかしないのでここでは全体意思の詳しい説明は省きます。各々調べてみてください(やばすぎ)
大事なことなのでもう一度言うと
一般意志とはなんとなく全員が抱えている共通の考えのことです。
そしてルソーがいうには、一般意志はみんなが黙って自分のことだけを考える。そうするとどこかにぼんやりと現れるものが一般意志だとされています。
なぜこの一般意志が大事なのか、、、
それは社会契約論において、この一般意志が主権者であり、国民は一般意志に絶対に従わなければならないというルールがあるからです。
一旦役者が揃いました。おまたせしました。
というわけでここまでをまとめますと
産業の発達、私財の所有によって格差が生まれ、不平等な世界になってしまった
↓
平等を取り戻すためには、自分で自分を統治するしかない
↓
とにかく自分のことだけを考える
↓
みんなが自分のことだけを考えると、ぼんやりと現れる全員共通の意識、一般意志。
↓
一般意志にはみんなの考えが反映されているわけだから、みんな一般意志には逆らわないでね。
↓
自分と自分の全ての権利を共同体に譲渡して取り戻そう、自由と平等を。
いかがでしょうか。これが僕が解釈する社会契約論です。ちょっと調べた程度の知識なので、専門家からすると至らない点多いと思います。ですのでこれだけを信じないでください。
みなさんもぜひ各々調べて自分なりの解釈をみつけていただきたいです。
そして驚くことなかれ。実はこのブログ、ここからがマグマなんです。
なぜエンジニアがこんなテクノロジーに関係のない話をしたのか、
それはいま話題のビッグデータがこの一般意志にとって代わる存在になりそうだからです。
おさらいですが、一般意志とはみんながそれぞれ自分自身のことだけを考えた結果現れる全体共通の考え・意識でした。
それがビッグデータによってもっと定量的に、精度高く生み出すことができるかもしれないと考えられています。
普段の生活を思い出してみてください。
僕たちは当たり前のようにインターネットを活用しています。普段使ってるYoutubeやAmazonではあなたの視聴履歴、購入履歴を基に、あなただけのおすすめという形であなたが好きそうなコンテンツが表示されるようにアルゴリズムが組まれています。
そして想像していてください
あなたの情報がより広い分野から収集され、定量的に測れるよう数値化し、それを全体で統合する。
その果てにできたものがルソーのいう一般意志になりそうじゃないですか、、
現実世界でも既に監視社会である中国が似たような状況になっているといわれています。
そんなに遠くない未来に日本でも同様な状態になるかもしれません。
っていうことでちょっといつもとテイストを変えてみました。これもまたアドベントカレンダーの醍醐味ということで。
ではまた!