皆さん、こんにちは!2023年度新入社員の口分田悠真です。今回は私が学生時代に行っていた研究であるホログラムについてお話ししたいと思います。
ホログラムって映画に出てくるあれのこと?...
くらいに思っている方が大半だと思います。この記事を読むことでホログラムの「ホ」の字くらいは理解した!と思っていただけると幸いです。
1. ホログラムを研究しようと思った理由
私がなぜ、ホログラムを研究しようと思ったのかを説明したいと思います。結論から申し上げますと、
‘’ホログラムってかっこよくね?映画に出てくるようなかっこいいあれを触れるんだったらやりたい!‘’
ですです。。
私も最初は多くの方が抱かれているイメージでホログラムを考えていました。でも初めはこんな動機でいいと思います。私は後のことを深く考えずに突っ走ってしまうことがあり、その癖が発揮されたまま研究テーマを選んだ感じですね。
今となってはとても勉強になったのでいい思い出ですが、もう少し考えたら?と過去の自分にアドバイスしたいですね。
2. ホログラムって何?
ホログラムとはいわゆるスター〇ォーズやアイアン〇ンにでてくるような、↓の画像のように空間に光を投影して...ではないんです!
正しくは、半分正解で半分不正解といったところでしょうか。ホログラムをネットで検索すると下記のような結果が出てくると思います。
物体に照射して回折を受けた光の波長分布を,位相を含めて記録し,再生する技術をホログラフィーといい,そこで得られる干渉じまを感光材料に記録したものをホログラムという.
ホログラムとは コトバンク
???何言ってんだ???
これではわからないと思いますので詳しく説明します。ホログラムを扱う学問は光学と呼ばれます。光学では光を複素振幅として扱い、振幅と位相の情報が含められていると考えます。ホログラムは記録と再生の過程に分けられます。記録はレーザーを感光材料に照射して行います。感光材料はカメラのフィルムと考えていただければ大丈夫です。下図のように、レーザーを、物体を反射または透過させるルート①と、なにもしないルート②に分けます。
ここで、①と②のルートのレーザーは物体を反射または透過したことで異なるレーザーになっています。この2つのレーザーを再度合体することで干渉を起こします。これを干渉縞といいこれこそがホログラムなのです。以上がホログラムの記録の過程です。
続いて、このホログラムを‘’再生する‘’作業を行います。イメージとしてはDVDに記録された映像をプレーヤーで再生する感じです。ホログラムの再生は先ほどの②のレーザーをもう一度感光材料に照射することで行います。
すると、、、あら不思議①で反射または透過した物体が空間に映し出されるのです。これこそ、多くの方が抱かれているホログラムのイメージである映画に出てくるあれなのです。
3. 私の研究内容
ここからは私が卒業研究で行っていたことをご紹介します。
私が行っていた研究はホログラムの発展内容であるデジタルホログラフィが抱える課題の解決です。
また新しい言葉がでてきたよ、もう難しい言葉は聞きたくないと思った方!ちょっと待って!!
実はデジタルホログラフィとは、先ほど説明したホログラムにおける感光材料をカメラデバイスに変えて、コンピュータで解析できるようにした!これだけの違いです。まあこの違いが技術発展に大きく関わっていたりしますが。
カメラデバイスを用いて記録し、コンピュータで解析することの利点は微小構造体(例:ミジンコ、植物の細胞、人間の細胞)の観測が容易にできることです。また、3次元計測が可能になったりもします。
3次元計測とは、サイコロの1の目と6の目の観測が同時にできるということです。
デジタルホログラフィのすごいところは一回記録すれば、何度でも物体の解析ができるところです。
例えば顕微鏡でみたミジンコの写真を撮ったとします。ここで問題となるのが、もう少しズームして撮りたかった。。。ピントが合ってない。。。などです。
デジタルホログラフィでは、物体の任意の位置の状態をリアルタイムで見ることができます。写真としてではなく、データとして記録するので、顕微鏡のような心配が無くなるんですね。
しかし、デジタルホログラフィにも欠点があります。それはデジタルホログラフィ特有のノイズが発生してしまうことです。イメージ的には暗いところで写真を撮った時に発生するザラザラしたノイズです。
一般的にこのノイズはフィルターをかけて軽減させます。いわゆる画像編集ですね。プリクラで目を大きくしたり、肌をきれいにしたり、唇の発色をよくしたりです。
画像編集によってデジタルホログラフィのノイズを軽減させようとすると、意図せず原型を留めていなかったりしてしまうことがあります。
そこで、私が行ったのは画像編集以外の方法でノイズを軽減させる方法の研究です。光学的な観点から、ノイズが軽減するようにコンピュータで数値解析を行いました。詳細を語ると、あと2つ記事が書けるので今回は控えさせていただきます!
ここからは完全に余談ですが、私、卒業研究発表で優秀賞を受賞しました。私の発表が良かったのか、内容が良かったのか定かでありませんが、1年間の研究が報われたような気がした瞬間でした。
4. まとめ
今回は私の研究内容であるホログラムについてご紹介させていただきました。
ホログラムの「ホ」の字はご理解いただけたでしょうか?
ご好評であれば、私の研究を詳しくご紹介させていただきますのでご期待くださいませ。